見出し画像

2024年度顕彰馬はついにあの馬が!!!

6月4日、2024年度の顕彰馬選定記者投票が行われ、キングカメハメハが81.3%、コントレイルが86.4%の得票率で史上36、36頭目の顕彰馬に選定されました。いやぁぁぁぁ~~~・・・・・・長かった。

ホントにねぇ、10年前に選ばれてなきゃいけない馬なのよキンカメはさ。言っちゃ悪いけど、ここ10年でキンカメに一度も投票していない記者は、一人残らず記者投票を辞退しろって思いますよ。それくらい顕彰馬の意味が分かってない記者が多すぎます。ダビスタじゃねぇんだぞ。ったく。


※顕彰馬制度については過去にこんな記事を書いておりますので、お時間ご都合よろしい方は是非ご一読頂けたらと思います。

さて、今年も恒例のこの言葉から始めましょう。

コレ意味あんの?


・愚かな他人任せの顕彰馬制度

上記の記事をご覧になった方はお分かりいただけると思いますが、毎年同じようなことを書いています。代わり映えしないなぁと思うものの、それは逆から見れば顕彰馬制度がなんら改善されていないという事にもなるのです。


毎年のように言っていますが、私の主張は

①JRAの関与を拡大
②外部(記者)に限定した投票の廃止


この2点ですね。私は何度でも繰り返しますよ、外部任せは良くない。顕彰馬制度は『中央競馬の発展に多大な貢献のあった競走馬の功績を讃え、後世まで顕彰していくこと』を目的とした制度です。

顕彰馬選考委員会の時代は内部の会議で選定しており、しっかりと議論をして顕彰馬を選定していこうという気概が感じられましたが、一方でダイナナホウシユウの悲劇のような形もあり、外部の意見が反映される事は難しかったです。

そこで選定方法を現在の記者投票に変更したわけですが、こちらはこちらで外部の意見が強すぎて人気投票のような形になってしまい、顕彰馬として讃えられるべき馬がスポイルされてしまう点が大きな問題となっています。過去の投票結果を見ても、ストレイトガール、ディープブリランテ、ファインニードル、アエロリットなどに投票が入っている時点で記者の浅薄さと言いますか、底が浅いと言いますか、そういう部分が見て取れるわけです。

そうした人気投票になってしまう原因は、競走成績の比重が非常に重く、繁殖成績なんてあってないようなものとして扱われている点です。ホントに記者は競馬を何だと思っているのでしょうか。

他の記事でも散々書いてますが、競馬とは《同じ条件で繰り返し行われてきたレースに自然と歴史・文化・伝統が備わり、それが重賞という格に繋がって、その最高峰であるGⅠを勝つ事を目的》としたスポーツです。その目的のために《速い競走馬の血を残す》という手段を取っているわけですね。

という事は、『中央競馬の発展に多大な貢献のあった競走馬の功績を讃え、後世まで顕彰していく』ためには、競走成績だけではなく、繁殖成績も評価しなければいけません。

にも関わらず、これまで繫殖成績で殿堂入りした競走馬が何頭いたでしょうか。顕彰馬を含む8頭の産駒で八大競走11勝を挙げたクモハタ、年度代表馬2頭を産んだ2冠馬のトキツカゼ、1950~60年にかけて7頭の産駒が八大競走を制したトサミドリくらいじゃないでしょうか。この3頭は顕彰馬制度が始まった最初の年に選定されており、それ以来、40年近くも繫殖成績で顕彰馬に選定された競走馬が居なかったわけです。記者投票に変わってから一頭も選ばれていない事が、すでに記者の愚かさを表しているのではないでしょうか。



・キンカメの選定で記者投票が変わるか

そんな記者たちが今年度に選定した競走馬の一頭がキングカメハメハです。ご存知のとおり、同馬はNHKマイルと日本ダービーの変則2冠馬であり、怪我による引退でGⅠは2つしか勝っていませんが、サンデーサイレンスの衰勢とディープの隆盛の狭間でリーディングサイアーを2度獲得した名馬です。産駒のGⅠ勝利数は16頭で31勝(海外3勝、国際GⅠの東京大賞典を含む)と、顕彰馬非選定馬の中ではトップの成績を収めています。

キンカメは2019年に亡くなっているのですが、これだけの馬が長年、顕彰馬を逃していたという事実で、記者投票の愚かさが分かると思います。各年の結果は、押さえているだけでも

2017年度  11/207票 得票率 5.3% GⅠ 11頭25勝
2018年度  14/190票 得票率 7.4% 
2019年度  20/193票 得票率10.4% GⅠ 12頭27勝
2020年度  80/196票 得票率40.8%
2021年度 141/203票 得票率69.5% GⅠ 13頭28勝
2022年度 144/202票 得票率71.3% 
2023年度 136/207票 得票率65.7% GⅠ 15頭30勝
==================================
2024年度 143/176票 得票率81.3% GⅠ 16頭31勝


ですからね。2018年度に産駒のロードカナロアが顕彰馬に選定され、昨年の2023年には孫のパンサラッサがサウジCとドバイターフを制し、モアイが顕彰馬に選定されるなどの好印象の成績があったにせよ、産駒のGⅠ馬が10頭以上、GⅠ勝利数は20勝以上、かつ海外GⅠも制しているのに得票数5.3%とか異常としか思えませんね。ロードカナロアやモアイ、パンサラッサの活躍が無ければ、見向きもされないということでしょうか。

今年選定したからいいだろう、という話じゃありませんよ。競馬というもの自体をギャンブルの一種とし、スポーツとして見ていない事が露呈しているわけです。だって野球やサッカーで言えば、野球の殿堂、サッカーの殿堂において、選手しか選ばず、監督やその他関係者は一切選ばないようなもんですからね。個人的には、恥を知るべきだと強く思います。

一方、今回キンカメが入ったことで、繫殖成績でも顕彰馬に選ばれることが確定し、その基準も明確になりました。少なくともキンカメが積み上げた成績(GⅠ馬16頭、GⅠ勝利数31勝)を超えれば十分、顕彰馬の資格があるということですし、それに近い、あるいはそれを超える成績を残しているのであれば、選定される可能性は高いと推測できます。

もし、そうした馬の得票率が10%未満とかであれば、はっきり言って記者投票なんてやめればいいのです。そんな愚かな記者の投票なんて何の価値もありませんからね。今回のキンカメだって得票数は前3年間とほぼ変わっていませんが、投票者数が前年から30名も減少したからこそ得票率が上がって選定されたのです。まさに愚かな記者を減らしたために、正しく評価されたケースと言えるでしょう。まぁここまで減れば昨年の136票でも通りますから、JRAが狙ったのかとも邪推できますが・・・


さて今後、繫殖成績で選ばれる可能性がある競走馬は、

・ハーツクライ  GⅠ馬10頭、GⅠ勝利数18勝 あと 3回
・ダイワメジャー GⅠ馬 8頭、GⅠ勝利数11勝 あと 4回
・エピファネイア GⅠ馬 6頭、GⅠ勝利数10勝 あと12回
・ドゥラメンテ  GⅠ馬 6頭、GⅠ勝利数12勝 あと13回

辺りでしょうか。産駒が、GⅠ馬10頭以上、GⅠ勝利数は20勝以上なら繫殖成績は十分にあるでしょう。キンカメがイケるならハーツやダメジャーも十分可能性はあると思いませんか。

また、JRAは過去に50・60周年に事業の一環として選定対象期間を経過(登録抹消から21年以上)した競走馬も選定対象となった事もありましたし、今後同じようなケースがある可能性もあります。その場合は、ステイゴールド(GⅠ馬10頭、GⅠ勝利数25勝)が選ばれるべきでしょう。



・顕彰馬選定方法(改善案)

上記の過去記事でも述べたように、私は改善案をたくさん出した上で議論していくことが重要だと思います。私の考える改善案は、過去記事の焼きまわしになってしまいますが、以下のとおりです。

選定基準
1.競走成績が特に優秀(おおむねGⅠ6勝)
2.競走成績が優秀であって、繁殖成績が特に優秀
 ※競走成績がGⅠ3勝以上
  繁殖成績がGⅠ馬を5頭以上輩出し、かつ計10勝以上(種牡馬)
       GⅠ馬を3頭以上輩出し、かつ計5勝以上(繁殖牝馬)
3.中央競馬の発展に特に貢献があったと認められる馬
※GⅠは国際GⅠに限定


◆選定方法
1.前述の選定基準に基づき、競走成績、繫殖成績に分けた上でファン投票等を実施
2.上記1.において一定数以上の得票数を取った競走馬の中からJRAが選定対象馬に選出
3.(リーディング上位等)一定の成績を残したJRA関係者、およびそれと同数の競馬報道関係者の投票を実施し、総投票者の75%以上の得票を得た競走馬を選出


この方法であれば、現在のようにファンの意思が反映されない記者投票にはなりませんし、JRAおよびJRA関係者(騎手、調教師)が選定に関与するので外部任せにもならず、競走成績、繫殖成績のそれぞれで選定対象馬を選ぶことで競走成績偏重が無くなります。

副次効果として《GⅠは国際GⅠに限定》することで、地方GⅠなどの国際GⅠもどきを排除して国際グレードの価値を再認識できますし、一定の成績を残すために関係者が目標として切磋琢磨してくれたら儲けもんです。ただ、デビューして間もない若手騎手が投票するのも色々と問題なんで、免許取得後3年を経過後などの条件は必要かなぁ。


・(忘れてた)コントレイル選定の謎

上記の基準で言うならコントレイルは対象外なんですが、確かに無敗の三冠馬ってのは価値があるものの、2歳GⅠを含めてGⅠ5勝は物足りないですよね。繫殖成績もまだですし、現時点で確定的に通るほどの馬ではないと個人的には思います。だって同じ4歳で引退したイクイノックスの衝撃と比べたら、いくら無敗の三冠馬と言っても、どうしたって見劣りしますよ。海外GⅠが無いのは時期的に仕方ないにせよ、古馬混合GⅠを一つだけじゃどう頑張ったって現時点で顕彰馬にするのは無理ではないでしょうか。

矢作先生は「昨年はまさかの選出漏れ」とか言ってますけど、投票者数が減っていなければ通ってない可能性が高いですし、愚かな記者を減らしても、それ以上に愚かな記者が多ければこういう事になるのかな・・・という印象を受けますし、福永・矢作ヨイショのように見えますね私には。産駒デビューまで待っても良かったんじゃないかなぁ。


・オジュウチョウサンの行く末

あと、今年から選定対象となった障害界の絶対王者オジュウチョウサンですが、今年は得票率58.0%で落選となりました。J・GⅠ9勝だけではなく、平場に挑戦し、有馬記念ではダービー馬に先着している話題性もあります。障害馬はグランドマーチス以来、1頭も選ばれていませんし、オジュウチョウサンが選ばれなかったらもう2度と障害馬が顕彰馬になることはないでしょう。

それくらいの競走馬でしたが、記者はキンカメとコントレイルばかりに目が行って、オジュウチョウサンのこと忘れてたんじゃないですかね。どう考えても選定された2頭以外なら、オジュウチョウサンとハーツ、ダメジャーくらいしか居ませんし、繫殖成績嫌いの記者ばかりだと考えれば、オジュウチョウサンの特異性からして一発通過は間違いないのですが・・・愚かな記者たちだなぁ。


・まとめ

今年も色々と書き殴ってきましたが、やっぱり色々と違和感のある顕彰馬制度ですね。2022年度の顕彰馬選定で、JRAの木村常務理事は

「記者個人の投票内容を非公表としたのは、投票者が自らの考えにしたがって安心して投票してもらうことを念頭に置いてのもの。JRAでは非公表であることが〝責任感のなさ〟に直結するものとは考えていない」

「選定対象馬が分かりづらいという声が数多く出ているならば、より分かりやすい資料にしていきたい。いずれにせよ顕彰馬制度発足から38年間、さまざまなご意見を考慮しながら改善を重ねて現在の形になった。時代の変化を踏まえながら、今後より良い選定方法は何か?の視点を持って適切に対応していきたい」

とコメントしておりましたが、今年でもう40年ですよ。もう少し最大顧客のファンの意見が反映される選定方法にならないもんですかね。前理事長時代から変えなくてもいいような所をガンガン変えてきたくせに、こういう所は人任せって外聞が良くありません。

文明の利器もありますし、癒着が疑われる川田君に意見を貰ったらどうですか?騎手会関東支部副支部長の彼ならきっと競馬界のために何かしらの提言をしてくれると思いますよ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?