見出し画像

4630万円

 山口県阿武町の4630万円の誤送金問題はまるでショートショートのネタのように間が抜けているとしか言いようがない。
 まず間違って送金しちゃったこと自体がギャグである。ありえない。4630万円もの大金を全部まとめて、一人の人に送っちゃったっていうんだから、普通はもっと慎重に手続きするよなあって思う。まずここから解明してほしいくらいだ。あまりに杜撰である。
「与太郎や、おカネはちゃんと間違いなく10万づつ対象の方々に送ったんだろうな」
「へい、まとめて全部送っちゃいやした」
 落語でもそんな話はない。
 それがまた送られたほうも、最初は返すつもりだったのが、魔が差したのかどうかはしらないが、返金を拒否したあげくにネットカジノにつかっちゃったっていうんだから、これもまたギャグである。
「すいません、間違って送っちゃったんで、返して下さい」
「いいですよ」
 とかいいながら、すんでのところで今日は止めときます、ってどういう理屈なんじゃい。普通は役所の方もああそうですか、で引き下がるものでもないだろう。どうして引き下がったのか、不思議でならない。
「倍にしてから、元金をお返ししますよ」
 なんて会話はなかったと思うが、そのつもりだったんじゃないのかな。
 結局謝罪して少しずつでもお返し致しますってオチになってしまったようだけれども、世の中にはとんだ与太郎以下の人物がいたものだ。刑事責任も問われるだろう。間違って送っちゃったほうは、どんな責任を負うのだろう。
「罪は償います」
「それならカネ返せよ」
「返せません。全部使っちゃいました。カジノで」
「まじかよ。そらおいらの首もすっとんじまうじゃねーか。責任とれよ」
「罪は償います。少しずつおカネも返していきます」
「何年かかんだよー」
「40年ローンとかじゃだめですか」
「金利がつくよ」
「元金だけにしてくださいよ」
「厚かましい野郎だ」
 あとは裁判所で決めてもらうしかないであろう。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?