見出し画像

#751 漫画論61|BECK

本日は「バンド漫画」という未開のジャンルで成功を収め、一定の地位を確立した第一人者とも言われていたり、言われていなかったりするハロルド作石先生の代表作「BECK」を紹介しましょう。
(以前に月刊少年マガジンで軽く語ってます)


BECKとは?

BECKは月刊マガジンで1999年から2008年までの10年間連載されたバンド漫画です。
当時このようなバンドマンが読んで楽しい漫画は他に無く、僕の記憶が正しければ「DESPERADO」以降はそのような漫画が無かったので、僕らバンドマンは結構みんなBECK読んでましたね。

僕は4巻まで出ているタイミングで存在を知り、2巻をGEOで買って読んで、これは熱い!と慌てて1・3・4巻を買った記憶があります。
で、5巻以降はリアルタイムで追ってましたが、14巻あたりでギブアップしましたね笑

ハロルド先生は前作「ストッパー毒島」で登場人物の部屋にTRAINSPOTTINGのポスターを貼ったりでなかなかのセンスをお持ちで、音楽に関してもなかなかのセンスをお持ちだったので、すげー共感できて嬉しかったですね。

ちなみにハロルド先生の過去のインタビューで、作中のBECKに近いバンドを尋ねられた時に「最近出てきたSMORGASとかはイメージに近い」と言っていた記憶がありまして、そこからSMORGASをちょっとリスペクトするようになった記憶もありますね笑


BECKの魅力

1.時代が求める音楽漫画

やはり、リアルタイムで時代に合わせた音楽業界の変遷を取り入れていたのが面白かったですね。

大枠では音楽漫画ですが「メジャー」とか「オリコン」とかは全然度外視で、とにかくライブをやることに重きを置いていたり、夏フェスのトレンド化に合わせてフジロックをオマージュした「グレイトフルサウンド」とか、サマソニをオマージュした「BUZZ IN BALLPARK」とか、インディーズとしての活動とか、レコーディングとかが非常にアンダーグラウンドで楽しかったですね。


2.遊び心のある扉絵

この辺も非常にセンスでした。
ミッシェルの「HIGH TIMES」の銀行強盗風のジャケットや、RANCIDの「…AND OUT(略)」のジャケットを千葉くんがオマージュしたり、椎名林檎本能のガラスを割るナースのジャケットを真帆がオマージュしたり、NIRVANAのNEVER MINDのジャケットを斎藤さんがオマージュしたり、ナンバーガールとか民生とかTHE CLASHのもありましたね。
とにかくハイセンスで、毎回楽しみでしたね。


3.メディアミックスも成功

アニメはビークルの日高が音楽監修だったみたいですね。
コユキの声はハスキンのどんどんがやっていたようですが、なかなか秀逸ですね。
映画は見てないんですけど、主要キャラ5人のビジュアルは問題ないですね。
こういうのはたいてい見ると違和感なので、見ないでおきますが…笑



BECKで好きな登場人物

10位 健さん&ヒロちゃん&マーちゃん

まず紹介するのはジェネレーション69の健さんこと「平野健」ですね。
言うまでもなくモデルはHi-STANDARD横山健であり、顔も似てるしTシャツ&ハーパンな感じ、そしてTシャツの「GAME OF DEATH」と完全にken yokoyamaなのですが、僕はこれだけハイスタ愛を公言しているのに、所見で全く気付かなかったという笑
言われて「確かに!」みたいな感じで気づきました。


一緒に出てきたバンダナのマーちゃんとニット帽のヒロちゃんは速攻分かったにも関わらず・・・笑


9位 片平 達也

そして「ラウド・クライム・シティ」のドラマーの片平達也です。
これは言うまでもなく、ブランキー・ジェット・シティであり、中村達也ですね。
平君も「ラウドが日本一のバンド」と言っており、ちょっと嬉しかったですね。


8位 兵藤

中学時代にコユキをいじめた兵藤率いる兵藤軍団です。
ちなみに兵藤はテクニックのあるギターで、左のロン毛がヴォーカル、坊主がドラム、そばかすがベースですね。
とにかくイヤな奴でしたが、最後はいい奴になります。ヨシトとかもそうでしたが、この漫画はそのパターンが多いですね。
そんな感じのコユキの最初のライバルでしたね。


7位 斎藤さん

斎藤さんはこの漫画のコメディリリーフとして、随所で活躍してくれました。とにかく素晴らしいキャラクターでしたね。
とにかく月刊マガジンの許容範囲ぎりぎりの下ネタを攻めていた感じですかね笑


6位 真帆


この漫画のヒロインですね。
たまに泉ちゃんとどっちか分からなくなったりもしましたが、泉ちゃんが早々にフェードアウトした関係でメインヒロインになります。
なかなか複雑な女心でした。


5位 サク

ここからBECKのメンバーです。
サクはBECKの良心として、後方からバンドを支えてくれたナイスガイです。
序盤で兵藤軍団と殴り合いの喧嘩をしたりするようなパンクスでして、GreenDayのDookieを持っていたので恐らく速いのも叩けるんでしょう。


4位 竜介

バンドのリーダー的立ち位置で、メインギターであり、ソングライターでもあり、コユキの師匠でもあるのが竜介ですね。序盤はカッコよかったんですが、グレイトフルサウンド以降はとにかくBECKを混乱させるトラブルメーカーになったりでしたが・・・
それでもカッコいいニーちゃんでした。


3位 コユキ

そして本作の主人公のコユキです。
序盤はTHE モブキャラという入りだったんですけど、本人も自覚していなかった天性の美声を持ち、作曲センスにも溢れていることが発覚し、バンドをやるべくして生まれてきたそんな感じでした・
そして何よりもとにかくギターLOVEなところも素晴らしい。最後まで純粋でいい子でした。


2位 千葉くん

そして千葉くんです。
アフロにヒゲでいい感じで、ラップが上手く、天性の人を盛り上げる能力を持っていて、キャラクターもいい感じです。
途中でコユキとギクシャクするんですけど、それもコユキに対するコンプレックスというか葛藤が原因であり、色々と苦悩するんですが・・・最後は大団円する感じで良かったですね。

個人的にはアメリカで、景気づけに日本の曲を野郎となった時に、「ロクデナシ」を歌って気持ちよくなり、そのあと「不死身のエレキマン(雑誌掲載時は"未来は僕らの手の中"だった)」「陽はまた昇りくりかえす」をやりたがっていた千葉君が好きでした。


1位 平くん

そしてやはり平くんでしょう。
僕がベーシストだから平くんにシンパシーを持ってるのかも知れませんが、上半身裸でフリーのようにミュージックマンのスティングレー(しかも白×黒が秀逸)をファンキーに弾く平くんには憧れましたね。
僕も真似して買ってしまったくらい憧れていました。

キャラクター的にも冷静沈着で、まとめ役として素晴らしかったですね。


まとめ

そんな感じのBECK、久々に全部読みましたが面白かったです。
まぁ最後のほうは若干冗長ではありましたが、1~10巻くらいまでの展開が非常に良かったですね。

この勢いでちょっと他のバンド漫画も紹介しましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?