今後の自分たちの方向性に対して不安を感じる。

春名・隼人・四季)「「「あのー、プロデューサー。」」」

P)「ん?なんだあらたまって。」

隼人)「実は相談が…」

P)「進路相談なら受けないぞ。他に適任がたくさんいるからそっちに聞け。」

春名)「いやプロデューサーに進路相談はしない。するなら硲先生とかにする。」

P)「是非そうしてくれ。で、なんの相談なんだ。」

四季)「今後のハイジョの方向性についての相談です。」

P)「どうした四季?大丈夫か?」

隼人)「四季も真剣になるよ…アイドル活動も順調に忙しくなってきて…でも俺たち最近バンドらしい活動ができなくなってきてる気がしてるんだ…それで今後自分たちの方向性に対して不安を感じてきてるんだけど…」

P)「……そこはプロデューサーとして本当にすまない。今後はちゃんと希望にそえるような仕事探すよ。」

春名)「それもそうなんだけど……オレたちの相談したいことは他にあって…」

四季)「今後ハイジョはどういう方向性の音楽をやっていったらいいかって相談っす!」

P)「とりあえずバンプとかラッドでもコピバンしとけば。」

隼人)「回答速っ!しかも雑っ!」

P)「高校生みんなそういうバンドスキ。プロデューサー知ってる。」

春名)「バンプ??ラッド??」

隼人)「有名なバンドの名前だよ。バンプはBUMP OF CHICKENの略でラッドはRADWIMPSの略。」

四季)「プロデューサーちゃん、オレ コピバンするならワンオクがいいっす。」

P)「そこはハイジョみんなで話し合って決めなさい。」

隼人)「プロデューサー、コピバンとかそういうことじゃないんだけど…。」

春名)「そーそーコピバンしたいわけじゃないんだよな。今後どんなかんじの曲で攻めてけばいいの的な?」

P)「それは君らがどういう音楽やってきたいか的な?」

四季)「ライブでテンアゲでタオル振り回す的な?」

春名)「盛り上がれるやつはいいよな。お客さんも簡単なフリとかできるやつとかだと一体感あってさらによくないか。」

P)「なるほど。そういう感じのはいいんじゃないか。隼人はどうしたいんだ。」

隼人)「カッコよくてモテそうな曲。」

P)「欲望ダダもれだな。っていうかカッコイイにもいろいろあるだろう。隼人的にはどういう曲がかっこいいんだ?」

隼人)「英語の曲。」

四季)「わかる。わかりみ深すぎるっす。」

春名)「まぁ英語で歌えたらかっこいいなとは思うけど…」

P)「(人のこと言えた義理じゃないが…安直すぎる…)じゃぁ洋楽バンドの真似から始めてみればいいんじゃないか。」

隼人)「でも洋楽ってよくわかんないんし。」

春名)「いっぱいあるしな。TVでもあんまり紹介されないし。」

四季)「でも日本でも英語の歌詞で歌ってるバンドもたくさんあるっすよ?」

隼人)「いやそこはやっぱ本場のほうが英語かっこいい気がする。」

P)「そこは君らバンドなんだから演奏技術の方を重要視しろよ…。」

春名)「プロデューサー確か結構音楽聞くんだろ?なんかいい洋楽バンド知らない?」

P)「誰から聞いたのその話。」

四季)「オレはクリスっちから聞いたっす!」

春名)「オレは朱雀から。」

隼人)「俺は両方から聞いた。あとクリスさんはプロデューサーにお菓子あげると教えてくれるとも言ってたから……はい。」

P)「え、ドーナツ??くれるの??」

隼人)「うん。あげればプロデューサー教えてくれるんでしょ?おすすめのバンド。」

P)「いや…くれなくても教えるよ??」

春名)「じゃぁドーナツはオレに」

P)「それとこれとは話が別。」

四季)「春名っち顔がそんな世界が終わったような顔しなくても…あとでみんなでドーナツ食べに行けばいいっすよ。」

隼人)「そーそー、旬とナツキにも相談しないといけないしな。」

春名)「…じゃぁ我慢します…」

P)「そうしなさい。隼人はドーナツありがとな。あとで食べるわ。」

四季)「で、プロデューサーちゃんのオススメバンドは何っすか!」

P)「俺も洋楽は聞くけど古いのが多いからなぁ…。うーん………あ、一つ勧めれるのあるわ。【My Chemical Romace】。もう解散しちゃってるバンドだけどコレはアルバム一枚だけ持ってるわ。」

隼人)「どんなバンドなの?」

P)「すっごい広いジャンルで言うとパンクロックバンドだな。あんまり細かいこといってもわかんないだろ。」

春名)「確かに。レンタルショップ行って目当てのバンド探そうとしてもジャンルで探すとなかなか見つからないしな。」

四季)「曲はどんなのがあるんっすか?」

P)「【Welcome To The Black Parade】が一番有名じゃないか。当時CMでよく流れてて俺もそれがきっかけでアルバム買ったんだわ。YouTubeに公式で上がってるから見てみるか。」

~視聴中~

隼人)「想像してた海外のバンドとは違ったけど…かっこいいとは思う。」

春名)「俺も。海外のバンドってTシャツとGパンな感じがしてたからPVみるとなんていうのこういうの?アスランみたいなのっていえばいいのか?こういう感じとは思ってなかったからちょっと驚いた。」

四季)「マジエモかったっす。」

P)「あー…このPVはゴス系強めなんだよな。でも俺はこのPV大好きなんだよ。特にボーカルがPVの雰囲気とよく合っててすごいかっこいいんだよ。あと、本人たちがエモってジャンルじゃないからって言ってたらしいからあんまりエモいっていうんじゃないぞ四季。」

隼人)「とりあえず聞きたいことは結構あるんだけど、ゴスってなに。」

P)「ゴシックっていうサブカルチャーのジャンルだな。PVの衣装もそんな感じだったろ。黒基調の。春名の言ってるみたいにイメージ的にはアスランみたいなのだよ。まぁ一口にゴスって言ってもいろいろあるからあとは自分で調べて学校の先生にでも提出すれば単位もらえるかもな。」

隼人)「(アスランはなんかちょっと違う気がするけど…)そんなに複雑なんだ…。」

春名)「エモいっていうのは?」

P)「最近君らくらいの子がよく使ってる表現だろ。エモーショナルの略語。音楽ジャンルでもエモってあるだろう。本来の意味としては感情的なって意味合いだから俺としては切ないとか物悲しい時とかに使うもんだと思ってるけど。」

四季)「そうなんっすか?オレはなんかこうぐっと来たり、これイイな!って思ったときに使ってるっす。っていうか、エモってジャンルがあるんっすねー。気を付けるっす!」

隼人)「エモいってそういう感じに使うんだ。っていうか本人たちがエモってジャンル??じゃないって言ってるのはなんでなの?」

P)「うーん…俺もずっと追いかけてきたわけじゃないからどこで言ってたとかもちゃんとわからないんだ。気づいたら解散してたってレベルだし。だからWikipedia読めとしか言えないんだけど。」

春名)「プロデューサー…ほんとに好きなのか??」

P)「CD持ってるくらいだから好き…だとは思うけど。正直PV気に入って買ったから浅いファンもいいとこだったけど。まぁいつもは邦ロック中心に聞いてるからなぁ…。勉強不足なのは認めるよ…。」

四季)「わかる。そういうのよくある感じっすよねー。一曲だけは好きなんだけど他がちょっととかファンに言いづらいやつ。」

P)「いや…マイケミに関しては他のアルバムに収録されてるのも普通に好きだぞ。レンタルだけど持ってるアルバム以外全部借りたし。これが一番有名だろうから勧めただけで。」

四季)「そうなんっすか?!」

隼人)「レンタルもあるなら今度ちゃんと聞いてみるよ。このバンド以外にも他にもおすすめのある?やっぱり幅広げるためにもいろいろ聞きたいし。」

P)「あとは単発レベルでしか知らないバンドでいいなら…【Busted】ってバンドの【Crashed the Wedding】かな。確か君らくらいの時にその曲だけ聞いて気に入ってアルバム買ったわ。」

春名)「YouTubeに上がってる?」

P)「あがってるな。」

〜視聴中〜

隼人)「めっちゃ、わかりやすく洋楽ロックって感じ。」

春名)「そうそう!こういうイメージ!!洋楽って感じ!」

四季)「わかる。こういうの求めてたんっすよ!こういうやつ!」

P)「(ポップ寄りな感じてはあるからな。)そうか、そうか、良かったよ。求めてたのに当たって。」

隼人)「でもこれってタイトルからしてウエディングソングだよな。」

P)「そうだな。」

春名)「そっか。オレたち残念なことにそういう経験ないからなぁ…」

四季)「ジュンっちはやってるんっすけどね…」

P)「まぁ仕事でだけどな。というか君ら高校生アイドルに結婚歴あっても困るし、最低恋愛にしても隠しとけよそこは。」

隼人)「そこは大丈夫だよ、今のとこ相手もいないし…」

春名)「そうなってくると曲作りがなぁ…」

四季)「プロデューサーちゃん何か良い案ないっすか?」

P)「え?俺に聞く?え〜……そうだなぁ……うーん…最近俺がよく聞いてる邦楽バンドは基本的日常生活の出来事歌にしてるのをよく聴いてるからそんな感じで曲作ってみたらどうだ?」

隼人)「例えば?」

P)「空芯菜の歌とかDQNの車によくぶら下がってる大麻の形したアレの歌とか。」

春名)「食い物と芳香剤の歌じゃん、つか歌なのか??」

四季)「それキュウソとヤバTじゃないっすか。」

P)「四季知ってるのか。」 

四季)「歌うと結構カラオケで盛り上がるっすから。」

春名)「えっ、有名なの??」

隼人)「キュウソネコカミってバンドとヤバイTシャツ屋さんってバンドだよ。CMソングも歌ってるし。」

P)「まぁ君等世代でよく聴いてそうなアーティストだもんね。」

四季)「じゃぁプロデューサーちゃんの意見と俺らの要望を合わせると…『日常生活を出来事を英語にした歌』ってことになるっすね。」

春名)「そうなると……ドーナツの歌じゃね?」

隼人)「それは春名だけの日常でしょ…もっとこう…みんなに共通するような出来事にしない?」

P)「まぁドーナツの歌でもいいんじゃないかな。なかなか尖ってるし。」

四季)「英訳もしやすそうっすよ!アイラブドーナツ、ウィーラブドーナツ、ウィアーザドーナツ的な!」

春名)「ドーナツイズスーパーミラクルスウィーツとかな!いいじゃん!それで行こうぜ!」

隼人)「なるほど斬新で確かにいいかも。」

四季)「そうっすよ!」

春名)「歌詞なら俺がんばるし!ドーナツの歌に!なにとぞ!」

隼人)「……ドーナツの歌にしてみようかな。」

四季・春名)「やったー!!」

隼人)「そうと決まれば早く旬と夏樹に相談しないと!プロデューサーありがとう!」

P)「いいえー、頑張れよー。」

ドタバタと出ていく三人を見送り、隼人からもらったドーナツをかじりながらプロデューサーは思った。

P)「(さっき斬新って隼人言ってたけど何気にドーナツの歌って多いんだよね。普遍的に美味しおやつだから題材にしやすいんだよね。流石隼人だわ。)あードーナツうめぇ。」

このあとファミレスに呼び出した旬に即効で却下を食らったのは言うまでもない。

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