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Qualia

僕が、生まれ育った家のキッチンにいた。

髪は今よりも短くてこざっぱりとした服装をしていた。
キッチンは記憶の中にあるのと変わらず清潔で穏やかだった。

視線に気付いて僕を見た。少し笑った顔はとても落ち着いていた。僕に言った。

君の全てを捨てて戻ってきたんだ。

それは、おそらく幻なのに僕とは比べ物にならないほど地に足の着いた一人の人間だった。


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