僕は数字に強い

　昔から結構数字には強い方だった。人の誕生日とか、電話番号（携帯になる前の）とかは何故かすぐ覚えた。会社に勤めていた頃は、自分に関係のある業者の電話番号はほぼ記憶していた。それも覚えようとして、やってた訳ではなく、自然と指が覚えてる感覚であった。
　そんなだから高校時代、皆はてっきり僕は理系の大学へ進むのだろうと思っていたらしい。ところが化学に物理に生物に地学、どれも大した成績を収めることはできなかった。物理なんか先生のお情けで赤点を逃れる始末である。そうはいっても数学だけは得意で、成績表10段階で１０か９であった。せめて理科の4教科のうち１つでも出来ていれば、理系に進んで、今とは違った道に進んでいたかもしれない。多分その選択肢はどう転んでもなかったとは思うが。
　僕の性格は興味があるものは勉強するが、興味ないものは一切勉強しないという、はなはだ自分勝手なものであった。いまだに好き嫌いははっきりしている方である。
　ところが年月が経つと、得意だった数学も全然あかんようになった。電話番号も会社を辞めた途端に忘れた。学生時代の友人たちの誕生日はそれでもいまだ覚えていて、その日には「お誕生日おめでとう」のlineを打つ。
　先日、大学の先輩に同じように誕生日のlineを贈ったのだが、1月遅れだった。日にちも間違えていた。失礼な話である。
　だんだん脳が老化していってるのだろう。