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猫の飼い主さん、猫のことも考えた防災対策してますか?②

■愛猫と安全に「同行避難」するための防災対策

①同行避難後の生活をシミュレーションしてみる


誤解されやすいものですが、そもそも「同行避難」と「ペットとの避難所での同居生活」は同じ意味ではありません。

同行避難とはあくまでも、ペットを連れて避難すること。その後の避難生活は、人によって様々です。

行政は人命救助が最優先。避難所の運営は各自治体や避難所責任者にゆだねられており、ペット可となっていても人間とペットが同じ空間で暮らせるのはまれ。状況によっては、受け入れてもらえないこともあります。
また、たとえ一緒に暮らせたとしても、犬など他の動物が一緒の場合もあるため、同行避難後に愛猫と避難所で暮らそうと考えている場合はあらかじめ、どんなメンタルケアをしてあげたらいいのかも考えてみましょう。

②持ち出す物の優先順位を決める


自分も猫も生き延びれるよう、多くの物資を持ち出せないと…。災害時はそう思い、パニックになってしまうもの。しかし、非常用グッズは「最優先で持ち出すもの」と「できれば持ち出すもの」に分けることができます。
例えば、キャットフードや薬、キャリーケースは最優先。多頭飼いの場合は大きめのキャリーケースに2匹入れたり、ペット用カートに数匹入れて運んだりするのもあり。

慣れない環境で食欲がなくなることを考慮し、ドライフードだけでなく、食いつきがいいパウチのウェットフードや猫用おやつなども最優先に持ち出しましょう。
一方で、かさばりやすい猫用トイレは、非常時でも手に入りやすいダンボールで代用可能。ケージは外の倉庫など、取り出しやすい場所で保管しておき、避難後に安全が確認できてから持ち出すのが現実的。同行避難時は持ち出す荷物を減らし、安全に避難することも重要です。

③避難所から近い動物病院を探しておく


かかりつけの動物病院が被災してしまった時のことも考え、今のうちから避難所や自宅から近い動物病院を複数探しておきましょう。急変に備え、夜間病院もピックアップするのがおすすめ。
愛猫に持病がある場合は現在の健康状態を新しい病院でしっかりと伝えられるよう、これまでにした検査の結果や飲んでいる薬をスマホで撮影し、保存しておくようにしましょう。

④猫をキャリーケースに慣れさせておく


災害時、意外と苦労するのがキャリーケースに猫を入れること。パニックになった愛猫が脱走して行方不明にならないためにも、日頃からキャリーケースに慣れさせておくことが大切。

おもちゃを使って中に誘導したり、キャリーケースの中でおやつをあげたりして、「病院へ連れていかれる怖いもの」という認識を変えていきましょう。
なお、どうしてもキャリーケースに入ってくれない場合は押し入れの一角や人間用トイレの中など、囲われていて倒壊しにくい場所に逃げ込める「猫用スペース」を作ってあげましょう。すると、災害時に猫を探す時間が省け、スムーズに同行避難することができます。

⑤家族以外の人に慣れさせておく


同行避難後、お世話が難しい場合は知人や動物病院などに預けなければならないことも…。そんな時に愛猫が感じるストレスを減らしたり、お世話をしやすくしたりため日頃から家族以外の人にも慣れさせましょう。

来客時はチャンス。おやつなどを使い、コミュニケーションを取ってもらいましょう。

⑥迷子になっても見つかりやすい工夫を


災害時、愛猫が家の外に飛び出し、迷子になっても情報を得られるよう、普段から首輪には飼い主さんの連絡先や住所を書いた迷子札を。マイクロチップの装着も兼ねると、より再会できやすくなります。


⑦日頃から健康管理は万全に


もし、避難所で他のペットと過ごすことになった時に気を付けたいのが感染症。緊急時に病気を貰わないためにも、毎年のワクチン接種は徹底していきましょう。ワクチンを接種していないと動物病院やペットホテルに預けることが難しい場合も多いもの。避難生活の選択肢を広げるためにも、寄生虫駆除などの基本的な健康管理も万全にしておきましょう。
ちなみに、ワクチン証明書は最優先で持ち出す非常用袋の中に入れておくか、スマホで写真を撮って保存しておくのがおすすめです。

⑧避難訓練をしてみる


実際に猫をキャリーケースに入れて避難訓練をしてみると、どんな点が大変なのかが分かり、備えるべきものや必要なものが見えてきます。避難訓練をする時は実際に避難所へ向かい、避けたい道を見つけたり、複数のルートを探したりしてみてください。

参考書籍:『決定版 猫と一緒に生き残る 防災BOOK』(ANICE:監修/村中志朗:監修/富田園子:編/猫びより編集部:編/日東書院本社)

在宅避難編はこちら!
https://note.com/bousai_cat/n/n8a3d639f6e6b

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