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割り算は大事、微積分も大事

ワクチン接種順調に進んでいるようだな。

日本では1億2000万人いて年間130万人死亡する。ワクチン接種後の平均観察期間が1ヶ月とすると、無作為に抽出した600万人であれば5000人ほど死亡することになる。ワクチン接種は無作為ではないのではっきりしたことはこの情報だけからは言えないが、85人死亡ということは重大な副作用の懸念にないとかなりの妥当性を持って言えるだろう。

微積分は必要ないと偉い人がが言ったそうだが、微積分以前にこれくらいの簡単な割り算ができるようになるのが先決である。

そんなことよりも急ピッチで予防接種が進んでいることに驚く。私も外来で患者さんに、ワクチンの案内きたけど打って良いかと聞かれることがすごく増えた(多くが癌の術後か担癌状態なので主治医の私に確認するのである)。もちろん私は早いとこ打っときましょうと答えるのである。

大変けっこうなことである。地方自治体、検診事業者、各地の医師会などなど関係者に皆さんに、ご苦労さまと心から言いたい。特に、先進国の中でダントツに公務員が少ない日本で、しかも世界一うるさい消費者がいる日本で、これだけの準備をした各地の地方公務員の皆さんのがんばりは世界に誇るべきものだと思う。

そして、世界一うるさい消費者のために、極めて稀な副作用のために大変な準備が必要になり、時間がかかったらかかったで遅いと文句を言われてしまうのはこの国ではもうどうしようもないことなのだ。

それに応えることで、我が国は世界一のサービス産業を育てあげた。

素晴らしいプロダクトも労働者の血と汗の結晶である。

労働者を酷使することで成り立つ素晴らしいサービスやプロダクト、けっこうなことである。

いいとこ取りはできないのだ。

消費者として素晴らしい商品を享受するが、労働者としては快適に過ごす、個人レベルなら両立するかもしれないが、マクロでは無理である。フリーランチはない。

上掲ツイートのオーストラリア人医師にはそのことが見えているのだろうか。あるいは医師ならば過酷な労働を見ることはないのだろうか。私はあったけどね。


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はむっち@ケンブリッジ英検
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