ひめゆりたちの日常を記録した本が話題です。
「ひめゆり学徒隊」として沖縄戦に動員されたことで知られる沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校。
通称「ひめゆり学園」。
1916年に、学園の寄宿舎が落成してから、1945年3月22日、最後の留送別会がおこなわれるまでの出来事を記録した一冊が話題になっています。
やがて悲惨な戦争に巻き込まれていく「ひめゆりたち」の青春の日々。
https://borderink.com/?pid=160059596
著者による「あとがき」から一部引用します。
寄宿舎の話になると、ひときわ華やいだ。
楽しかった、という。
その笑顔に、まわりがうなずく、
どうしてそんなに楽しかったのだろう。
一九四五年三月二三日夜半、寄宿舎から、南風原陸軍病院へ。
五月下旬、学友を壕に残して南部に。
六月一八日、解散命令。
以後、日にちの記憶が定かではない。
岩とアダン林、
とりまくアメリカ兵、
バラセンの囲い、
肉親との再会。
言葉にする前に、
涙があふれてくることばかり。
聞いていて思う。
寄宿舎の話が、華やぐのは、
寄宿舎を出たあとの日々が、
あまりにもつらかったからではないかと。
「寄宿舎についての「ひめゆり学徒」たちの話を聞きながら、彼女たちにも青春の楽しい思い出があったことを嬉しく思った。寄宿舎を取り上げた、大きな理由である。
ひめゆりたちの姿が、少しでも伝わってくれたらと思う。」(本書「あとがき」より)