#10 ラーメンで笑う

ある日、福島県いわき市に住む友人コイズミさんからメールが来た。

コイズミさんとは元々ワタクシが所属する楽団【渋さ知らズ】がいわきでワークショップをやった時に「受講生」として参加してくれた人。そん時、俺は「講師」
何日間かいわきに滞在するウチにすっかり仲良くなった。

その後、またワークショップでいわきに呼んでもらったり。東京で一緒にステージに上がったり。
普段からFacebookでやりとりをしたり。

で、送られたメールには「○月○日の昼って何してますか？」と。
なんでも、前日東京・吉祥寺に出てくる用事があって「そういえば近所に住んでるよな」と思い出し。
かねてから気になってた俺の「ラーメンを食べに行っても良い？」と。

やりますか！ラーメン祭り。

で、せっかくなんである程度人数もいた方が楽しい事になりそうだから同僚であるところの高円寺在住タツミさん・マリちゃんにも声かけて。

さらにいわきからコイズミさんと同じくワークショップきっかけで仲良くなったムロイさんも「僕も行っていいですか？」と（どこで聞きつけた？）
ムロイさんは昨年【CHIZ】ツアーでいわきに行った時、お宅に泊めていただいたりと大変お世話になっているんで「ふたつ返事」でムロンOK！

木曜日に買い出しに行って豚骨を炊き始め、金曜に鶏ガラ系のスープや各種具材を準備して。
土曜日の昼下がり会場のウチにみんなが集まってきました。

（もうこの写真いいか）

事前に一応「せっかくだから製麺体験もしてみますか？」みたいな事をみんなに聞いておいたのですが。
コイズミさんしか「粉からやってみたいです！」って反応がなかったから「あとは食べに来るだけのつもりかな」と、各種麺を準備して。
もしかして「製麺機だけ回してみたい」って人もいるかな？と思って「麺帯」まで作った状態の生地も準備して。
なんか、ワークショップの講師みたいだなぁ。

ひとまず、シューマイとラー油で乾杯して。

シューマイ、まだ生まれて1回しか作った事なかったので（2度目でした）包みかたとかバラバラ…
ラー油は何度も作ってるんで慣れたもんです。
しかし、ラー油造り。手順だけ考えたらラーメンのスープよりウンと手間ですな（それでも難しい事はなにもないけど）

マリちゃんが『これ、シューマイ何が入ってるの？』って聞くから。
「いや、別に。ホント玉ねぎだけだけど」って答えたら、タツミさん
『ホンマ⁈ 肉みたいな味するで！』って…全員爆笑。
笑われてる意味がわからないタツミさん『肉と調味料以外に何が入ってるの？って質問だとここにいる全員わかってますよ』とマリちゃんにたしなめられる。

まぁ、それぐらい普段料理とか縁のない人です。

ところが、コイズミさんに「そろそろ製麺やりましょうか」って言ったらムロイさんも粉から。タツミさん・マリちゃんも麺帯からやってみる、と。
ありゃ、麺作り過ぎちゃったかな。

でもね、ホント「作るのがオモシロい」のです。

いわきチームのおふたりに「水回し」レクチャー。
とりあえず初心者にも扱いやすい「加水率40％」

タツミさん・マリちゃんには前日に水回ししておいた「加水率35%」のちょっと硬めの生地を。
『結構力いるな〜筋肉痛になるで』って、そこまでじゃないでしょ〜

何度も麺帯を製麺機に通しているうちに「生地が可愛くなってきた」とマリちゃん。
喰うんですけどね。

かくして、実に「4人四様」の麺のできあがり！

右上から時計回りにコイズミ麺・ムロイ麺・マリ麺・タツミ麺。

さて、ここで俺のスープとコラボです。

関西出身タツミさんの麺には「ソウルフード」かなぁと思って（普段からよく食べてるみたいだし）
「天下一品」のこってりスープをパクったラーメン。
鶏ガラと各種野菜のスープにダシ取った鶏皮とジャガイモを中心に香味野菜などをミキサーにかけたペーストを溶かし混んでトロミをつけてみた。

太めの麺を作ったマリちゃんには「二郎」パクりラーメン。
背脂たっぷり、豚肉の旨味が出まくった豚骨スープ。

わりと細麺を作ったムロイさんにはちょっと気分を変えて「蒙古タンメン中本」パクり味噌タンメン。
炒めた野菜を豚骨スープで煮込んで2種類の味噌と豆板醤・粉唐辛子でピリッと。
普段あまり「加水率40％」ってやらないけど、細麺のそれぐらいの加水率って「あ〜ラーメンらしいラーメンだなぁ」って思った。食感とかのど越しとか。
アリですね。

そんで、一番「中間的」なコイズミ麺は「大勝軒」パクりラーメン。
豚骨スープに煮干しや昆布など。
これが一番「普通のラーメン」なんだけど、一番贅沢な味わい。
「一番・一番」何度も書いてますけど、これが今日の中で自分的には気にいった出来栄えのスープなんですよ。

で、これをちょっとずつみんなで回し喰いするのが「ラーメン祭り」のスタイル。

『ズルズルーツ！』
『ズルーッ！』

『プッ！』
『ククッ！』

よく「美味しい料理は人を笑顔にする」なんて言われたりしますけど。

「パクりラーメンを食べると人は笑う」

という新発見。

そうだよね。「本物の歌手」と「モノマネ芸人」みたいなモンだもんね。
似てるは笑える。
そんで、オリジナルが美味いんだからパクったら美味いに決まってる。

で、ひとしきり笑った後はせっかくなんで俺の作った麺も食べてもらう事に。

全粒粉入りの太麺を水で〆て「つけ麺」に。
つけダレはスーパーで売ってる「池袋大勝軒」の赤い袋（甘酸っぱいヤツ）をパクったスープ。
お店で食べるのと「違うじゃん！」って言いたくなる「あの感じ」が見事に再現できてて我ながら爆笑。

さらにせっかくだから自家製麺で作る「蒸し麺」も味わって欲しかったので焼きそば。

と、ここまで散々喰ってきて俺の用意した「ネタ」も尽きたトコで…本日のハイライト！
いや「ハイライト」って言うのもなんですけど。

タツミさんに前もって「天下一品のコピーラーメン喰わせますよ！」って言ってあったんですが。
『食べ比べしようや！』ってワザワザお店で「持ち帰り用」を買って来てくれたのです。ホンモノを！

あははは。ラーメン祭りのお土産にラーメン買ってくるか⁈

袋から出して、まず全員が「麺細っ！」と驚く。
こんなに細かったっけ？

で、付属の「ラーメンをおいしく作る方法」にキチンと従って作り実食！

『うーん…まぁこっちの方が天一っぽい…か？』

いやいや、ホンモノですから！「ぽい」じゃなくて。

『でも、店で食べるのとは違うなぁ〜』とか。
結局、タツミさんは「たしかに天下一品の味ではあるけど、鬼頭作天下一品風の方が好み」と。
さっき自分で初めて作った麺を食べた全員が「麺がダメだね」とホンモノに向かって大変失礼な発言を（笑）

モノマネ芸人コロッケさんの生公演に爆笑して。
テレビで見る五木ひろしさんに「迫力がないね」とダメ出ししてるみたいな感じですかね？（大苦笑）

といった感じでコイズミさん・ムロイさんがお土産に持って来てくれたお酒呑みながら5時間ぐらい楽しいラーメン祭りでした。

みなさん、ワタクシの趣味に付き合ってくれてありがとう！
またのご来店をお待ちしておりまーす！

まさかの「disられ方」をされたホンモノ（奥）と意外にも健闘した「俺天一」（手前）のツーショット。
『この状態で出されたらわからへんで』とタツミさん。
『いやいやいや、それはない！』と全員ツッコむ。

（今回、写真は自分で撮った以外にみなさんのFacebook投稿などからパクらさせていただきました、ハイ爆笑！）

#ラーメン #自作ラーメン #製麺機