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#151 漫画論15| はじめの一歩

がんばれ元気、あしたのジョーとボクシング漫画の2TOPを紹介しましたが、現在もなお連載中のはじめの一歩も外せないでしょう。



現在連載中の漫画を紹介するのは初めてな気がしますが、この少年マガジンで今なお続く歴史ある漫画について紹介しましょう。

ボクシング漫画は「プロテスト」「新人王戦」「日本チャンピオン」「世界チャンピオン」と基本的なプロットが全て一緒であり、そして「減量」という過酷さを追加できるエッセンスがあり、更には「網膜剥離」「パンチドランカー」という更に過酷エッセンスがあり、パターン化されてしまうのですが、それでも面白い作品は面白いんですね。

がんばれ元気もあしたのジョーも、そしてはじめの一歩も上記の黄金パターンは全て含んでいるんですが、それでも面白いですね。


はじめの一歩 あらすじ

主人公の幕之内一歩は都内の高校に通う高校生でありながら、家業である釣り船屋でアルバイトをして母子家庭を支える好青年。
そのような家計を守らなければならない&気が弱い性格もあり、不良にイジメられて悔しい思いをしていましたが、そんなある日イジメられているのを鷹村さんに助けられ、そこから鷹村さんの影響でボクシングを始めて、宮田くんというライバルと出会います。

元々の真面目な性格と、釣り船屋の仕事で基礎体力や平衡感覚が身に付いている事からボクサーとしての素養もあり、そこから特訓〜ボクシングの繰り返しで、どんどん強敵たちを破り、気付けば日本チャンピオンになりました。そして世界に挑み・・・と色々すったもんだあって現在136巻まで刊行中。
恐らく200巻くらいまで続くと思われます笑


はじめの一歩の魅力

とにかく、脇役が魅力的なんです。
作者の森川ジョージ先生も「全員が主人公」と仰ってるとの事ですが、主人公の幕之内一歩以外の試合でも時間をかけます。この辺があしたのジョーとの違いですね(それ故の長期連載という側面もありますが)

一歩が所属する鴨川ジムのメンバーや、ライバルの宮田くんとかの試合はともかく、千堂とか間柴とかはまだしも、ザンギエフとかの闘いすら紙面を割くという徹底っぷりです笑

とにかく一歩はわかりやすいキャラクターで◎ですね。
鷹村も会長も非常にわかりやすくて良いですし、木村・青木・板垣もいい。
脇役では一歩の母親や梅原くん、そして久美さんもいいですね。
そしてライバルも敵もキャラが立っていて、なかなか楽しい漫画ですね。

そんな感じで、すでに色々な所で語り尽くされておりますが・・・
ベストバウトを紹介したいと思います。


はじめの一歩 私が選ぶベストバウト

10位 幕之内一歩 VS 間柴久美

「恋」というバトルを繰り広げているので10位に入れておきました。
とにかくどっちも超奥手で、80年代のまま時間が止まっており、もっと言うと久美さんの初登場シーンあたりは同誌の「BOYS BE…」を彷彿とさせた記憶がありますが、ちょくちょく顔が変わるのもリアルでいいですね笑

ナースというのもポイントは高いです。
もう早くくっついちゃって欲しいですね。


9位 幕之内一歩 VS 真田一機

はじめの一歩はリアルタイムでマガジンを読んでいた95〜97年位の印象が強く、ベストバウトのほとんどがこれくらいの時代の作品になっておりますが、この真田戦は初の防衛戦だったのですごい印象に残ってます。
真田は医大生であり、将来は医者になるもボクシングもやるという三杉くんのようなエリートですが、必殺パンチの「飛燕」「燕返し」も雰囲気あって良かったですね。好キャラでした。


8位 幕之内一歩 VS ハンマー・ナオ

ハンマー・ナオの試合も良かったですね。
ハンマー・ナオは元々一歩が可愛がっていたジムの後輩で、その後輩はゲロばっか吐いていたのでゲロ道と呼ばれ、ある日家庭の事情(だったっけ?)で引っ越し、パワーアップして出てきた感じです。
この時期に「ナオ」がつくやつは大抵、ハンマー・ナオと呼ばれていた記憶がありますね笑


7位 青木勝 VS 今江克孝

一歩が所属する鴨川ジムのコメディリリーフ・青木が唯一と言ってもいいメインで描かれる試合ですが、この試合も良かったですね。
正統派の今江と、トリックスターの青木の対比が良かったですし、お互いが「守るもの(=彼女)」の為に闘うというのも良かった。
結果は引き分けでしたが、青木らしさが十二分に伝えられたナイス・カードでしたね。


6位 幕之内一歩 VS 伊達英二

伊達英二は一歩が所属するフェザー級最強の男で、デビュー以降負け知らずだった一歩が始めて敗れる相手です。
伊達さんはダンディーでカッコいいですね。
コークスクリューもですが、ハートブレイクショットとかカッコいいですからね。


5位 伊達英二 VS リカルド・マルチネス

そしてそんな伊達ですが、フェザー級日本王者のベルトを返上(この辺の仕組みがイマイチ分かっていない)し、かつて敗れた世界チャンピオンのリカルド・マルチネスに挑むのですが、リカルドが強いのよ笑
もうシャレにならんくらい強いんです。当時流行っていた曲風に紹介すると「シャレになんないよ、マジで」って感じです(from 鈴木紗里奈)
そして「Good-bye、エイジ・ダテ」と言い放ち、伊達をリングに沈めて一歩の闘志に火をつけるのです。


4位 幕之内一歩 VS 沢村竜平

沢村はかなり危険なやつでした。
とにかくプロボクサーであるにも関わらず、売られた喧嘩は全部買い、不良とかもボコボコにするような暴力の塊。まさに外道。
過去にDVが半端ない義理の父親を刺したとかそんな感じだった記憶があります。
ただ、この試合は面白かったですね。
最後は正義の一歩が勝つんですが、かなり苦しめられた試合でした。


3位 幕之内一歩 VS 千堂武士

一歩と千堂は2回戦います。
1回目は新人王の東西最強決定戦で、2回目は日本フェザー級タイトルマッチのララパルーザ(地鳴り)で、2回目の戦いの方ですね。
千堂は関西出身で元ヤンキーながらも非常に気持ちが良い男で、赤井英和を彷彿とさせるキャラクターなのですが、こういうキャラクターは他の漫画ではかませ犬になる傾向が多いのですが、しっかりと存在感を確立しています。
で、この試合は一歩の新兵器「テンプシー・ロール」が炸裂し、最後は一歩が接戦を制するのですが、熱い試合でしたね。


2位 木村達也 VS 間柴了

この試合も非常にファンが多いのではないでしょうか。
鴨川ジムで今ひとつ影の薄い木村は引退をかけて、過去に一歩を苦しめた間柴と闘うことになります(間柴が階級を一個あげた)
で、木村は舐められまくるんですけど、新パンチ「ドラゴン・フィッシュ・ブロー」を開発するんです。
しつこいくらいボディを攻めて、そして終盤でD.F.B(ドラゴン・フィッシュ・ブローの意)が炸裂し、圧倒的優位だった間柴を追い詰める木村!
しかし、最後は立ったまま失神KOという感じで、がんばれ元気ののぼる的な感じで破れてしまいます。

とにかく普段は地味な木村が間柴を追い詰めたということで、この試合をベストに挙げる人も多いでしょう。


1位 鷹村守 VS ブライアン・ホーク

そして1位はこれしかないでしょう。
てか、1〜3位の違いはあれど、ベスト3はほとんど全員が「ララパルーザ」「木村vs間柴」「鷹村vsホーク」の3つになると思います。
この試合はリアルタイムで読んでましたが、メチャクチャ興奮しましたね。
マジでどっちが勝つか分からなかった。

鷹村は作中最強の男に近く、試合も常に圧勝で、そんな感じでミドル級の世界王者ブライアン・ホークに挑むんですが、このブライアンは練習しない、日本に来たのは女を抱くためと、とにかく素行が悪いんです。更には記者会見で鴨川会長も殴り、鷹村を長髪するという暴君 of 暴君。

そして日本のメディアを通じて「日本の女は全員俺に抱かれろ!強い遺伝子を残してやるぜ!ゲハハハハ!」と、最後は夜王の霧崎京一郎風になってしまいましたが、とにかく読者の拳も硬くさせる理想のヒールでした。

で、そんなブライアンに、鷹村はボコボコにやられるんです。
とにかく口だけではなく実力も兼ね備えた天才。

しかしながら徐々に鷹村もブライアンを追い詰め、最後は大勝利!
これは嬉しかったですねえ。
そして最後のヒーローインタビューで、ホークと同様なことを言ってモノを投げられまくるというオチも秀逸でした。

とにかく、本当にこの試合は楽しかったですね。


はじめの一歩のこれから

最終的にはリカルド・マルチネスと戦い、最後宮田くんと戦って終了なのでしょうが、とにかく早くラストを見たいですね笑
てなわけで森川先生よろしくお願いします!



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