ボクの目の前にある植物は果たして盗まれるのだろうか?

叱られそうなこと、書きます。

誰かが育てている植物を盗むのは、もちろんいけないことです。
でも、盗まれるくらいの植物をつくらなければいけないのが僕たちの仕事です。

いまやスマホさえあれば、どこにいようが一瞬にして、その植物の「価値」が分かる時代。
値段もさることながら、希少性や認知度もおおまかにはわかるでしょう。
それなのにも関わらず、売れない植物がある。

その原因は、そもそも「育てて面白くない」からなのだと思うのです。
もっと踏み込んで言えば、「育てる理由がない」のです。

植物を育てる面白さや理由は個人によって違うだろうし、時代によっても変わるもの。
けれども、普遍的な面白さや育てるための意義は、必ずどこかにある。
…と僕は思っています。

そして消費者は、その面白さや意義を探しまわるのですが、果てしなく広い植物界。
どれを選べば良いのか分かりません。
園芸店や生花店もどこか敷居が高いし、どこか優しさが足りない、不親切(笑)。

その一方で、ほんとうに植物の面白さを知ってる人って、あまり発信しません。
きっと盗まれないための防衛策もあるのでしょうが、仲間内で盛り上がるだけで、何が楽しいのか、わりと門外不出。
というより、はなから「面白さは伝わらない」という諦めがあったりするのです。

ところが。

インターネット技術の発達で誰もがSNSなどのツールを用い、好きなことを好きなように発信することができるようになる。
そうして少しずつ、マニアだけが楽しんでいた神秘なる(?)植物が白日のもとへ晒されることになったのだと僕は理解しています。

で、冒頭の一文に戻るわけですが、盗まれる植物にはどこかに魅力がある。
面白さがある。
育てる意味がある。
それらが「価値」になる。
かたや、情報技術が発達したこの時代においても、盗まれない植物は、何かが足りない。

植物を盗むことは断じて許されることではありませんし、そんな行為を肯定している訳ではありません。
でも、盗まれるほどの魅力ある植物を、その理由を、僕らは追及しなければならないと僕は思うのです。

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