臨場感大事。

明後日の日

P)「おまたせー。」

英雄)「時間ぴったりだな。」

冬馬)「プロデューサー…十分前には来いよ。社会人だろ。」

P)「なんで一人増えてんの。しかも冬馬君。」

みのり)「さっきコンビニであって。」

冬馬)「なんかプロデューサーのおすすめが事務所で流行ってんだろ。だから話聞きにきた。」

英雄)「話したらこんな感じだ。いいだろ一人増えるくらい。」

P)「まぁいいけどさぁ…思ってる以上に面白くないよ?」

みのり)「朱雀くんが面白くしてるだけだからね。」

英雄)「そうそう、プロデューサーは割と真面目に話してるからな。」

冬馬)「マジかよ。なんかノートとか用意したほうがいいのか?」

P)「いやそこまで真面目なやつじゃないから。気軽に聞いてくれてて全然いいんだけど。」

みのり)「で、前回の続きだと思うんだけど、何をおすすめしてくれるんだい?」

P)「今回はこれです。」

英雄)「なにかのパン……『ボヘミアン・ラプソディー』見てきたのか。どうだった?」

冬馬)「あぁ、話題の奴じゃん。」

みのり)「そうそう。『Queen』ってバンドの伝記映画でいいのかな?」

P)「たぶん…。結構実際の話とは異なってるとこあるらしいですけど。ってかあんまり興味なさそうなのに話題なのは知ってるのか。」

冬馬)「そりゃあんだけTVとか動画サイトの広告やってれば嫌でもわかるって…。あとは北斗が見に行くとか言ってたしな。」

英雄)「へぇ、北斗見るのかこういうの。」

みのり)「どっちかっていうとグレイテストショウマンとかは見てそうだよね。」

P)「ピアノとか弾いてるからあんまりロックのイメージがないよね。」

冬馬)「いや、そんな興味があって見に行ってるわけじゃないと思うぞ…。」

英雄)「え?……あぁそういうことか。」

みのり)「……なるほどね。」

P)「………北斗だししょうがないな。で、今回俺がおすすめするのは見ての通り『Queen』です。」

英雄)「映画自体はどうだったんだ?」

P)「あぁ。よかったぞ。どこがどうよかったか伝記映画だから聞かれると困るけど…やっぱり作中で使われてる楽曲はほとんどどこかで耳にしたことあったし。すげーバンドだったんだなって。改めて思ったよ。」

みのり)「 いろんなCMソングとかにも使われてるしね。ここ最近だとそこそこ前にドラマで使われて話題になった『I Was Born To Love You』だよね?」

P)「あれは正確にはフレディのソロ曲らしいからな。作中曲では使われてなかったわ。」

英雄)「へぇそうなのか。あれは?キリンのCMで使われたやつ。」

P)「『Don't stop me now』は使われてたぞ。どこで使われたかはネタバレになるから内緒だけど。」

みのり)「そうなんだ。普段ロックとかはあんまり聞かないけど、ちょっと気になってた映画だし、見に行こうかな。」

P)「そう思ってくれたならぜひ行くといいよ。あ、映画館は音響の良いとこで聞くとさらに良いと思うよ。グレイテストショーマンと同じで2時間セリフ付きのPVみたいなもんだから。」

冬馬)「(やべぇ…話についてけねぇ…)ふーん…。」

P)「冬馬君……実はあんまりわかってないでしょ。」

冬馬)「ばっ…バカいうなよ!知ってるよ!フレディだろ!校庭で馬に乗って走り回ってて圧で笑わせてくる感じの!上半身裸でサスペンダーつけてるやつだろ!」

P)「うん、総合的にはあってるけど断片的に間違ってるぞ。」

英雄)「冬馬さん…それ朱雀から借りただろ…。」

みのり)「うん、それ魁!クロマティ高校のフレディだよね?」

冬馬)「フレディって言ったらそいつだろ。」

P)「いや…その元ネタの人の映画なんだけどね…俺が見てきたの…。というか…朱雀そんなの読んでたらさらに頭悪くなるぞ…。」

英雄)「あぁ…野球は気合で一人でどうにかなるとか言いかねないな…。」

みのり)「面白いんだけど、朱雀くんは真に受けてそうだよね…。」

冬馬)「(実際のフレディは俺の思ってるフレディとは違うのか…)」

P)「冬馬君の知識を間違ったままにしておくのも今後TVのお仕事をとってくる身としてはとてもいいとは思うからもう説明やめていいかな。」

冬馬)「ちゃんと説明はしろよ!断片的に違ってんだろ!」

英雄)「悪ノリは流石にやめてやれよ…。」

みのり)「うん、お仕事上は面白いけど世間の目が変わっちゃうからね。」

P)「みのりさんと英雄さんがそこまで言うなら仕方ないのでちゃんと説明します。」

冬馬)「止めなかったら説明してなかったのかよ…」

P)「あったりまえじゃん。俺は冬馬君をそういう枠で売り出したい。」

冬馬)「絶対やめろ。つか、そんなことしたら事務所辞めるからな。」

P)「それはやめて、俺もクビになっちゃう。」

冬馬)「だったらちゃんと説明しろ。」

P)「わかったよ…。じゃぁまずQueenといえば、この曲だよな。」

~視聴中~

英雄)「うん、確かに聞いたことはある。曲名は自信ないけど。」

みのり)「確か車のCMだったと思うけど…なんだっけ…。」

冬馬)「『キラークイーン』だろ。」

P)「冬馬君正解だけど、どうせジョジョで知ったんでしょ。」

冬馬)「どうせってなんだ。どうせって。ちゃんとサビの部分聞いてたんだよ!(ジョジョで知ったのは本当だけど。)」

英雄)「キラークイーンだったか。確かにサビでそう歌ってたな。」

みのり)「ジョジョだと確か吉良吉影のスタンドだよね。」

P)「そうそう。吉良吉影のスタンドと技の名前は全部Queen曲名なんだよね。」

冬馬)「マジか。」

英雄)「プッチ神父のメイド・イン・ヘブンも確かアルバムの名前だったよな。」

P)「それもQUEENだよ。さっき言ってた『I Was Born To Love You』の収録アルバムだな。」 

冬馬)「意外と元ネタ関連で使われてんだな…。」

みのり)「世界で最も売れたアーティストにあがるくらいだからね。元ネタ関連も探せば多いと思うよ。」

冬馬)「そうか。なんかさっきよりか興味湧いてきた感じがするぜ!プロデューサーとりあえず何のアルバム聞いとけばいいんだ?」

英雄)「そういやたくさん出てるもんな。俺も参考に聞いときたい。」

P)「俺もよくわかんないから、とりあえずSpotifyにおいてあるアルバム聞いとけばいいんじゃない?」

冬馬)「あんた…人散々からかっといてそれかよ…。」

P)「冬馬くんからかうと面白いから。つい。」

みのり)「でもプロデューサーアルバム一枚もってなかったかな?」

P)「えーもってたっけか?」

英雄)「いつも棚ごちゃごちゃだし、ケースにもめちゃくちゃに入ってるからな。」

冬馬)「ちゃんと整理しとけよ…。」

みのり)「確かここらへんに……ほら、あったよ。」

P)「あっ、ホントだ。」

英雄)「よく見つけられたな。」

みのり)「なんだかんだ勝手に借りたりしてるからね。」

冬馬)「なんだ勝手に借りてって良かったのか。」

P)「いや、冬馬君はちゃんと許可とってから借りてよ。割りそうだし。」

冬馬)「CDなんてそうそう割れるもんじゃねぇだろ。つか人から借りてるもんそんなに乱暴に扱わねぇよ!」

英雄)「(身近に丁寧に扱ってても早々に割りそうなのいるからなんとも言えない。)」

みのり)「(悪い見本になっちゃってたな…今度からちゃんと一言言ってから借りよう…)」

P)「冬馬君こーわーいー。そんなこと言うなら貸さねぇぞ。」

冬馬)「なんだよその言い方!とりあえず貸せよ!」

P)「あっ!ひったくり!」

冬馬)「ったくめんどーなプロデューサーだな。……おい、中身どうしたんだよ。」

英雄)「まためちゃくちゃに入れてたのか…」

みのり)「そうなるとここにあるの全部開けないとわからないね…。」

P)「っておもうじゃん??PCの中でーす。映画見たら聞きたくなっててちょっと前に入れてました~。…戻してなくてごめんなさい。」

冬馬)「プロデューサー…お前ほんといい加減にしろよ。」

P)「冬馬君、胸倉つかまないで…。」

みのり)「(いつもの英雄よりも怖い顔してるなー。)」

英雄)「(平時の俺の顔より怖い顔してる…。)」

北斗)「冬馬、顔がアイドルがしちゃいけない顔になってるよ。」

冬馬)「北斗?!」

P)「え、いつからいたの??」

北斗)「今来たばかりですよ。何してたんですか?」

みのり)「Queenの話をしてたんだよ。ほら今映画でやってるやつ。」

英雄)「北斗さん見てきたんだろ?どうだった?」

北斗)「よかったんですけど…。」

P)「?顔が暗いぞ??」

北斗)「映画自体はすごくよかったんですけど…ここに来る途中神速一魂の二人にあって…」

冬馬)「俺話読めてきたんだけど…」

みのり)「とりあえず最後まで聞こうよ。」

北斗)「映画のパンフを持っていたので話振られたんですけど、紅井君が…」

P)「あっ、俺も話読めてきた。」

英雄)「だから最後まで話を聞けって。」

北斗)「『それ今話題になってるフレディの映画っすよね?馬に乗って校庭走り回ってたっすか?』って言ってて…黒野君も横でうなづいてたので…俺ホントに『ボヘミアンラプソディー』見てきたのかなって…」

北斗以外全員)「(あぁ…)」

北斗)「プロデューサー…俺ほんとにボヘミアンラプソディー見てきましたよね?」

P)「パンフ持ってるなら見てきたんじゃないかな…?なぁ冬馬君?」

冬馬)「(俺に話を振るなよ!!…でもいつもからかわれてるからな……)北斗…たぶんそれ朱雀の言ってることが正しいぞ。」

北斗)「えっ?!………それじゃ一緒に映画見ていたエンジェルちゃんは…」

P)「(あーあ、後で北斗におっこられるぅー。)」

冬馬)「白昼夢でも見てたんじゃねぇの?」

北斗)「……確かにあのエンジェルちゃんは人っぽくはなかったし…」

英雄)「(あっ、これは…)人っぽくない?」

北斗)「えぇ、なんというか…メカっぽい感じでした。」

みのり)「(北斗くんコレ知ってる感じだなぁ…)」

冬馬)「メカっぽいって…」

北斗)「ドラム缶みたいな娘だったよ。」

P)「(雑に担ぎ返しに来てる…冬馬君も流石にそこまで頭悪くないと思いたいけど…)」

冬馬)「……マジかよ………。いや、メカ沢くんに弟がいる時点で……北斗、それ…人妻じゃ…。流石に不倫はまずくないか?」

北斗)「(いつもからかいやすいなとは思ってたけどまさかここまでとは予想外だったな。)冬馬あんまり真剣にスキャンダルの心配しないでよ。というか、収集つかなくなりかけてるので誰かちゃんとツッコんでください。」

P)「ごめん、ごめん。北斗の迫真の演技邪魔しちゃ悪いと思ってな。」

英雄)「演技は迫真だったけど…。」 

みのり)「内容が結構雑だったよね。」

冬馬)「はぁ?!騙したな!北斗!」

北斗)「あんな雑なのにひっかかる冬馬も悪いよ。」

P)「神速一魂まで使ってからかうのはちょっとな。ちょっと現実味があったぞ。」

英雄)「だな。流石にそこは信じかけたわ。」

北斗)「神速一魂のくだりはホントですよ。まぁ主に紅井君からかったんですけど。」

みのり)「え?」

冬馬)「ちゃんとネタバラしはしてきたんだよな?」

北斗)「え?流石にわかると思ったからしてないけど……」

英雄)「北斗さん、流石に玄武は言ってたとおり頷いてなかったよな?」

北斗)「いや、頷いてたからからかうのに加担してくれてるのかなと……」

P)「……俺いま大事な出張思い出したわ。」

冬馬)「おい、こら!逃げんなよプロデューサー!」

北斗)「あの…俺もしかして…まずいことしましたか??」

みのり)「まずいっていうか…ねぇ?」

英雄)「ちょっとめんどくさい勘違いがしばらく横行するくらいだな。」

みのり)「とりあえず、誤解を解くとこから始めたほうがいいとは思いますよ。」

このあと朱雀だけならまだしもややこしい勘違いを起こしたままの玄武も一緒になった神速一魂が事務所にやってきて北斗は映画を解説するのにあと3回は見る羽目になりました。
クロマティ高校程度のフレディ知識でも十分楽しめるので、是非!

 

 

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