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#574 漫画論50|夜王-yaoh-

前回の投稿で「民王」という民の王、所謂政治家の小説について語りましたが、今回は夜の王という所謂ホストクラブの王を目指すストーリーを描いた名作「夜王」について紹介します!
早く書きたかった!ウオオオオ―ッ!


夜王とは?

夜王は僕が当時愛読していた雑誌・週刊ヤングジャンプで2003年から2010年まで連載されていた漫画で、wikiではこんな感じに紹介されております。

北海道から上京してきた的場遼介が新宿・歌舞伎町を舞台に様々な対決をしていくホストの物語。
夜のネオン街を舞台におりなすホスト達のストーリーで、仲間のホスト達、ライバルのホスト達との戦いや女達との恋模様など、勧善懲悪で現実の夜の世界をやや誇張しているものの、努力・友情・勝利・恋愛など漫画ならではの要素をふんだんに取り入れた作品。
人物作画や背景の使いまわしを多用する独特の表現が特徴
なお、背景はCGで作成されている場合が多いという。

原作はナイトビジネス原作に精通した倉科遼先生で、作画は「黄龍の耳」などでお馴染みの井上紀良先生。
このタッグはザ・マシンガンズを彷彿とさせる、最強のコンビでした。


夜王の魅力

主人公の遼介は北海道で暴走族をやっていたんですが、夢を掴むため上京し、偶然麗美さんという女性に見初められ、ホストの道を歩むことになりました。
そこからは暴力と運でのし上がったという話ですが、とにかく面白くて大好きでした。

そのシリアスな画風、コピーを使いまくる技術、そしてとにかくバイオレンスで荒唐無稽な展開、全てがパーフェクト。
大学時代もですが、社会人になってからも毎週木曜日が待ち遠しく、毎週連載後は友達とメールで語り合い、2chの夜王スレで笑い、天カジさんのblogで笑うという、そんな美しき日々を過ごしておりました。夜王終わった時、マジでショックでしたからね笑

そんな夜王の魅力を紹介しましょう。

1. ホストクラブという舞台

やっぱホスト漫画って基本的に面白いんですよね。
「ギラギラ」とかも好きでしたし、浮かなばいですが他にも多数ありますよね?
まずは「キャッチ」「派閥」「売り掛け」とか、その辺の王道パターンがストーリーとして分かりやすく、面白かったですね。


2.ウオオオオ―ッ!

とにかく夜王は「ウオオオオ―ッ!」が多いです。
困ったらウオオオオ―ッ!という位、ウオオオオ―ッ!がメチャクチャ多いんです。
その辺の形式美が「そろそろウオオオオ―ッ!くるかな・・・」とか待ってしまい、来たら来たで、「"ウオオオオ―ッ!"来た、熱い!ウオオオオ―ッ!」と、ミイラ取りがミイラになる感覚で喜んでしまう魅力があります。


3. そのシリアスな画風

このコマも悪い奴をみんなでやっつけてるんですけど、右上の柳の蹴りと、左の遼介のウオオーッはまだ理解できつつも、聖也さんのこの手刀はなんやねん!という話になります笑
やはり画力が高いだけに、その対比が最高に面白かったですね。


夜王の好きなキャラクターBEST10

本当に好きなキャラクターが多く絞り切れないのですが・・・
なんとか10人チョイスしてみました。


10位 遼介

この漫画の主人公ですが、暴力と運でのし上がったスーパーラッキーマンです。
運という意味では島耕作と一緒ですが、耕作のような打算もなく、とにかくお人好しで何も考えず、結果周りの人の支えとかの運のみに助けられているんですが、更にこの男は気に入らない奴はすぐ殴るという、HEATの唐さんみたいな側面も持つ暴れん坊で、全く共感できない主人公ですが、最後は頂点に立ちます笑


9位 麗美さん

麗美さんは遼介のサクセスストーリーのきっかけになった方ですね。
かなり売れっ子のインテリアデザイナーなんですが、ガンか何かに侵されており余命が差し迫った中で、遼介を一人前のホストにするべく命がけで頑張るチャンネーです。
最後は残念ながら死んでしまうのですが、その次のシリーズで速攻違う女に遼介が惚れるのもなかなか衝撃でしたね(しかもその女も死ぬという笑)


8位 高橋先輩

高橋先輩は遼介が駆け出しの頃から、遼介にラーメンを奢ってあげたり、共に歌舞伎町でのし上がろうと切磋琢磨するよきパイセンです。遼介がホストに対して、高橋先輩はソープの従業員として風俗業で頂点を目指そうとする漢です。

当初はエディ・マーフィーみたいな人当たりの良いキャラクターなのですが、上記のように途中から怖い高橋先輩になってしまいました。
まぁこれは梨佳という盲目のクソバカ女が原因なのですが・・・


7位 源太

源太は、妻がいるにも関わらず仕事を辞めてホストになり、顔も悪いから指名も貰えず…と、なんでホストになったかよく分からないんですが、途中から覚醒します。
まさに覚醒したのが上記のコマなのですが、この辺の覚醒っぷりはマジで爆笑したものでした。


6位 神大寺会長

この会長は正直名前も忘れていたのですが、とにかくこの「愛人契約!!」のコマの破壊力がハンパなかったですね笑


5位 柳直夜

柳直夜は最後のシリーズのライバルで、遼介と聖也さん(後述)と3つ巴で戦う大阪のホストなんですけど、遼介とも聖也さんとも違う魅力をもったホストですね。
凄惨な過去があったりするんですが、その辺も笑えてしまうというのが辛い所でした笑


4位 修さん

修さんはこの狂った漫画で唯一の常識人で、理想ばっかり言ったり、夢見てばっかりいる遼介を毎回叱るお母さんキャラです。
最後は大阪店の店長になって良かったですね。

***

そしてここからのベスト3は夜王フリークは順位は違えど、みんなこの3人がベスト3を占める事になると思います。
それくらい4位以下とは差をつけて、このBIG3は君臨しております!


3位 天海 零

3位は「女衒のレイ」こと、スナイパーのホスト天海零です。
こいつもとんでもないワルですよ!
客を風俗に沈めるという悪魔のような男であり、高橋パイセンの彼女の梨佳を、高橋パイセンのソープに沈めようとしたくらいのワルです笑

とにかく、そのソバージュ具合というか、ヒールに徹した具合が北斗の拳のアミバ(ケンシロウの兄の偽物)を彷彿とさせ、連載中はアミバ様と呼ばれていましたね笑

とにかくどうしょうも無いワルで、盲目の高橋パイセンの彼女をハメようとするんですが、この極悪の表情とかヤバいですよ笑
「もちろん…よろこんで…」のセリフと表情があってませんね笑

しかし、そんな零も生まれながらの怪物だったわけではなく、元々は世界を目指すピアニストだったんです。
しかしながら当時の彼女と音大の先生が「愛人契約!」していたのを見て自暴自棄になり、ホストになってしまったという悲しい過去を持つんですが、最後には再度ピアノと向き合うんです。

ただ、オノマトペが酷いですね笑
ポロロン、ピロロン、ポロロンって笑

とにかく、そんな感じである意味愛されたホストでした。


2位 霧崎 京一郎

この刑事・霧崎京一郎も大好きでした。
殺人事件の捜査員として初登場するんですが、このポマードでキメたヘアースタイルに、この「肉便器」という強烈な発言で愛され、気づけばあだ名は「肉便器」となり、木曜日に僕等の話題の中心はこの人になりました笑


この笑い声はとても社会の木鐸である警察官とは思えないですね。
ン肉マンの悪行超人の笑い方です笑

そして・・・この肉便器で最も有名なシーンで、この週劇的に僕等を熱くしたのは、この告白シーンですね。
話せば長いのですが、捜査の一環としてソープ嬢の客となり、ヒアリングしたり利用していたんですが・・・だんだん情が入って、シリーズ最後でこんな漫画史に残る問題告白を残すんです。

「お前さえよければ俺の生涯の肉便器にしてやってもいいぞ…いや、なれ!」

これはマジで爆笑しましたね。今見返しても笑ってしまいます。
「・・・ア・・・ア・・・ア・・・」じゃないし、「・・・麻美さん、よかったですね」でもないという笑
登場人物全員狂ってます笑

この時期、本当にヤングジャンプメチャクチャ面白かったです。
夜王から読んで、2chの夜王スレ見て、天カジさんのブログ更新を楽しみにしていた人は多いと思います笑


1位 聖也さん

肉便器と迷いましたが…ホスト漫画という事なので、ホストをやはり1位にすべきと思ったので、聖也さんを1位にしました(第1話から出てるし)
序盤の遼介のライバルですね。

やはり遼介なんかとは違って、圧倒的なホストとしての美学・モットーがしっかりしており、運に頼らず、上昇志向もある。とにかくホストとしては完璧で、遼介と勝負をして勝つんですけど、何故か聖也さんが負けた扱いになってしまうという笑

ホストとしてだけではなく、肉体の鍛錬も忘れません。
これを見てください!「さえずるな!!」


そして爆笑したのは、最終決戦で遼介と柳直夜と聖也さんの顔合わせだったんですが、甲冑と馬で表れるという笑
マジで笑いましたね笑

とにかく夜王が面白かったのは聖也さんの力がかなり大きいですね。

他にも「翼」「陸」「拓也」「四天王のメンバー」とか紹介したいキャラクターは多いのですが、とりあえず10人挙げてみました。
次やったら変わると思いますが、BEST3は変わらないと思います笑


まとめ

夜王が終わって、その後に連載された「花と修羅」も終わって、僕はヤンジャンを買うのを辞めた記憶がありますね。
それくらいヤンジャンで一番愛していた漫画でした。

そんな感じでこれからも定期的に読んで楽しみたいですね!
ウオオオオ―ッ!!!




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