見出し画像

安楽死のお勉強はじめました

先日のニー仏さんと沼田和也(ぐう聖)先生のツイキャスで安楽死が話題になっていた。

主たるテーマはマジョリティや強者の責務とはなにかみたいな話だったけど、どうしてかそういう方向に一瞬脱線していたのをたまたま聞いていたというわけである。

今年になって安楽死、尊厳死についてなんとなく考えることが多くなっていたので興味深く聴かせていただいた。そこでお二人が紹介されていた宮下洋一氏の著作のお試し版があるとのことで早速手に入れて読んでみた。

こちらはスイス、オランダ、アメリカ(の一部の州)など自殺幇助や安楽死が認められている国々の取材である。特にスイスのライフサークルという団体のプライジッヒ医師の自殺幇助現場の取材は生々しい。そして安楽死する本人に生前にインタビューしたり、家族とも話をする中で、安楽死を希望する人々は自己決定にこだわるキャラであるという仮説を引き出す。これは私も理解できるところで、日本で安楽死が始まるとしたら、リテラシーが高く自分のことは自分で決めたい人々からであろうと思う。

お試し版は、全6章のうち2章まで読める。オランダで全国的に問題となった症例も取り上げられているようだが、そこは無料部分には入っていない。とても気になるが、いまiPadが欲しくて節約しているので続きはまたそのうち買うだろう。

著者も言うように、安楽死に賛成できるかどうかはともかく、死を意識することでより良く生きる可能性は高まると考えられる。日本では終末期医療において積極的な治療は手控えるといった程度のことしか法的に許容されないので、本書のように実際の安楽死、自殺幇助を紹介する書籍は価値が高いと思われた。

続いてこちらもお試し版があるのでゲット。これは『安楽死を遂げるまで』を読んだ日本人であるところの小島ミナさんから著者の宮下氏に連絡があり、興味を持った宮下氏が取材をするというもの。

全7章のうち2章まで読める。小島さんは多系統萎縮症(私が医師国家試験を受けたころは脊髄小脳変性症の一部に分類されていたものでこの疾患名は知らなかった)を患い安楽死を希望していた。本人の言葉も混じえた苦しみの記録は非常に生々しく、姉妹との抜き差しならない関係性などハラハラする展開なのだが本書も惜しいところでお試し版は終わる。こちらこそ近日中に読まなくてはならないと思った。

NHKのドキュメンタリーにもなったのでよく知られていると思うが、最終的には彼女はスイスに渡り本懐を遂げることになる。

また上述の宮下氏が取材したプライジッヒ医師の著作がKindle Unlimitedに入っていることを発見した。

タイトルから想像できるとおり、プライジッヒ氏自身が父親の自殺幇助を行ったことを中心につづったもの。7人目の子供の出産のさいに妻を失ってからずっと死にたがっていた父親が脳卒中になったので苦しみから開放するために自死を助けたということである。

まだ全部読めていないので詳しいことは書けないがまあそんな雰囲気である。英語だとどうしても読むのに時間がかかってしまう。邦訳はない。

本書を読み終わるころには節約期間は終わると思われるので、そしたら上の宮下氏の2冊を読むことにしよう。


サポートは執筆活動に使わせていただきます。