コロナショックから長期投資における学びを得る
資産運用をしているものにとって暴落は避けられないものです。
そして、2020年の相場は暴落は絶好の機会になり得ることがわかりました。
そこで、暴落時に市場がどのような動きをしているのか、
まずは直近にあったコロナショックから学びたいと思います。
3月23日に$SPYはボトムをつけています。
ここで買えていれば最高ですが、私はできませんでした。
ここが底なのかどうかと言うのはリアルタイムで判断するのは難しいですね。
今回のコロナショック近辺での面白かったのは$AGGすら売られてしまっていたことです。
資産運用の教科書であれば本当は債券がバッファーになる、資金の逃避先になるはずですね。
しかし、$AGGの値動きが示す通り実際には債券からも資金が逃げています。
一体どこに?
1、現金
2、ゴールド
が想像されます。
この状況だと現金ですね。
理論を超えています。
普通は債券は売りませんので、そうせざるを得なかったのは現金不足でしょう。
こう言う大きなマーケットは機関投資家が動いていますので、彼らの行動の背景を考えれば自ずと見えてきます。
個人投資家はこう言う時に、出動の準備をするか適当に買っておくかをすれば良さそうですね。
ここら辺のテーマは長くなりますので次回以降に任せて今回は$SPY、$AGG、$HYGのチャートから学びたいと思います。
$AGGが先にボトムをつけていた
3月18日のボトムをつけて$SPYに先駆けて反発していました。
考えてみれば、証券では最も信用リスクが低いわけですから当たり前です。
しかし、5日前にボトムをつけていたことを捉えられれば対応も違ったかもしれません。
その数日前にも一度反発がありました。
これは騙しだった訳なのでなかなか難しいものですね。
しかし3月18日からの反発は数日前、直前の高値を超えていますので、明らかに落ち着きを見せています。
この段階で底をうったと言う判断はできそうです。
$AGGが投げ売りされていたらいったんは株式市場から資金を引き上げるべきか?
どこまで行くか分からないのでいったんは逃げた方が良いとも考えられます。
もちろん、それは適切なタイミングで戻ってこれれば、と言う条件がつきます。
チャートをみれば簡単そうに見えるのですが、
案外、買い直すと言う作業は難しいものですよね。
相当に確信が持てていないといけませんし、
そんなに良いタイミングで入れるかわかりません。
成り行きで売ったとしても、とんでも無い価格で約定してしまうリスクもあります。
これらを踏まえると、この戦略は言うは易し行うは難しでは無いでしょうか。
暴落は見過ごして回復局面で資産配分を組み直す
これは我々でもとりやすい戦略でしょう。
暴落の後には新たな相場が生まれますので、
この間にしっかりと戦略を組み直して資産配分を変えていく。
今回の場合であれば3月の暴落から4月であってもお買い得な資産はたくさんありました。
私も実際には4月にMSCIコクサイインデックスファンドに現金や米国債から乗り換えています。
この辺は、もう遅いかなとか2番底があるのかとかいろんな議論が当時はありました。
この辺りについてもまた時間に検討してみたいです。
$HYGと$SPYは同日にボトムをつけていた
これも面白いですね。
リスク資産という意味合いでハイイールド債は株式とニアリーイコールなんだということです。
これはどういうことなんでしょうか?
推測でしかありませんが、
機関投資家の運用ルールにおいて株式指数とハイイールド債インデックスは同じものとして括られている、とは考えられませんか?
暴落前は$AGGほどではありませんが、少し$HYGも株式に比べて抵抗性を示していました。
その点から全く同じとは思いません。。
しかし、こうした暴落局面では同じようなリスク資産として捉えていそうです。
また6月に$SPYが何度か調整していた時にも$HYGは同日に反発してきています。
実際このあたりは随分倒産リスクもあったので$HYGも$SPYも同じようなモンだったかなとも言えますね。
$AGGと$HYGのスプレッドは少しずつ縮小してきている
これはハイイールド債の信用リスクが改善してきていることを意味します。
その意味では市場は落ち着いてきているから良いですね。
FRBがなんでも助けるという市場へのメッセージがうまく浸透して安心感に繋がったというやつでしょう。
ただ、どんな社債でも助けられてしまうというモラルハザードが起こっているかもしれません。
そうなるとこれが行きすぎたら余分なハイイールド債がだぶついてきていることも考慮するところですね。
まとめ
暴落時の代表的な資産$SPYと$AGG、そして$HYGから市場のお金の流れを分析しました。
これは次回以降の暴落時の資産運用をサポートする目的で行っています。
この三つの資産で最も重要なのは$AGGかもしれませんね。
1、$AGGが売られる局面では現金不足が起こっている
2、$AGGが始めに反発をした(信用リスクの順に資金が戻ってくる)
3、$SPYと$HYGは同時に反発をした(ハイイールド債と株式のリスク許容度は同程度)
次回の暴落はいつくるのでしょうか?
この金融相場が終わる頃には学びを得尽くしていたいところです。
しかしこういうチャートや出来高があれば分析自体は簡単ですね。
今後の課題
「資産の値動きから暴落の予兆を掴むことができるのか?」
少なくとも今回はよくわかりませんでした。
回復局面の値動きはとても参考になるものでしたね。
もちろんその時にあった様々な情勢の変化が最も大事ではありますので、
それらを表現しているものとしての理解であることは念頭においておきます。
暴落の予兆を掴むのは、どうすれば良いのでしょうか?
マーケットの主役となっているより個別の物を確認する。
もしくはこうした伝統的資産とは別のものをみてみる。
機会があればどちらかのアプローチで進めていってみます。
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