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#347 漫画論37|ROOKIES -ルーキーズ-

前回、GTOを紹介した際に軽く本作についても紹介し、その時点で「あ、そろそろROOKIESも書こうかな・・」と思い、本日ついに勿体ぶっていたROOKIESについて紹介しましょう。

リアルタイムで読んでいた、大好きな漫画でしたね。



ROOKIESとは?

鬼才・森田まさのり先生のデビュー作にして最高傑作である「ろくでなしBLUES」が1997年に完了し、そこから1年間の沈黙を破り、1998年にジャンプに森田先生が戻ってきた!僕をはじめとする森田先生フリークは狂喜乱舞!
次の連載は同じく学園ものも、主人公が教師
この頃、僕はもうマガジンに移行してましたが、このROOKIES新連載の回はジャンプ買いましたからね。

で、読んでみると、クソ面白れー!!!!
1話目から名作を予感させる、メチャクチャ面白い導入でした。
てかGTOとROOKIESの影響で、教師を目指す人増えたでしょうね。

あらすじを説明しましょう。
二子玉川学園という野球部があったんですが、何故かその年の1年生は不良ばっかりが入部してきたんです。その中に安仁屋とか江夏とか野球経験者もいたんですが、それ以外は経験なしの不良達。
で、甲子園予選で試合中、代打で出た江夏がビーンボールを投げたピッチャーをバットでボコボコにして、便乗した1年の不良達も大暴れして、1年間の出場停止!!

3年生はその場で引退ですし、2年生のほとんども諦めて退部、そして野球部は活動休止状態の暗黒の不良軍団となってしまいました。

そんな中で転任してきた新卒教師が、川藤幸一です。

川藤先生は「夢」を持つことが大事であると、生徒に諭す激アツティーチャーであり、入学式の日に知り合った小林(野球をやるために退学する2年生の野球部員)の願いを叶えるため、川藤はそんな不良達の野球部を建て直そうと、1つずつ始めていく。そんな物語です。


ROOKIESの魅力

1.生徒(野球部員)がいい感じに個性的

前作ろくでなしBLUES同様、生徒達がとにかく怖いんです。そして悪い。
学校で堂々と煙草を吸い、暴力を振るい、破壊活動をする。

高校1年生という笑

そして、ろくでなしBLUESに通じる世界線ですが、 個人個人に細かい設定があるのがいいですね。
湯舟が真弓先生を好きだったり、平塚と今岡が仲良かったり、岡田が勉強できたりみたいな・・・そう言うサブ設定が非常に良いですね。

そしてろくでなしBLUESよろしく、名前を実在する選手から持ってきて使うとかのノリがいいですし、基本的に名字で呼び合う関係性も好きです。
そして割とどうでもいい場面で、そのキャラクターの名前を初めて知ったりします(「湯舟哲郎、ピーンチ!」とかですね)

ちなみに最高に余談ですが、全員の名前が掲載された扉絵で、湯舟の名前は上記の設定が忘れられ「春樹」になってましたが、単行本では哲郎に訂正されていました。マジで余談ですね笑


2. 相変わらず高いギャグ&ワードセンス

森田先生のワードは本当に面白いです。

「それぞれモチベーションは違うけど、しっかりやるよ」
「なんだよ、モチスターベーションって」
「バカ、手で持つやり方だよ」
「普通持つじゃん」

この辺とか本当に完璧だと思うんですよね笑

加えて絵で落とすのも面白いですね。

これもなかなか衝撃でしたね笑


3. 川藤先生が徹底的に正義

そしてやっぱりここが、GTOとの違いなんですよね。
鬼塚は楽しいけど正義ではないのに対し、川藤はとにかく言葉の1つ1つが本当に素晴らしい。

下記でもセレクトしてますが、自分の人生にとっても支えになった言葉もたくさんあります。本当に素晴らしいですね。


4. メディアミックスが悪くない

ROOKIESが実写化したのは2008年、僕も漫画に思い入れがありすぎたので、実写化は反対だったんですが・・・
割と再現性が高く、ジャニーズとかを使ってない辺りもよく、市原隼人がすごく良かったし、そして主題歌も良かった。最初は「クロマニヨンズじゃないの??」とか思ってましたが、キセキは超名曲ですよね。

とにかく、ドラマが原作リスペクトをしっかり行っており、それも良かったですね。
迂闊にも僕も見てしまい、号泣してしまいました笑

桧山がかっこよかったですね(岡田も)
そして御子柴・・・笑



ROOKIESの名シーン BEST10


10位 夢にときめけ!明日にきらめけ!(川藤)

まずはなんと言ってもこれでしょう。
ROOKIES=夢にときめけ!明日にきらめけ!と言っても過言ではありません。
森田先生はこれで流行語大賞を狙っていたようです笑

とにかく「夢」がこの漫画のテーマです。
本当にこのワードは素晴らしいですね。


9位 人に好かれたいなら 人を好きになる事だ(川藤)

ROOKIESを語る上で、新庄は外せないんです。
搭乗時は本当にクソみたいな人間なんですが、川藤の言葉をめちゃくちゃ真正面から受け止めて、感じて、メチャクチャ成長するんです。
個人的にROOKIESは7巻までが神がかり的な展開と思ってまして、その中心は川藤ですが、8巻以降は完全に新庄が準主役候補です。

それにしても「人に好かれたいなら、人を好きになることだ」「優しくされたいなら優しくしよう」「自分を信じて欲しいなら人を信じよう」
メチャクチャこのワードは強いですね。
自分の人生の教訓にもなっています。


8位 男のロマンに年齢が関係あるかよ(吉田記者)

この言葉も好きですね。
同様のコメントをこのあと川藤もして、この吉田記者は川藤を気にいるんですが、何かを始めるのに遅すぎることなんて絶対ないということは、作中で何度も伝えてくれています。


7位 私はなぜ・・・川藤くんのように・・・(村山校長)


これはマジで泣けましたね。
この校長は悪どくて、「暴力事件を起こして新卒で入った学校を辞めた川藤を引き受け、野球部の顧問にして、川藤がキレて野球部をボコボコにするだろう」と言う、結構強引な手法で野球部を潰そうとするんですが、練習試合でイキイキと野球をする部員の姿を見て感涙すると言う話です。
そしてこの校長はラストで涙ぐんで出てくるのも非常に良いですね。


6位 待ってたぜーっ(桧山?)

ここもマジで名シーンです。
やっぱ7巻までの流れは神がかり的なんですけど、改めて紹介しましょう。
新庄が暴力で野球部を制圧 → みんな嫌気がさして新庄が孤立 → 川藤が上記の「人に好かれたいなら、人を好きになることだ」発言 → 野球部が始動するも、その流れに乗れない → 勇気を出してユニフォームを着てグランドへ → みんな大歓迎!と言う美しい流れ。
こいつらは本当に大人です。
個人的には岡田が新庄と仲良いのが好きですね。


5位 みんなで行こうぜ、甲子園(新庄)

そして新庄と若菜の名シーンです。
僕はリアルタイムでこれを見た時に泣いた記憶がありますね笑
これは泣くって話ですよね。
とにかく、新庄の成長具合が本当にハンパないですね。


4位 野球しかねーんだよ、俺たちは!(御子柴)

この辺もマジで感動します。
御子柴は1巻ではさりげなくcasterを吸うようなダメなイジメられっ子だったんですが、どんどん野球への思いが強くなり、川藤イズムも注入されて、この4巻では立派なキャプテンになってます。
この辺の展開も本当に面白いですね。


3位 俺、そう言うのでいんだよ(御子柴)

これも本当にグッときました。
もう言葉では上手く補完、補足できないくらいに、演出・構成・コマ割りが素晴らしい。
本当にこの漫画を青春時代に、同世代の時期に読めて幸せでしたね。


2位 掌を見せる新庄(新庄)

このシーンも本当に素晴らしいですね。
上記の「待ってたぜーっ」の後ですが、あれほど突っ張っていた男が、心を曝け出した瞬間というのが素晴らしい。
やっぱ7巻までの流れが本当に素晴らしいですね。GTOはちょっと雅を引っ張りすぎた感もあったんで、やっぱ7巻くらいで全部問題をクリアにするあたりが秀逸です。
新庄は本当に好キャラクターですね。


1位 道を切り拓くものは自信と勇気だ(川藤)

そしてやはり一番好きなのはこれですね。
本当に素晴らしく、勇気付けられるコメントだと思います。
まさにMAKING THE ROADという感じだったりもしますが、マジで困難だったりが訪れた時、この言葉がいつも脳裏に浮かびます。
永遠に語り継がれる名言でしょう。


まとめ

ROOKIES、久々に振り返りましたが本当に面白かったですね。
久々に読みたくなりましたね。

また、久々に泣きたいと思います。

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