パルプ・ハザード!!
俺が投稿ボタンをクリックした瞬間、背後で轟音! 驚いて振り返った俺はさらに驚いた!
「ゲホゲホ…… 畜生、なんだここは?」
部屋に詰め込んだ趣味の本やフィギュアが大地震の直後めいて散乱している。埃が舞う中、ヨロヨロと起き上がって不審げに辺りを見回す女。
誰だ? なんて思わなかった。俺は彼女を知っていた。その姿を肉眼で見るのは初めてだが、俺の頭の中には彼女の全ての情報が入っていた。だって彼女は。
「誰だ、てめぇ」
凄腕賞金稼ぎ、人呼んで“紅蓮のエスメラルダ”。俺が冒頭400文字だけ書いて続きを執筆する気なんて更々無かった小説の主人公は、聖なる銀釘ショットガン(ポンプアクション)をこちらに向けていた。
その時、表で悲鳴や轟音! サイレンも!
彼女はこちらを警戒しながら部屋を飛び出し、俺も慌てて後を追う。街は凄惨な光景と化していた!
溢れかえるゾンビ、クリーチャー、エイリアン、ロボット、ヒーロー、魔法少女、力士、力士!
【パルプが世界を覆い尽くしてゆく……】