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【絵本】色鉛筆の黒くん


僕達は12人兄弟!

ご主人様に描いてもらうのが

僕たちの役目!


今日は動物園で絵を描くらしい!


「あれ?僕だけ選ばれない?
まあ、いっか!」


次は学校の授業で

山の絵を描くみたい!


「あれ?また僕だけ選ばれない」


他の兄弟は段々と背が縮む中、

僕だけ背が高いまま、、、


そこで人気者の赤くんに聞きました。

「赤くん、なんで僕だけ選ばれないの?
嫌われてるのかな?」

「そんなことはないよ!たまたまさ!」


次の日赤くんは寿命を終えました。

「みんなバイバイ!」


赤くんに続いてどんどん兄弟は
寿命を終えていきます。


ついに、黒くんだけになりました。


そして、新たに弟たちが

やってきます。


すると、新入りのオレンジ が言いました。

「黒お兄ちゃんはいいなー」


「なんで?」

「だって、ご主人様と一緒に
どこにでも行けるじゃないか!」

違うよ。違うんだよ。

オレンジ。。。

僕も使われたいんだよ。


「そうだね。羨ましいだろ?」

黒くんは精一杯笑いました。


僕は黒鉛筆。

みんなに選ばれない存在。

僕は黒鉛筆。

僕は、、、

それでも、それでも

生きていかなければいけないんだ。


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