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24歳

私は、今年の3月27日に24歳になった。
後一年経ったら、生まれてから四半世紀、四捨五入すると30になる。まじか。

23:25
会社から帰ってきた後、玄関の電気をつけ、靴を脱ぎ、すぐ横にある洗面台の前に立つ。無駄に明るい照明が、鏡に着きまくったほこりを浮き上がらせている。その中に映る顔。絶望的に目に光がない。その上の前髪はここ一週間毎日切ろう切ろうと思いつつ伸びっぱなしで、目に入って煩わしい。マスクを取ると、鼻筋を横切るようにあとがついており、ただでさえコンプレックスである低い鼻が強調されてしまっていた。頬は、ずっと表情を変えていないせいか少し垂れ下がっているように見える。

自分の顔を凝視しながら、長時間労働でパッパラパーの頭になった私はふととりとめのないことを思う。そういや自分24歳なんだっけ。なんか、やばいな。何がやばいのか自分でもよくわからないけどやばいな。

体感的には、19歳ぐらいのまま止まっている気がする。気づいたら大学を卒業していて、気づいたら、社会人になってから2年が過ぎようとしている。今も、こんなことを書いているうちに謎の焦りを感じてきた。


おそらく、過去に自分が頭の中で描いてきた24歳の私と今の私がかけ離れてるからだろう。
昔から私は本を読むこと、文章を書くことと音楽が大好きで、将来は自分の好きな文章か、音楽に関わる仕事に就いてるといいな〜と、学生の頃はぼんやりと思っていた。夢見がちな高校生。妄想はお手のものだった。

千葉にすんでるから東京のオフィスに通って、友達作って、休みの日はみんなで鎌倉かどっかの海沿いのカフェみたいなところでキッシュとかガレットを食べたい。ボサノバがかすかに流れる店内。そこで飛び交う、ウィットの効いた冗談。アペリティフを運んできたウェイターも、抑えきれずうっすらと口角を上げる。わたしたちの、上品でありかつほどよく抜け感のある、佇まい。センスがカンスト。たそがれ時、横顔に海風を纏わせながら、オシャレすぎるハイセンス女子会は続く…


-------------------------現実-------------------------
将来のこととか考えぬままなんとなく大学生活を過ごし就活へ。面接が苦手というか嫌すぎて適当に就活をしていた私は、なんとなく自分の知ってる大きな出版社をいくつか受け、落ちた。その後は、別になんでもよかったので、周りで受けている人が多かったのと、手に職つけられるという理由でIT業界を受けた。そして今(だめなSE)にいたる。
配属と同時に関東から名古屋に飛ばされて、休みの日は何したらいいかいまだにわからない(いや、ギター弾いたり色々趣味はあるけど…)。あと友達いない(人見知りの私にとって、びっくりするぐらい、社会人は友達つくるハードル高い)。一人暮らししてわかった。人は、1人では生きていけないんだ。独り身は辛いよ。

あと、世間が思う24歳のイメージと自分を比べているのも、焦る理由の一つかもしれない。
20代の半ばから、世間では結婚する人が増えてくる。私の周りでも、今年に入ってから友人が3人結婚した。
かたや恋愛が苦手な私は、マッチングアプリを入れてみては消してを2回ぐらい繰り返してよくわからなくなっている。そもそも、メッセージのやり取りがめんどくさいと思ってしまう(致命的)。あと顔写真のせるの怖い(致命的)。


恋愛のことはさておき、とりあえず今は前に進むため、転職サイトをちらちら見て今後のことを考えている。千葉にも帰りたいし、仕事も変えたい。
頑張れば、今の仕事を続けていくことはできなくもない。でもどうせなら、生活の大半を占める時間を、より自分の興味のある事に関わっていければもっといいじゃんと思う。やっぱり自分はどうしたって夢見がちだ。

どん底の気分になった時にいつも考える。私は私に、何を求めているんだろう。
そんな、考えなくてもいいようなめんどくさいことを考えては、勝手に落ち込んでいることが多い。心配事も絶えない。
その中でも揺るぎないことが1つある。落ち込んだ時、自分の好きな文章や音楽にいつも救われてきたということだ。

とりあえず、これだけは捨ててしまわないよう抱きしめながら、24歳を生きていきたい。
大人になることで手に入るものもあれば、気づかず捨ててしまうものもあるから。

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