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始まった、松本人志のいないテレビ

松本人志のいないテレビが始まった。
まだ、クレージージャーニーなどで松ちゃんの姿は見ることができるようだが、テレビは今後どうなるのだろう。

笑ってはいけないの終了で体を張ることがなくなった

年末恒例だったガキ使の笑ってはいけないシリーズ。
ダウンタウンをはじめ、人気の芸人や有名人が出ていたことで好評だった。
この番組のポイントは、タイトルの通り笑ってはいけないこと。
笑ったらケツバットでしばかれるが、その体を張った姿を見せることで視聴者は親しみを感じていたように思う。
どこかのネット記事で見たのだが、松本人志がガキ使で笑っている姿を見せるようになってから、好感度が上がったらしい。それまでは、よく言えばクール、悪く言えば愛想がない雰囲気だったのが変わったのだろう。

笑ってはいけないの最後は2020年末。
そこから松本人志は、あまり体を張ることがなくなった。
特番として放送されていた、リンカーンの大運動会も最後の放送は2019年。

もちろんそれまで続けていた、数々のバラエティー番組での出演はあるものの、松本人志は「ワイドナショー」などでの社会問題に対するコメントや、M1とキングオブコントなどでの、審査員としてのコメントが取り上げられることが多くなったように思う。

コメンテーターとしての松本人志は、人それぞれの価値観の話なので、否定も肯定もしないが、審査員としての松本人志は適任だったように思う。

中田のあっちゃんの提言

2023年、「松本人志への提言」で話題になったが、多くの芸人は松本を擁護した。
まあ、「お前が何言うてんの」という感じもあるし、じゃあ他に誰がなるの、という話でもあったので、この提言が賞レースの審査員事情に反映されることはなかった。
しかしこの提言が話題になったということは、「審査員やり過ぎ」と多くの視聴者が思っていたということでもある。

2022年末のM1ではオール巨人と上沼恵美子が審査員を勇退し、名実ともに松本がM1審査員の中でトップになった。
キングオブコントでは、松本その人がキングのように演出されているように思う。(キングオブコントの会では松本のイラストに王冠がついている)
そしてTHE SECONDのアンバサダー(アンバサダーって何よ)、人志松本のすべらない話、IPPONグランプリ…

松本がいるままの世界では、「やり過ぎ」だからといって、仮にどれか1つの審査員だけ代わる、ということは絶対になかっただろう。審査のコメントは的確だし、多くの若手芸人はネタを見てもらえることに喜ぶ。後は視聴者がどう感じるかだけの問題。

2022年のM1で、これまで島田紳助→上沼恵美子が座っていた席に自分が座っていることに感慨深そうにしていた。
その時見ていた私は、松本に孤独な印象を受けた。旧M1で島田紳助と松本人志が漫才を見終わって、感想を言い合う人がいなくなっているのか、と思ったからである。
しかし2023年のM1では、中川家の礼二と感想を言っている松本を見て、なんだか安心したのを覚えている。

アメトーークで見た、松本がつくった時代

2月1日のアメトーークのテーマは「根が明るい芸人」
出演者の誰かが、「芸人というのは昔は明るいのが当然だったけど、今はセンスがあってちょっと暗い人がもてはやされている」という意味の言葉にハッとさせられた。これは松本人志が作り上げたテレビの時代なのではないか。

センスがあって、ぼそっと面白いことを言って笑わせる、これは松本の芸風に他ならないし、それを真似て出てきている芸人も多い。それらがもてはやされる流れも、ここ数年な気がする。
(ちなみにアメトーーク内ではMC側席の矢作から、「センスがあるのは当たり前」というツッコミをされていた)

まあ、そもそもアメトーークではこれまでも「中学いけてない芸人」とかで陰キャにフューチャーしたテーマをしていたので、アメトーークにも今の時代にした責任はある。
今回の番組内で、矢作は一番根明なのはとんねるずと言っていた。
「みなさんのおかげでした」が終わったのは2018年、そこからダウンタウンがテレビを席巻した。それと共に吉本勢も席巻したように思う。

テレビ番組自体は変わらない

去年、ビートたけしが関東勢の芸人にもっと頑張ってほしいと言っている記事を見た。

今回の件で、松本人志の代わりは誰か、という記事をよく見るが、当たり前だが代わりはいない。
ビートたけしが言うように、関西(吉本勢)は強い。ただ、それは相対的に吉本に所属する芸人の数が多いのであって、しょうがない部分もある。
関東勢(非吉本)にもバナナマンやサンドウィッチマン、有吉弘行など多くの人気芸人がいるが、既に忙しいのでスケジュールはとれないように思う。

テレビは松本抜きで放送していく番組が多いようだし、構成自体も変わらないのだろう。
審査員をしていたM1とキングオブコントは誰がやるのかというのはちょっと興味がある。

ダウンタウンというコンビで良かったのか

島田紳助の時と違うのは、松本がコンビだったこと。
「帰ってくる場所」があるということが大きい。復帰したときに元の立ち位置では少し違うかもしれないが、おそらく復帰自体はするように思う。

これがピンだったとしたら、もしかしたら引退してしまったのかもしれないと思った。
芸人は「引き際」を自分から選べることがないと私は思っている。
いや、「引退したいです」と言えば引退できるのだろうが、そんな人は見たことない。上岡龍太郎さんがそうだったらしいが…

近年の引き際でいうと、「スキャンダル」「病気」「死亡」なのでどれも自分で選択できるものではない。
そう考えると、今回の件の真偽はさておき、松本自身が引退したいと思えば引退できたタイミングだったように思う。

コンビというのが救いだったのか、枷だったのか分からない。

テレビの時代も変わっていくが、それが外的要因でしか変わらないのがちょっと残念でもある。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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