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叙景(後半)
いつも赦される
幼子の罪のように
灯台の白だけが
収束する光を再び拡散し
何かを見つけようとする私を
諦めさせる
時が消し去ろうとするものは
昨天の輪郭と
その中へ沈んでゆく
いつかの面影
風になびく髪は
島景に重なり
振られる手と手が
重なることはない
定期船は繰り返し
互いを隔て
島はいつも残される
叙景
いったん離れれば
二度と合うことのないものを
高まっていく船尾の潮を糸として
とんとんと揃えて
綴じようとする
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