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素材を生かした料理は美味い | #アートとコピー (2)

こんにちは。デザイナーの木村ちひろです。
普段は紙媒体をメインに、社内報やクイズ本、日本酒のラベルなど、とにかく何でもデザインします!(お仕事ください!)なフリーランス2年生です。

前回に引き続き、宣伝会議のコピーライター養成講座 コピーライター阿部広太郎さんの「アートとコピー」第二回目の気づきについて書いていきます。


今回のゲスト講師は、アートディレクターの副田高行さん。誰もが必ず一つは、副田さんの手がけられた広告を見ているはず…という大ベテラン。
そんな方から直接どんなお話が聞けるだろう、という期待は、ものの見事にぶち壊されました……いい意味で!
ものすごい熱量で圧倒されるばかり。当初予定されていた2時間をぶっちぎりの3時間半、一言も逃すまいと必死にメモを取りながらお話に夢中になっていました。


本質を発見してポンとおく

講義後しばらく頭が沸騰したかのようにカーッと熱くなってしまうほど、金言名言のオンパレードでした。
その中でも、言葉を変えながらも副田さんが繰り返し話されていたことは「本質を発見すること」。
広告する対象の本質を見極める。どう広告するか、どう上手いことを言って、着飾っていい感じに見せびらかすのかを考えるのではなく、そのもの自体から発見をする。見た人が「お!」となるような視点を発見し、それを伝えていくのが広告ということ。デザインをするな。

そのお話を聞いた時は耳が痛かった…。
どんな仕事でも、自分がデザインを担当するからには変なものを作りたくない。クオリティに関してその考え方は間違っていないと思いますが、のめりこむあまり、企画を「自分の作品」のように捉えてはいけません。自分の好きなデザイン、自分がいいと思うテイストに寄せすぎてしまっては、何を一番伝えたかったのか、デザインを通じてどうコミュニケーションしたかったのが揺らいでしまいます。
デザイナーはアーティストじゃない。自分が言いたいことを言うのではなく、誰かが言いたいことをわかりやすくしたり、翻訳する仕事です。

……頭でわかっていても、気づいたらああしたいこうしたいってムクムクと欲が出てきてしまうんですよね…。「本質」が見えていたら、そんなこと思わず一直線に着地点まで向かえると思うのですが、だいたいモヤモヤ悩んで「どうしてくれよう」なんて考える時、かっこつよけようとしている時は、「本質」が見えていないからなんですよね。

副田さんは本質を発見して「ポンと置くだけでいい」ともお話しされていて、今も心に残っています。

ポンと置くだけってどういうことだろう。

なんとなく、「満点☆青空レストラン」を思い出しました。お笑い芸人の宮川大輔さんが日本全国の食品生産者をたずね、その食材を使った料理を紹介するテレビ番組です。
採れたてのみずみずしい野菜や活きのいい鮮魚などを、その場所その瞬間だからこそできる調理法でいただくのが、すっごく美味しそうなんですよね。新鮮だからこそ、食材の一番美味しいところを楽しめる。食品を一番よく知る生産者だからこそ提案できる料理がある。塩かけてそのまま食べるだけでもご馳走に見えるんです。

私が食いしん坊だからこんなことを思い出したのもありますが…(笑)

デザイナーとして、生産者=クライアントと同じくらい、もしくはそれ以上に、ときには違ったから角度から「そのものの本質」を見つけて伝えていかなければいけないんだ、と強く思いました。
もちろん、三つ星シェフが作っただけでなんでも美味しそうってこともあり、どんな企画でも最善を尽くせるよう、デザイナーとしての技術も磨いていかないと、と思いつつ。

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