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#691 漫画論58|エリートヤンキー三郎

「カイジ」「おやすみなさい。」「赤灯えれじぃ」と、ヤンマガ作品の紹介が続いておりますが、今回はこれらの漫画と同期であり、僕がヤンマガを愛読していた時期に人気があったエリートヤンキー三郎を語りましょう。


エリートヤンキー三郎とは?

千葉県にあるヤンキーが集まるアホ高校・徳丸学園が舞台なのですが、ここで大河内三兄弟というスーパーバイオレンス兄弟が大暴れするのが物語の本筋となります。

この三兄弟は1歳違いの年子で、長兄の大河内一郎が高校3年生に進学し、次男の大河内二郎が2年生に進学し、そして三男で主人公の大河内三郎がこの高校の1年生として入学したところから、物語はスタートします。

一郎と二郎はどうしょうもないワルなんですが、三郎は(連載当初は)気弱で真面目で常識的な末弟なんです。ただ、頭が悪すぎて徳丸学園しか入学できなかったというトホホな感じなんですね。
そんな真面目な三郎でしたが、悪すぎる長男・次男同様に「どうせこいつもどうしょうもないワルなんだろう」と周りから扱われ、祭り上げられて「三郎軍団」が結成されます。
真面目になりたい三郎ですが、気づけば学校一の悪になり、暴走族のTOPになり、最終的には全国制覇を目指すという・・・そんなカオスな漫画ですね。

2部構成になっており、第1部はそんな感じで三郎の悪名がどんどん広まり、大阪を制覇したところで終了で、第2部は更に九州制圧に広がったり、あとは河合と変なタイ人の展開になったり・・・迷走が垣間見えましたね笑
第1部だけで良かったと思います笑


エリートヤンキー三郎の魅力

これはもはやヤンキー漫画ではなくギャグ漫画なんですが、なかなか周りで流行ってましたね。
この漫画に影響されて「軍団」を作った同世代は多かったと思います(僕もやってました笑)

あまり記憶が定かではないので想像で書きますが、この漫画が連載されていた時期、他の雑誌でヤンキー漫画はそんな無かったと思いますので、そうしたヤンキー漫画好きもこの漫画を好んだでしょうし、前述の通りギャグマンガ枠としての支持も集めたでしょうし、要はバランスが良かったのと、タイミングが良かったことに尽きるのでしょうね。


エリートヤンキー三郎の愛すべきキャラクターBEST10

10位 大河内三郎

本作の主人公ですが、こいつは全然ダメなんで10位にしました笑
とにかく初期の頃はまだ謙虚で良かったんですが、「もっとちゃんと勉強しろよ、オマエ!」と拳を硬くさせる対象でしたし、第2部に関してはクソバカボンボンオタク野郎になっていくんです。
スネ夫みたいな感じで、普通に嫌な奴でこの方向転換はNGでしたね笑
もしくは、もっと悪として、長男・次男のようにダークサイドで貫いて欲しかったところですね。


9位 春菜ちゃん

そして主人公がそうだからかも知れませんが、ヒロインも全く共感できない女でしたね笑
政治家の娘とかだった筈ですが、あまり知性や品格は無い設定でした。
あとは「壊滅的に料理が下手」というヒロインあるあるの特徴があったり、王道のヒロイン設定も兼ね備えていたんですが、性格も悪く、暴力的で、全然共感できないヒロインでしたし、主人公の三郎とのカップリングも全然興味なかったですね笑


8位 死神

死神かジャックナイフの政かと迷ったんですが、後者は画像が無かったので前者をセレクトしました。
とにかくその異名と言い、ミステリアスな存在で登場したんですが、普通に工場で勤労するまともな男でした笑


7位 関雲竜

この関は相撲経験者で腕力もあり、無類の女性好きで巧みな話術を持ち、司令塔としてデートの作戦を立てられる男で、結構役に立つ男です。
三郎を「金づる」としか見ていない辺りも良いですね笑


6位 ウルフ前田

ウルフ前田も憎めないキャラクターでした。
主人公の三郎の1歳年上なので、大河内家次男「二郎」のクラスメイトだったんですが、二郎から凄惨なイジメを受けており、身体中傷つけられ、重すぎるトラウマを抱えているんですが・・・二浪のいないところでは調子が良いという、憎めないキャラですね。

とにかく二郎さえいなければ輝けたキャラだった、ということですね。


5位 福士

福士は連載当初はまともだったんですが、途中から「オウヨ!」としか言わなくなってしまい、それだけで存在意義を示していたクレイジー・ダイヤモンドですね。
特にこの男に関して言及は無し!


4位 大河内二郎

そして極悪兄弟の次男です。
仕事はプロゴルファーだったと記憶していますが、とにかくまぁ悪い。
前述の前田や死神に凄惨なイジメを行い、鬼のようなトラウマを抱かせている鬼ですね。
マジでいい所は無いんですが、弟思いだったりはしますね笑


3位 大河内一郎

そして極悪兄弟の長兄です。こいつもまぁ悪いですね。
そして犬好きという設定も加わり、獣達に何でも買い与えて好き放題させるという、徳川綱吉みたいな男でした。
こいつも悪いですが、弟思いだったりします笑


2位 石井 武

石井は連載初登場の頃は、ちょっと硬派なまともなキャラクターだったのですが、早々にキャラ崩壊して、狂っていきました笑
三郎と、軍団に対する愛が強すぎて、軍歌を作ったり、音頭を作ったり、温度を強制的に生徒に覚えさせたり、軍団少年の部を作って児童虐待したり…と、歯止めが効かなくなります笑
そして最終的には狂ったヘアースタイルになり、ただのトラブルメーカーになりますね笑


1位 河合 星矢

この漫画を引っ張ってきたのは「☆YA」こと河合ですね。
メインキャラの「三郎・河合・石井」の中では唯一当初からキャラ崩壊も無く、「守銭奴」「三郎を見下す」という所は一貫しています笑
サバイバル力も高く、運動神経も良く、金勘定も早く、恐らく頭も相当良い。
河合で持っていたと言っても過言では無いでしょう。


まとめ

そんな感じでヤンキーを題材にしたギャグマンガなのですが人気もあり、実写版も公開されていますね。
小澤仁志(大河内一郎役)が17歳を演じるとか狂った瀬一定でしたが、これはこれでありでしたね笑
インパルス板倉の河合役も絶妙でした笑

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