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【戻ってきたバルサを見る楽しさ】レアル・マドリー0-4FCバルセロナ レビュー

スタメンとフォーメーション

世界中が注目するエル・クラシコ。
近年はネイマールのPSG移籍に始まり、クリスティアーノ・ロナウド、メッシ、セルヒオ・ラモス等、2010年代のクラシコを盛り上げた選手が軒並み移籍。
一時期のような激しさは失われつつあるものの、サッカーファンなら目の離せないダービーマッチであることには変わりがない。

ホームチームのマドリーはラ・リーガ優勝はまだ3月だが、対戦相手バルセロナ含めたライバルの躓きもあり間違いないだろう。
3連覇以来の優勝を狙うチャンピオンズ・リーグもPSGに2ndLeg前半終了時点で0-2から、後半エース・ベンゼマの3得点で大逆転で突破。

勢いに乗りこのゲームに臨む形となったものの、試合前のトピックとしてはそのベンゼマがふくらはぎの負傷で、また左SBのメンディもハムストリングの負傷で欠場となった。
CFにはアザール・ヨビッチではなくモドリッチを最前線に、左SBにはナチョが起用された。フォーメーションはいつもどおりの[4-3-3]。


一方アウェイチームのバルセロナ。
クーマン体制の地獄の底にいたチームはレジェンド、シャビの帰還により這い上がってきた。12試合負けなし、かつここ6試合で19ゴールと、もはや今や世界で一番調子のいいクラブといっても過言ではない。

そんな中臨むクラシコは直近6試合は1分5敗と武は最悪。でも、今のチーム状態なら2010年11月30日、ペップがカンプノウで世界に衝撃を与えた5-0のような結果を…と期待を抱いてゲームに臨んでいたことだろう。

バルセロナのトピックは右SBの不在。セルジ・ロベルトとデストはベンチから外れ、CBでここまでチームを支えていたアラウホが右SBに。ヴィニシウスとの1vs1は試合前から注目ポイントになった。フォーメーションは伝統の[4-3-3]。

両チームのフォーメーション。


剥がされるマドリー

前述の通り、マドリーは絶対的なCF・ベンゼマが不在。
このベンゼマ不在というのは2月3日のコパデルレイ・ビルバオ戦(0-1●)、6日グラナダ戦(1-0◯)、12日のビジャレアル戦(1-1△)と今年既に3試合経験しており、いずれも攻撃はうまくいかずという結果に終わった。
その三試合では代役としてロドリゴ→イスコ→ベイルとなっており、今回のモドリッチは初の試みであった。

指揮官・アンチェロッティとしてはモドリッチを偽9番というよりも、ほぼほぼ中盤3センターの頂点としてモドリッチを立たせひし形を作り、バルセロナとの中盤主導権争いを制したかったように思う。
そこに相手CBピケ・ガルシアが食いついてくれれば、ロドリゴ・ヴィニシウスで裏。と割と狙いはシンプルであった気がする。

マドリーは守備時クロースが1列前に出てモドリッチと2CBへ、バルベルデがブスケツに付いていき、ミドルプレスからカウンターを狙う配置でスタートした。この一つ一つのズレをバルセロナは見逃さず、中盤トライアングルの2枚、ペドリ・デヨングへパスを通し相手陣地まで攻め込んで行った。

1分40秒~。
ガルシアがプレッシャーの中からぺドリのフリーを見つけ、前進することができた。


15分はGKテア・シュテーゲンからの前進。
相手の相手のゴールキックが流れ、テア・シュテーゲンにボールが渡ったところへモドリッチがガルシアへのパスコースを切りながらプレス。
ヴィニシウスがピケを抑え、バルベルデがブスケツを抑えるも、ヴィニシウスがズレて空いたアウラホへ。
クロースが遅れてプレスに来るも、デヨングとの連携から右WG・デンベレへとボールが渡っていった。

このズレは26分にも起きるが、アラウホの前進からデンベレが抜ける機会を伺ったがパスが出てこなかった。クロース・ヴィニシウスのズレから、バルセロナは右サイド中心に前進が可能となり、主導権をバルサが握り、試合が進んでいった。

17分50秒~。
テアがアラウホのフリーを見つけたところから、デヨング→デンベレと一枚ずつ剥がしていき、ゴール前に迫った。


右サイドの進行から29分、バルセロナが先制点を奪う。
ボールを受けたデンベレからナチョとの1vs1をブッチ切り、クロスからオーバメヤン。ドルトムントでのコンビを彷彿とさせる連携のゴールで先制した。

37分、バルセロナに追加点が生まれる。ジョルディアルバがHSから右大外で待つデンベレに渡り仕掛けて得たコーナーから、アラウホがアラバに競り勝ち追加点。完全に試合を支配し前半を0-2で終えた。

誤ったスタート

マドリーは後半スタートから人と共にシステムを変更する。
クロースに替えてカマヴィンガ、カルバハルに替えてマリアーノ。最終ラインはカゼミロが出たり入ったりで、4になったり3になったりする可変のような形にシフトした。
この最終ラインの変更でマドリーの最終ラインはガタガタになり、スタート17秒でフェラン・トーレスに決定機を作られる。
その1分後、アラウホのクリアボールのセカンドをデヨングが拾い、オーバメヤンがミリトンを引っ張り左で余ったフェランが決めて3-0。

その4分後の51分はピケのロングボールからフェラン→オーバメヤンと3点目と逆のパターンで4-0。マドリーはオフサイドと思いプレーを辞めたが、手前サイドにいたアラバが残っておりオフサイドなし。このラインコントロールもマドリーのガタガタを象徴するようなものになった。

63分もバルサに決定機。
最終ラインのパス回しにマドリーは4人が食いつき、オーバメヤンが落ちたところから浮いたブスケツへ。オーバメヤンがミリトンを引っ張り、空けたスペースにフェランが走り出し、決定機を迎えるが、クルトワのセーブでゴールならず。

63分~。
最終ラインのパス回しに4枚が前残りになり、オーバメヤンが降りたところで空いたスペースにブスケツがフリーでスルーパスを出すことができた。

後半は開始早々の2失点もあり、集中力の欠如もあっただろうが、ボールへの行きすぎで、よりスペースとズレが生まれやすくなり、ボールを回される展開に終始した。
クルトワの好セーブがなければあの時の、5-0の再来、それ以上になっていただろう。
試合は最後までバルセロナが支配し、そのまま4-0で試合を終えた。

感想

マドリーとしてはベンゼマ不在の中で、狙いはヴィニシウスとロドリゴという若いブラジル人WGを使った速攻が狙いだっただろう。
事実バルセロナのイエローカード(26min.デヨング、31min.ブスケツ)、またアドバンテージで流れたぺドリのファールはトランジションでマドリーが守→攻に変わる瞬間のものであり、繋がれば決定機となっていったはずだ。それをイエロー覚悟で潰せ!というのは、モウリーニョ時代のマドリーのカウンターを経験しているシャビの経験からのものなんだろう。

ともかくベンゼマ不在の穴は今回も埋まらず。モドリッチ起用も時間の経過につれ完全にバルセロナに主導権を持ってかれる展開となった。またSBの質的不利もこの試合は顕著であり、ヴィニシウス・ロドリゴもこの試合ではサポートが欠けていた。この辺はUCLのベスト4になると拙い予感しかしない。
幸いリーガは優勝ほぼ確実なので、この敗戦がリーガの順位争いに与える影響は0に近い。が、来季のバルセロナはマドリーに近い場所にいるはずだ。今年はもうクラシコはないが、来季の対戦に向けアンチェロッティは今から頭が痛いだろう。ベンゼマがいれば展開が変わる、というのはあるにしても。

バルセロナは最高のパフォーマンスで世界に「バルサ復活」を印象付ける勝利となった。
相手のズレを見つける目に加え、地味だけどテアシュテーゲン・ガルシア・ピケの配球、ぺドリ・デヨングのスペースの見つける目、アラウホの対人の強さなどそれぞれが目立ってたのも良ポイント。
このまま上昇気流に乗れば、かつての栄光を取り戻せる日は近そう。CLは予選敗退しているため、ELに回っているのが残念。CLで見たかった。


最後に

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