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自衛官と急性アルコール中毒:飲まなきゃやってられねぇ!!

割引あり

お酒って美味しいよね。
私も週末にお酒を飲むのを楽しみに平日の仕事を耐え忍んでる。
現代人にとってお酒はファイナルファンタジーのエーテルみたいなもので、心の回復には欠かせないものだろう。
自衛官にとっても同様だ。

昨今アルコールの消費量が減ってきたといえ、自衛官はまだまだお酒が大好きな生き物だろう。
日々のストレスを溜め込み、アルコールで発散する自衛官は多い。
ただストレスの量に比例して、飲み過ぎてしまう自衛官が度々現れる。
彼らは当直中にサイレンとともに自衛隊病院に運び込まれてくる、居酒屋から。


急性アルコール中毒ってどんな病気?

急性アルコール中毒はほとんどの人が聞いたことがあるだろう。
一度に大量のお酒を飲んだことで起こる病気だ。
これはお酒の強い弱いに関係なく誰でも起こりうる。
飲み慣れていない大学生が一気飲みしたりして起こることが多いね。

急性アルコール中毒の症状は見たことがある人がほとんどだろう。
公園や駅で倒れ込んでいるサラリーマンを想像してほしい。

「ちょっと酔ってて寝てるだけじゃん。大したことなくない?」
と思った人もいるだろう。
急性アルコール中毒の症状は、血中アルコール濃度によって幅が広いんだ。
そしてその程度は一目じゃ分からないし、軽視されていることが多い。
下の血中アルコール濃度と酔い方を見てほしい(引用元

爽快期(血中アルコール濃度20~40mg/dl)
 症状:陽気になる、皮膚が赤くなる
ほろ酔い期(血中アルコール濃度50~100mg/dl)
 症状:ほろ酔い気分、手の動きが活発になる
酩酊初期(血中アルコール濃度110~150mg/dl)
 症状:気が大きくなる、立てばふらつく
酩酊極期(血中アルコール濃度160~300mg/dl)
 症状:何度も同じことをしゃべる、千鳥足
泥酔期(血中アルコール濃度310~400mg/dl)
 症状:意識がはっきりしない、立てない
昏睡期(血中アルコール濃度410mg/dl以上)
 症状:揺り起こしても起きない、呼吸抑制から死亡に至る

引用 e-ヘルスネット アルコール酩酊

『え、死ぬの!?』と思った人もいるだろう。
そう、急性アルコール中毒は最悪死ぬんだ。

急性アルコール中毒の合併症

上述の血中アルコール濃度と症状を見て、最悪死にうることが分かっただろう。
ただそこまで酔っていなくても、急性アルコール中毒には合併しうる病気がある。それらも同様に怖いんだ。

吐瀉物による窒息

酔って吐いたことがある人はいるだろう。
自分では吐いたことがなくても朝方の歓楽街で道端にゲロがあるのを見たことはあるはずだ。
急性アルコール中毒で意識が朦朧としている時に吐くと、気道に吐瀉物が詰まることがある。
仰向けで嘔吐した時は吐瀉物で静かに窒息死してしまうんだ。
泥酔による死亡で多いのがこの窒息だよ。

このため泥酔者には対策として横向きに寝かせる(回復体位)
こうすると吐いても吐瀉物が自然に外に流れていくんだ。
みんな覚えておこう。

脚をクロスさせることで仰向けになることを防ぐことができるよ。

低体温症

酔うと眠くなるよね。
街中で酔って寝ているサラリーマンはたくさんいる。
ただ冬に外で寝ると低体温症になる。

人間は適切な体温調整ができないと3時間で死ぬと言われている(3の法則)
ただ3時間未満で亡くなってしまうことも多い。
特に地べたで横になると体温がどんどん低下していく。
ホームレスがダンボールを敷いて寝ているのを見たことがあるだろう。
これは地べたからの体温低下を防ぐ意味合いがあるんだ。
災害時などでも同じことが起こりうるから注意が必要だよ。

外傷(特に頭蓋内出血)

ほろ酔いでも起こる事故がある。
転けて頭部をぶつけることによる外傷性出血だ。
これは急速に意識障害を起こすが、酔って意識をなくしているのか判断がつきにくい。病院でも急性アルコール中毒だと過小評価して頭蓋内出血を見逃すことすらある。
なので周りの家族などが判断するのは難しいだろう。
千鳥足になるくらい酔ってたら周りが止めてあげような。

自衛官の急性アルコール中毒

急性アルコール中毒の一般的な症状などに関して説明してきた。
では自衛官の急性アルコール中毒はどんなものが多いんだろうか。

まず最近の自衛隊は飲酒に関して厳しくなった。
飲み会でのお酒の強要(アルハラ)などはほぼ見られないと思う。
(全ての部隊を見た訳ではないので、絶対にないとは言い切れないのが残念だけど)

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