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Cambridge Circus

「ケンブリッジ・サーカス」に掲載されていたポール・オースターと彼の作品の翻訳者・柴田元幸との対談が良かった。

テーマは子供の頃の話。コロナのせいなのかわからないけれど、ちょっと前にSNSで幼少の頃の写真をアップするのが流行ったりして、昔のアルバムを引っ張り出してきた方も多いと思う。昔を思い出すということは少し気持ちを穏やかにさせる効果があるのだろうか、この対談もおふたりの思い出話に頬が緩み癒された。

野球少年だったオースターは話題が野球になるとギヤが一段上がった感じで嬉々として話まくっているのが微笑ましかった。勝っても負けても地元に愛すべきチームがあるって素晴らしいことだよね。プレーを肴にあーでもない、こーでもないと、誰かと野球を見に行って盛り上がりたくなった。

柴田元幸さんのお兄さんの住むポートランド〜ユージーンの旅日記も良かった。お兄さんにも興味湧く。スチュアート・ダイベックの東京滞在記(こちらにも河川敷の野球の話が)なども。 「ケンブリッジサーカス」文庫版は「バレンタイン」の一部と合本になっている。解説は小川洋子さん。

柴田元幸さん、想像どおりアンチ巨人で、川を挟んだ隣町、川崎球場をホームにしていた大洋ホエールズ(現・横浜ベイスターズ)ファンだったらしい。

ケンブリッジ・サーカス
柴田元幸
新潮文庫
2018年発行

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