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『三島由紀夫vs東大全共闘』観たで

何人かの知人友人が好意的に話題にしていたこれをようやく観たのである。

駒場キャンパスのでかい講義室で、東大全共闘の人たちと三島由紀夫が討論会した様子を収録したもの。

さらにはその時その場にいた人たちで存命の方々のインタビューも収録されている。全共闘だけでなく、楯の会のメンバーも収録されているのがいいね。

その中には壇上に立った人たちもいて、20歳くらいのときには非常に青臭いというか、地に足のつかないことを一生懸命しゃべってイキり散らかしており、大変痛々しい。しかし、70歳をすぎた今ではいっぱしの男の顔になっているのがすげーなあと思う。面構えが違うってやつだ。
これが団塊の世代なのであって、圧倒的にエネルギーが違うと思ったのだ。こういう人たちが今の若者なら反自粛派として闘争を展開するであろうことは想像に難くない。

若くて痛々しくもある団塊全共闘に対して、三島由紀夫は理知的だ。そしてユーモアを交える余裕もある。格の違いを見せつけている。
観る前は、きっと三島は市ヶ谷駐屯地でそうしたように演説を打つのだろうと勝手に想像していたが、全然違った。かっこいい大人の男だった。

そしてこれが1年半後に自決する男なんだなあと不思議な心持ちになったのである。


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