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越境ECの売り上げを増やすためのポイント

海外展開の手始めに越境ECを始めても成果がなかなか出なかったり、思うように売れず伸び悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。 今回はそんな伸び悩みを解決する越境ECで売り上げを増やすためのポイントを解説していきます。 本記事では商品レビュー、企業サイト、インフルエンサーの活用し、海外消費者に有効にアプローチするポイントをご紹介しますのでぜひ参考にしてください。



商品レビューを充実させる

日本は世界から見ても品質が良く、ビジネス上安全な国という認識が強いです。それでも海外消費者からすれば知らない国の聞いたこともない商品を購入するということには勇気がいることも事実です。
ある越境ECの運営会社によると、海外で売れている商品の多くが日本でも認知されている商品だと言います。同社は越境ECに取り組むにあたり、日本のAmazonで販売しているカスタマーレビューで星の多い(評価が高い)商品と少ない商品をさまざまな商品カテゴリーから約1万点選んでサイトに掲載しました。
注文履歴や閲覧数の多いページを調査したところ、レビュー数が多く、かつ星の数が多い商品ほど閲覧数も注文数も多くなるという結果を得ました。そのため、海外の消費者に商品を買ってもらうためには、信頼を得て、買いたくなる環境を整えることが大事だと気づいたと言います。
そこで有効なのが商品レビューです。Amazonや楽天市場といったようなECを利用したことがあるユーザーならば商品レビューを参考にしたことはあるのではないでしょうか。
ではどのようにレビューを増やしていくのかを解説していきます。 まずは日本のECプラットフォームで購入者を増やし、商品レビューの数が増えたら、グーグル翻訳やディープル翻訳などで翻訳して自社サイトに出所を明記して掲載してください。企業によってはECプラットフォームのレビュー部分のスクリーンショットを掲載したり、そのレビューへのリンクを貼ったりするケースもあるようです。
併せて、しっかりとSEO(検索エンジン最適化)対策を行って、グーグルなどの検索結果に英語で商品レビューと星を表示されるようにしてください。グーグル検索では、レビュー付きの検索結果はレビューなしと比べてクリック率が約2倍になると言われています。海外のユーザーは商品が気に入れば写真付きで商品レビューを書いてくれることもあるため、それを自社のSNSで発信することも信頼度を高めるためには有効な手段となります。
また、海外向けの自社サイトや海外のECプラットフォームで星の多い商品レビューを獲得するためには“日本らしさ”を出すのもひとつのコツです。例えば、梱包については、日本では“外箱も商品”と考える企業が多く相応のコストをかけ、通販で買った商品が雑に梱包されてくることはまずありません。これに対し、海外では“外箱は何でもいいから早く届けて”という風潮があります。もちろん、他社より迅速に届けるサービスは大事ですが、日本の企業らしい梱包や包装、手紙、おまけなど、海外の消費者が日本のおもてなしを感じることができるサービスは支持されやすく、高評価レビューの獲得やリピート購入につながる可能性が高くなります。

企業サイトの活用

日本の消費者が海外のECサイトで買い物をする際、どんな企業なのかを気にするのと同じで、海外のECサイト利用者も購入先企業のことを調べます。
海外で知名度がない企業は、自社の信頼度を高めることで海外ユーザーの不安を払拭することにつながります。 「サーチコンソール」という、グーグルが無料で提供しているウェブサイトの検索パフォーマンスが確認できるツールで調べると、ある程度、越境ECで売り上げのある企業は、海外でも社名検索結果が上位にくる傾向があることがわかります。
Facebookの企業情報も充実させた方が良いと言います。消費者保護の法制度などが十分に整っていない国もありますので、海外の消費者は購入しようとしているサイトが安全か、運営企業に問題がないかなどをチェックできるサイトを利用するようです。
旅行のレビューサイトや求人サイトなどで事前に口コミを調べるような感覚で、海外の消費者はそうしたサイトを訪れて他の消費者の情報を得ています。越境ECの売り上げが増えてくると、大手企業はともかく中小企業やブランドでは「社名+Facebook」や「社名+Legit(合法)」などで検索されることが多くなります。
これは、企業の信頼度をFacebookページや「Legit.com」などの口コミサイトでチェックするためで、世界的にも同じ傾向にあるため、商品レビューと企業レビューの両方に気を配る必要があるのです。
加えて、会社のコーポレートサイトも英語版を作った方が良いでしょう。採用情報などを通じて社内の様子を発信するほか、権威のある賞の受賞歴などもあれば掲載しましょう。越境ECでは商品を体験する場が基本的にはないため、レビューを集めたり、会社情報を発信したりすることが消費者の信頼を得るための有効な対策になります

インフルエンサーの活用

国内でも同様ですが、商品レビューを獲得するひとつの有効な手段にインフルエンサーの活用があります。とくに東南アジアでは日本以上にソーシャルメディア(SNS)が積極的に消費者に利用されています。
日本人の場合、例えば、TwitterとInstagramとFacebookのアカウントを持っているなど複数のSNSのアカウント保有数が平均3.4アカウントに対して、インドネシアやタイの人々は10.1、フィリピンは9.9、マレーシアは9.7アカウントのSNSを利用しています。
また、SNSを利用する1日あたりの平均時間も日本は45分程度であるのに対して、フィリピンの3時間53分を筆頭にインドネシアは3時間26分、タイは2時間55分と非常に多くなっています(出展:Globai Digital Report 2019 We Are Social)。利用率が高く、使用時間も長い東南アジアのSNSで影響力の高いインフルエンサーは消費者への影響力もまた強いというわけです。  
そうしたインフルエンサーに自身のSNS内で当該商品を使用してもらったり、評価をしてもらったりすることで、認知度は大きく高まり、多くのレビューや売り上げを獲得できることになるでしょう。
偶然、インフルエンサーの目にとまるという幸運も時にはあると思いますが、戦略的に活用していくにはインフルエンサーに広告料金を支払ってSNS内で取りあげてもらうインフルエンサーマーケティングの活用も有効な手段の1つかもしれません。
とは言え、現地で有名なインフルエンサーにSNS上で商品の宣伝を頼めば、すぐに商品の認知が高まり、モノが売れ、レビューが集まってくるというわけにはいきません。  
実施する国々や商品のジャンル、認知を高めたい層、目的などを考えて、SNSの種類や起用すべきインフルエンサーを考えないと思うような効果が得られないことにもなりかねませんので注意が必要です。現地事業者のほか、日本でも越境EC事業者が海外でインフルエンサーを活用したPR策、マーケティング策の実施を支援している事業者も複数あります。
広告費はインフルエンサーごと、案件ごとなどで異なってくるため、必ずしも中小事業者が手軽に活用できる手法ではない場合もありますが、中小企業向けに、越境ECを支援する補助金事業が支援機関や自治体にて、適宜行われており、タイミングや該当するものがあれば応募してみてはいかがでしょうか。越境ECに取り組んでいるが、伸び悩んでいる事業者は現地の消費者からの関心や信頼を高め、売り上げの拡大に向けた施策の1つとしてインフルエンサーの活用を考えてみてもよいかもしれません。

まとめ

今回は越境ECを始めてみたものの、思うように成果が出ず伸び悩んでいる企業向けにその解決策となるポイントをご紹介しました。 どんなに高品質で高機能な商品であっても、消費者の信頼を得ることができなければ全く意味がありません。自分に置き換えてみたとき、海外の企業から何かを購入しようとするときに躊躇してしまうようなことはないでしょうか。それと同じように越境ECでも相手の消費者の信頼を得られなければどんなに良い商品でも売れることはありません。 越境ECサイトの売り上げで伸び悩んでいる企業は、今回解説したポイントのようにまずは消費者の信頼を強くするための施策を実行してみてはいかがでしょうか。


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