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【防災茶会】自粛の今だから「春の焚き火」

自粛に飽きました

 せっかく素敵な季節なのに、家ごもりを推奨されるというのも悲しい。で、屋外なら空気もこもらず人口密度も低かろいうということで「季節の海鮮を炙る会」でもやりませんか?と声をかけたら手を上げてくれた人々が。では、本格開催の前に問題洗い出しを兼ねて試行しましょうということで、 キャメラマンの友人家族と「防災焚き火会」実施しました。

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手間を楽しむ・旬を味わう

 勿論、青空のもとカップ麺に湯を注ぐ、それだけで非日常が楽しめるのでオススメなのですが、せっかくの季節ですから手間を楽しみたいと思うのです。防災茶会の視点からもいろんなノウハウを手に入れることができます。そしてもう一つは「旬」春先の楽しいものを何でも炙って楽しく食べようという趣向です。防災茶会は突然思いついて開催することの方が圧倒的ですが、今回は友人の子供も参加してくれるので彼らの活躍の場も作らねければなりません。マルチツールを人数分確保したりそれなりの用意をして当日を向かえます。が、当日注文した魚を受け取る寸前に「子供が熱を出した」のSNS着信、「子供あるある」でやむなく催行中止しようかといったのですが母と息子がキャンセル、父と娘は行きたいということでサイズを小さくして催行確定です。

火を熾す

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 広い河原は我々のみで、これならコロナも心配なし。後ろの山をよく見るとまだ眠っている山桜がたくさん、これが花ひらく頃次の本開催できるといいなと思いながらセッティング。
まずは、枯れ草拾いとテーブルを飾る花を探します。防災「茶会」ですから投げ入れは必項w 小さな女の子が「留守番の家族にお土産にする」といってくれました。

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 その間に、ストウブのセッティングをして、さあ火熾しです。
小学一年生の彼女にとっては、マッチを擦ることさえ初めてなのでまずは火に慣れてもらいます。マッチに見本で火をつけ「やってみて」と渡す。マッチ一箱くらい無駄にしてもいいように持ち込んでいるので黙って見ていましたが、父親がさっそく手助けに参戦(ダメじゃん)。火傷をしないために焚き付けの新聞芯作成も。新聞を固く捻って棒状にすると紙が垂れ下がらずに安全なのとじっくりと燃えるので時間をかけて火を移せます。

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河原で火を焚くことの是非
防災茶会では、初めて使う場所の場合管理者に念のため電話で問い合わせをします。公園などの場合「防災時の練習のためにカセットガスを使いたい・火を焚きたい」というと、規則上はダメなんですがその程度は黙認してますという答えが多いですね。直火はダメですと言われることも。今回の場所の場合「十分に気を配ってやってください」とのことでとにかくはお許しをいただきました。

火が落ち着いたら、メニューを発表!

子供が参加する時に、それ用の別メニューを用意したりしますが私はそれには否定的。子供は大人が楽しそうに口にするものに憧れ興味を持ちますから、こういう非日常空間で「大人舌」に成長してもらうチャンスです。

朝のおやつ:その場で作りたてフレッシュチーズ
前菜:そら豆と合馬産筍の炭直火焼き 柚味噌と柚子ごしょう
主菜:貝の炙りレモン醤油・白身魚とあさりのアクアパッッア
ご飯:リゾット 魚介とホエーのスープベース
菓子:春彼岸だんご 焼き芋 水菓 黒蜜で
自家焙煎コーヒー・お茶

 いかがでしょうか、あれ焼肉じゃないの? と聞くあなた。焼肉って結局タレの味が一本調子で飽きませんか? しかもカットした野菜を炭火で上手に炙るのは火の前につきっきりじゃないと難しい。そんな面倒を排した簡単メニューでございます。どうぞ写真とともにご賞味をw

朝のおやつ:その場で作りたてフレッシュチーズ

 休校のあおりで、給食も取りやめとなり特定の食材が余っているというのがニュースになりましたが「牛乳」もその一つ。小学一年生も給食無いのは残念とかでそんな話をきっかけに「じゃあ牛乳で何か作ってみよう」ということでチーズを手作りします。父親には「手間をかけると聞いてたけどそこからやるの?」と驚かれましたが、実は簡単なんです。

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カッテージチーズの作り方
1)牛乳を温める 温度60-70℃(鍋の周りに泡が立ち始める頃合)   
  温度はアバウトで構わない但し沸かしちゃダメ

2)レモンなどの柑橘類か酢を投入しながらかき混ぜる
  1リットルの牛乳に大さじ5くらい 固まり具合で調整

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3)ザルなどで濾す *濾した水(ホエーという)は大事に保存

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たったこれだけです
小さなシェフも興味津々で仕上げてくれます。
1リットルの牛乳で300グラム弱作れます、この量は「脂肪分に比例する」ので複数銘柄がある場合は脂肪分の高いものを選ぶこと。低脂肪乳はもってのほか、ほとんどチーズになりませんw また防災バックに良く入っているロングライフの缶詰牛乳(乳加工品)は残念ながら使えません。濾したあとしばらく時間をおいた方が水分がなくなるのでよりチーズの風味が強くなってオススメですが、とにかく口に入れるものを出さねばならない場合は少しづつ味の変化を楽しむのもいいですね。
ソフトドリンク派にはミントとメイプルシロップを、
酒呑みには、胡椒とオリーブオイルで、

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 さて、今回はレモンを絞って作りましたがちょっと贅沢して国産レモンを持ってきました。なぜって?「旬」だから。レモンは一年中出回っていますが国産は年末からせいぜい初夏までが収穫期。ポストハーベスト云々は他の方にお任せするとして、皮をウィスキーや水に浮かすだけで風味も生きますし、何よりゴミが減ります(ここ大事)。子供のソーダだってミントとレモンでノンアルコールカクテルだぞ。

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前菜:そら豆と合馬産筍の炭直火焼き

もうこれは「旬」そのもの。
「なんでも炙って美味しく食べよう」

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 当地は筍の名産地合馬に近く、朝堀のものを譲ってもらいました。全くえぐみがなく旨いのなんの。そら豆は初モノの熊本産。

 いきなり火の中に放り込むもんだから「燃えないの?」とのご質問。いずれは燃えちゃうから、時々のぞいてチェックしようね。

そら豆と筍のの焼き方
焚き火に放り込む・・・10分くらい。以上w
焼き上がりの目安は写真をご覧あれ。これより焦がしても大丈夫なんです。

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ほこほこです。

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余分に焼いて参加できなかった母息へのお土産に、これいきなり見たらびっくりするかなw

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主菜:貝の炙り・白身魚とあさりのアクアパッッア

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 サザエもあさりも身が乗ってきました。ストウブをかまどモードにして炙るだけ、お醤油垂らして三つ葉を乗せる。さあ食べよう殻から外して、、、少女が格闘しますがちょっと苦戦。なんとか一人で殻剥きして欲しかったのに父親がまたすぐに助け舟を出す(コラ)。

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 フライパンからはみ出してそうな魚は「にべ」です。当地ではこれから初夏が旬です。「膠(にべ)も無い」の語源でもあります。今年は期待していた豊前海のあさりが不漁だそうで残念、これは山口産。
アクアパッツアなどというとおしゃれに感じますが、これもアウトドアメニューとしては楽チンで見栄え良しの代表格。直訳すれば「魚の水煮」ですもん。

アクアパッツアの作り方
1)白身魚を打ち塩してお腹にニンニクとハーブを詰める
2)両面ソテー(中まで火を通さなくていい)
3)周りに、あさり・オリーブ・トマトを放り込む
4)お湯を放り込む(水じゃダメ)わりと強火で煮る
4)スープが乳化(白濁)してきたら出来上がり

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これ、塩以外に調味料が要らないので荷物が減らせます。
今回、オリーブは中にアンチョビを鋳込んであるタイプをチョイス。水の替わりにチーズ作りの副産物「ホエー」(絞り汁)を投入、栄養もあるし風味も良好。何より廃棄物を出さないのはアウトドアでは絶対正義だと信じておりますw

ご飯:リゾット 魚介とホエーのスープベース

 一気にご飯へと進みます。食べ終わったフライパンに残ったスープにお米を入れてリゾットです。

リゾットの作り方
1)魚の残ったエキスに米を入れ蓋をせずそのまま炊く・・・以上

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めまいがするほど簡単です。水は一気に加えずひたひたの状態を保ち、米の芯が多少残ったくらいが食べごろ。今回はホエーを加えてあるので粉チーズさえいりません。ここまで残った薬味を適当に散らし、大人二人と子供一人で二合完食(食べ過ぎw)

菓子:春彼岸だんご 焼き芋 水菓 黒蜜で

 防災「茶会」ですから、お茶と菓子には手を抜きませんw
ここは、小さなパティシエにお任せしましょう。

お団子と黒蜜の作り方
1)米粉を練る 100gに水50cc程度、少しづつ加え
2)好きなサイズに丸めて
3)お湯にくぐらせる 2分くらい

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4)水で締める

黒蜜の作り方
黒蜜作りもすごく簡単
1)黒糖100gに水100CCを加え

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2)加熱、、、お好きなとろみ具合まで煮詰めて出来上がり

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写真のようにアクが浮いてくるので取り除いてもいいのですが、これ旨味ですから仕上がりの色をシビアに気にしなければそのままでいいと思います。

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熾火に放り込んでおいた焼き芋と苺を添えて完成。

このデザート作りで私が手を下したのは「苺のカット」くらい。
あとは全て彼女の仕事です、どうだこの真剣な表情w 途中でお友達も駆けつけ都合七人分を製作。

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コーヒーは生豆を炭火焙煎して持参しました。

防災茶会

 犬の散歩がてら立ち寄ったとか、バイクのカップルが隣で本を読んでいたり、父娘の友人がのぞきにきてくれたり、、、興味を持ってもらってありがとうございます。

話題になったのは、こちら時計ストウブ。枯れ枝から相当大きな薪まで燃やせて熱回収も効率よくできる強い味方です。

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そして、こちらのパーティープレート。グラスホルダー付きで風でも飛ばないし片手で両方を持てるので立食時も嬉しい。デザインも秀逸ですが実はフィリップスタルクデザイン。

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 外出を少し規制されたくらいでも結構ストレスになりますから、災害避難時を考えると重たい気持ちになります。が、こういった気晴らしと少しだけの防災訓練を兼ねて遊べるのは楽しかった。

 反省点としては、ストウブの煙をぼーっと見るだけで時間が過ぎるので予定の4時間を超えて6時間かかってしまい、次回はもう少し時間短縮を目指して花見・本開催にしたいと思います。
 コロナもあるので手洗いはかなり念入りに、このため20lの水タンクを三人で3回追加しました。水場が近かったので良かったのですが、給水困難だと大変です。
 ゴミを出さないのも目標にしていました。缶やペットボトル、包んできたビニール以外に持ち帰ったのは、サザエのからと魚の骨くらい。あとはストウブで燃やせてしまいます。

 おしまいに、このポストの写真が素敵なのは撮影者(少女の父親)がプロキャメラマンだから。もちろん休日のお遊びショットですがさすがに違いますね、ありがたいです。

もし、防災茶会を見かけたら是非お声がけください。一服差し上げます。


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