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梨氏の【██の██に████の██を】を読み解こうの会

〇はじめに

 タイトルの通り、梨氏の【██の██に████の██を】を2024年8月7日の書籍発売前に可能な限り(書籍版でいうと第一章と第二章)読み解きます。

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 Amazonで予約注文ができます。私も予約させていただきました。


〇何が語られている?

 既に読んでいる方はご存知だと思いますが、【及原悠真の死】や【きれいな本】は何が真実なのか、どのような影響を及ぼしたのかが明確にされていません。これは作中で話されている通り、連想ゲームや「今にして思うと」という印象の後付けが行われ、まさに怪談や都市伝説のように尾びれが付き続けているからです。問題なのは意図的に噂を広めている人物が存在しているということです。

・タイトルの意味


最初<██の██に████の██を>(投稿日5月25日)、

最後<お前の死因にとびきりの恐怖を>(投稿日6月6日)

 投稿順は大まかに上記の通りです。これは原点の真実が時間を重ねるごとに不明瞭になっており、噂や怪談に変化していることを示していると思われます。私は初めて<██の██に████の██を>を見た時、黒塗りの下には何が書かれているだろうと考えていました。この考え方はまさに【及原悠真】の噂を語る人物達や【キレイな本の小説】の存在理由を考察する新聞部副部長高松と同じです。読者である私たちも不明瞭な部分に尾ひれを付けようとしているということでしょうか。

・この噂の原点、真実とは

 正直わかりません。確かなのは
①及原悠真を調査したと思われる【USBメモリ】の存在
②キレイな本に掲載?されていた【小説】の存在
②及原悠真やキレイな本に関わる【噂】の存在
④USBメモリの持ち主、キレイな本を発行した【噂を広めている人物】の存在(複数人の可能性あり)
の4つだけだと思います。
 及原悠真の死自体も噂である可能性もあります。原点に【小説】が存在し、それを元に噂が広まった、或いは逆に及原悠真は【小説】を読んだことで死んでしまったのでは、と様々なことが考えられますが、最も重要なのは④【噂を広めている人物】の存在でしょう。

〇『動機』何故噂を広めた?

※超常的な、例えば幽霊などが情報を広めている可能性もなくはないと思いますが、一先ず生きている人間が実行していると仮定。

 この話の軸にあるのは及原悠真の死です。噂を広めている人物は善意或いは悪意によって彼の死を風化させない、忘れさせないために行動していると思われます。

①『復讐』善意の場合 
 噂を広めている人物は及原悠真と関りがあった。彼の死には語られていない理由が存在し、ただの事件として風化させないために怪談として語り続かせている。

特にあいつの家の場合は、思うところも色々あるかもしれないし。

生前の噂②

すぐにその記事の連載をやめろって言われたんすよ。

お前の██に████の██を

 上記の発言から家(家族)や学校(教師)が自殺の動機だった可能性がある。彼を死に追いやった人物達への戒め、或いは呪いとして噂を残し続けている。

②『地縛霊』悪意の場合 
 噂を広めている人物は及原悠真を地縛霊として苦しませ続けるために情報を広めつづけている。

そういう幽霊って、死んだ後もずっと怖がり続けてるってことなんじゃないかって、最近思うようになったんです。

遺言音声フルの文字起こし

及原悠真は死後も恐怖から逃れられず、縛り付けられている。
 動機は単純な好奇心や研究のためか、彼個人への憎しみか。



〇おわりに

 私はモキュメンタリーホラーが大好きです。モキュメンタリーホラーに存在するのは読者を当事者にする、巻き込むという悪意にも似た意思です。
 この【██の██に████の██を】を含めた文章には忘れさせないという意思を感じるのです。

 以下の書籍には梨氏の作品が収録されています。今回の話にも通ずる部分があるのでお勧めです。


 私は善意で噂を広めたという可能性を考えた理由ですが、各タイトルの画像や書籍表紙の表紙がホラー小説にあるまじき爽やかさだったため、これは悪意や呪いではなく、何らかの友情や恋慕などが起因しているのではと感じたからです。
 及原悠真は高校2年の17歳で自殺したため、卒業できず青春の中で固定されてしまいました。

 この物語の先は8月7日に読み進めたいと思います。


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