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#671 漫画論57|赤灯えれじい

これは心がほっこりする、非常に良い漫画ですね。
読んだ事が無い人には是非読んで欲しい作品です。


「赤灯えれじい」とは?

高校を卒業して就職も進学もせずフラフラと過ごすサトシと、トラックの運転手を目指す金髪ヤンキーのチーコが、深夜の道路工事の交通誘導員のアルバイトで出会います。

ヘタレとヤンキー、いじめられっ子といじめっ子、意志薄弱と短気…と、完全に正反対な2人ですが、お互いに無いものに惹かれ合い、恋をします。
そんな2人が付き合って、初めてSEXして、同棲して、就職して、喧嘩して、別れて、また元etc…という感じで、ありふれた日常を2人で過ごし、少しずつ色々と変化していく物語を描いています。

そして最後は結婚して大団円。ほっこりとする物語ですね。


「赤灯えれじい」との出会い

本作は講談社presentsの漫画家志望の登竜門である「ちばてつや賞」に入選した作品なのですが、その時の読切がヤンマガに連載されたんです。
この頃僕はヤンジャンとヤンマガを愛読していたので、ちょうどその読み切りも読んでました。
その画力というか展開力と言うか構成が非常に面白く、「この漫画は熱い」と印象に残っていたので、それが連載化するのを知ってテンション上がった記憶がありますね。

連載してからも安定して面白く、当初個人的に黄金時代と思っていたヤンマガの連載陣とも互角、時としてはそれ以上に渡り合う作品でした。
単行本では買ってなかったんですけど、友達に1~4巻までを借りていたんですが、返すタイミングを失ってそこから僕が引き取る事になり…笑
責任を持って全巻集めましたね笑


「赤灯えれじい」の魅力

1. チーコが可愛い

チーコが本当に可愛いんです。
これを見て多くの読者が「やっぱ関西弁の女の子はいいな・・・」とか、「ヤンキーの女の子はいいな・・・」とか思ったりします。
まぁ実際に関西弁のヤンキー女子がいたら逃げるでしょうが・・・笑
とにかくチーコを応援したくなる、そんな作品ですね。


2. サトシが情けない

逆にサトシはダメすぎて、それはそれで好感を持てるんです。
しっかりチーコに純愛を捧げる辺りも非常に好感を持てるポイントですね。
とにかく、読者は自身を投影させてサトシを応援していたかもしれません。


3. 世界が身内で好感を持てる

漫画ですが、非常に現実的な世界がリンクしていて、共感を持てるのも子恩作品の魅力ですね。
給料日に焼肉でも行こうと牛角に行ったり、カラオケに行ってチーコは中島みゆきを、サトシはスピッツを歌う辺りも非常に身近な感じがするし、漫画とは言え日常を描いているあたりが慕われた理由かもしれませんね。


「赤灯えれじい」の好きなキャラクターランキング

10位 シゲ

サトシとシゲとエージの3人組は高校時代の恐らくパッとしない、スクールカースト低めのトリオなんですが、唯一大学に進学したのがシゲです。
そして、このトリオの中で、唯一童貞を卒業できず、次々に親友たちに先を越されていくという地獄を味わい、歪んでしまうのですが・・・致し方ないですね。
ただ、最終的に人生で勝つのは恐らく大卒のシゲな気がしますね・・・。


9位 エージ

エージくんは高校を卒業してスーパーの鮮魚売り場に就職し、仕事に慣れて彼女もできて童貞を捨てて・・・と着実に生きていたんですが、パートのおばちゃんと関係を持ってしまったり、風俗にハマったりして彼女にも捨てられるという感じで道を踏み外してしまいました。
こういう性欲に負けた人間は多いでしょう笑


8位 稲葉さん

稲葉さんはサトシのよき理解者ですね。
離婚2回となかなか破天荒な人生を送っていますが、サトシとチーコの恋のキューピットにもおなったイケオジです。


7位 赤沢さん

赤沢さんは、アルバイト時代のサトシの後輩として交通誘導をして日銭を稼ぐ傍ら、コンセプトバンド「オチムシャーズ」のギターヴォーカルでデビュ―を目指すナイスガイです。
イケメンで性格も良く作中でも優遇されている数少ないキャラクターですが、もう少しバンド名は考えられなかったのかと思ってしまいますね笑


6位 チーコ母

チーコの母は、族の集会でナンパされた男と結婚したんですが、その男がだらしなくてフラフラし、その男の借金を金貸しから請求され・・・というハードコアな人生を送っておりますが、芯が通っておりしっかりとしたキャラクターです。
この作品で一番まともかも知れませんね。


5位 久保さん

久保さんはサトシが出版社(風俗雑誌)で働いていた時の同僚で、サトシをちょっと好きだったという子ですね。
サトシはチーコにベタ惚れだったので入る余地は無かったのですが・・・良いキャラクターでしたね。


4位 サトシ弟

そしてサトシの弟は童貞だった兄と違ってヤリチンで、高校時代に彼女を孕ませてしまい高校中退~できちゃった婚というハードコアな人生を送るのですが、しっかりと仕事も子守りも頑張っていて、しっかりとした好青年です。


3位 ユーサク

このスキンヘッドがチーコの元カレのユーサクです。
チーコと寄りを戻したいと接触し、喧嘩して警察に追われてラブホテルに逃げ込み、翌朝を迎えた感じで、関係があったかは描いておらず、読者に示唆を与える感じなんです。
結果、この一夜が原因でサトシとチーコは別れるきっかけになる、そんな罪深いスキンヘッドですね。

2位 サトシ

サトシは気が弱く、舐められがちで、性欲旺盛という、多くの読者を投影し、共感されたキャラクターではないでしょうか?笑
ウジウジしたり、嫉妬したり、凹んだりと情けない所が多いんですが、それでも一途にチーコを愛する男です。


1位 チーコ

そしてこの漫画はチーコで持っていたと言っても過言では無いでしょう。
最初は本当にどうしょうも無いヤンキー女だったんですが、だんだん性格がマイルドになる辺りが非常に秀逸ですね。


まとめ

なんと今回調べてて初めて知りましたが、2020年にその後の連載がされていたようですね。
久々に読みましたが面白かったです。

今振り返ると、当時のサトシとかチーコと同じ年位で漫画を読んでいたんですね・・・青春時代を思い出してちょっとメロウになりました。


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