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#682 読書論29|容疑者Xの献身(東野圭吾)

東野圭吾の小説もたくさん読みましたが、この容疑者Xの献身はBEST3に入るくらい好きな作品なので、是非紹介したいと思います。
多くの方には映画の方が馴染があるかも知れませんね。


容疑者Xの献身とは?

今作はガリレオシリーズの第3弾ですが、1と2を読んでいなくても楽しめます。
主人公の湯川学(ガリレオ先生)は好奇心旺盛な物理学者で、大学の同級生の草薙刑事が捜査中の事件に、科学的な観点で口を出し、事件解決に繋がったりするという、そんな感じのシリーズです。

で、今作です。
今作の主人公は石神という数学教師です。
かつては大学で天才と言われた数学の研究科だったんですが、経済的理由で教授になる夢を諦めて、高校教師になり、アパートで暮らしていました。
そんなアパートにある日、花岡靖子・美里の親子が引っ越してきました。
母親・靖子は美人で近くの弁当屋さんで働いていることが判明し、石神は毎朝、靖子さんの働く弁当屋で弁当を買う事をルーチンにしている位惚れていたんです。

しかし!そんなある日、花岡家に別れたダメ夫が現れました。
金の無心に来るダメ夫に対し、思わず花岡親子は首を絞めて殺してしまうのですが、その音を聞いていた隣人の石神は「私が何とかします」と、事件の隠ぺいをするような指示を出して・・・という物語です。

とにかく、この天才さがエグイんですね。


容疑者Xの献身の魅力

1.一瞬で読み終わる魔力

この小説は続きが気になりすぎて、マジで一瞬で読み終えてしまいます。
今回も書くにあたって久しぶりに読みましたが、多分1時間半位で読めてしまった。
無駄が一切なく、展開もスムーズで、分かりやすい。小説はこうあるべきだと思う位に優秀な作品です。


2. 容疑者Xの献身性がエグい

まぁタイトル通りですしあらすじでもある程度書いているんですけど、この容疑者X=石神さんの献身性がエグイんです。
惚れた女を守るために、作戦立てまくり、考えまくり、とにかく天才と呼ばれた頭脳をフル回転させて、花岡夫婦を守るんです。

トリックは流石に伏せておきますが、ありとあらゆるシーンでの自己犠牲の精神がエグく、もう神の領域にまで達しています。
工藤さんという経営者が途中で出てきます。この工藤さんは元々花岡靖子と知り合いなんですけど、Xはこの工藤さんに嫉妬しつつも、「工藤さんは信頼できる人なので、一緒になれば幸せになる確率を高めてくれます」と伝える辺りは本当に凄い。神ですね。


3.人を愛することは素晴らしいと知る事ができる

そんな感じで2に繋がるんですけど、とにかく恋は素晴らしいですね。
この小説は僕はミステリーでもサスペンスでもなく、ラブロマンスだと思っているので、是非感動したい人は読んでみてください。
こういう愛の形も素晴らしいと思います。


容疑者Xの献身 実写版

そして有名なのは実写版ですね。
僕は小説を先に読んでいたのか、映画が先だったのかもう忘れてしまったんですが、奥さんと旅行していた那須かなんかのペンションで、たまたま夜TVを付けたらこの映画が放送されていて、奥さんと2人で見た記憶があります。
とにかく感動しましたね。


石神さん(堤真一)

小説の石神さんは柔道部顧問で、頭髪が若干薄くなってきた「中年」って感じだったので、ちょっとカッコよすぎますね・・・
ただ、興行的な側面で考えると、福山とライバルになれる俳優と考えるとこの人は適任でしょう。
演技力ハンパないです(特に最後のシーン)


花岡親子(松雪泰子・金澤美穂)

松雪泰子はまさにドンズバですね。
薄幸な感じの美人お母さんと完璧なキャスティングだと思います。
さすが白鳥麗子ですね。


工藤さん(ダンカン)

ダンカンは前述の経営者ですね。
僕のイメージではダンカンと堤真一が逆でしっくりきます。


殺される元旦那(長塚圭史)

この人は常盤貴子の旦那みたいですね。羨ましい限りです。
あまり印象無いっすね笑


ガリレオ先生(福山雅治)

この時期この人は下手したら一番イケメンだったかもしれません。
もう東野圭吾も、福山に寄せた感じでガリレオ先生の性格設定しているらしいですからね笑


そしてこの映画はやっぱ主題歌がいいですね。

愛せなくていいから ここから見守ってる
強がってるんだよ でも繋がってたいんだよ
あなたが まだ好きだから

まさにドラマにピッタリの世界観の歌詞で、完璧です。


まとめ

とにかくこの小説と映画はどっちも良いので、是非見て欲しいですね。
東野圭吾はまだまだ好きな小説多いので、暫くシリーズが続けてしまいそうですが…

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