塗装

　我が家の居間12帖のスペースのその壁に、壁紙の上から塗料を塗ろうと以前から妻が提案していた。それについては理由を設け、再三渋ってきたのだが、トイレキッチンリフォームを終え、綺麗になった状態を見てか、季節がやっと暖かくなってきたからか、とうとう抗しきれずに、することとなった。
　周知のようにうつ病を患っているので、相当な決断がいった。話を聞くだけで、体がだるくなり、呼吸が荒くなり、思考がまとまらなくなる。今回も相当嫌だったのだが、前述したように塗装をするには、いい気候であり、リフォームを終えて、従来の壁紙が薄汚れて汚く感じたので（その通りなのだが）一大決心をした。
　僕が元勤めていたホームセンターの家から一番近い店へ買い物に行っている間、妻はすっかり準備を終えていた。すなわち家具やカーテンを移動させ、塗装する壁紙の掃除等を行っていた。
　早速養生を始めた。正直言ってきつくて、途中で挫折するかもしれないと思った。その時は妻独りですることになる。独りでするにはちょっと面積が広すぎる。スイッチがONになった。始めてみると熱中して、息は荒く、体はしんどい割には最後まで塗り果せることができた。正味5時間かかった。
　さすがに塗り終わるとしんどくて、後片付けはほとんど妻がしてくれたが、肩で息をするような状態だった。
　まだ塗料が乾かないうちはムラがひどくて、イマイチだな、と思ったが、乾くと、それなりの出来であった。よくみるとムラや養生不足によるはみ出し等が各所にあったが、まあ上出来だろう。
　メール等のチェックをして、疲れたので、夕方6時には寝て（もっともいつもこのくらいの時間に寝ているのだが）夜中の0時に目が覚めてしまった。それで今これを書いている。睡眠時間は6時間取っているので、十分だし、疲れも取れた。多分に疲れの要因は精神的なものにあるので、完成した今は何ともない。
　居間とキッチンは真っ白になった。