日本盆栽大観展
こんにちは。ぼーんぐんです。
この時期らしい気持ちの良い日が続いていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
私は昨日「京都市勧業館」で開催されている「日本盆栽大観展」に行ってまいりました。2年ぶりとあってルンルンの足取りです。
会場となるのは京都市勧業館(通称:みやこめっせ)。平安建都1200年記念事業の一つとして建設された京都府最大の展示場です。
最寄りとなる「京阪三条駅」から鴨川沿いを北上し、二条通を東にすすめば到着します。私の足で15分ほどですね。
途中、鴨川や琵琶湖疎水沿いの紅葉した街路樹に目をやりながら、のんびりとお散歩気分です。
会場につきますと入り口でチケットをもぎられ早速中へ入ります。
独特の盆栽の世界へ扉が開かれます。
出迎えてくれたのは、最優秀作品に贈られる「内閣総理大臣賞」に輝いた樹です。
非常に古い樹歴を有する樹と伝えられ、幹肌に見られる時代感が素晴らしいですね。絶妙の枝配置の妙とあいまって品の良さが伝わってきます。
会場での進み具合は、私は場の流れに任せるようにしています。
樹に見とれ立ち止まる方や、手持ちカメラで撮影される方、展示の関係者から詳しく解説をうけている方もおられます。
諸先輩方の鑑賞の邪魔にならないように、順に進んでまいります。
樹齢何百年と言われている盆栽がほとんどですので、どれも樹筋の素晴らしさはいうまでもありません。そして、その樹筋にふさわしい枝葉に仕上げられていることに感嘆いたします。
「枝の先まで神経が行き届いているね」
細かな剪定、細かな枝捌き、一つ一つに隙などありません。
役枝それぞれにふさわしいボリュームをもたせ、出入りをつけた棚割りが見事です。
「ふー」
ひと鉢鑑賞するだけでため息がもれます。
しかし人間はふしぎなもので徐々に慣れが出てくるのです。初めの樹ではあれほど熱心に見とれていたのに、徐々にペースが上がります。
次は雑木類、そして添えの盆栽にも目が行きます。
添えは季節の花が楽しめる草物や水石にして、季節感を演出します。盆栽の下には地板を敷きます。
掛け軸は盆栽と調和したものを選び、作品全体に広がる雄大な景色を作りだします。
今回は面白い「カメの石」を発見しました。
以前「カニの作り物」を見たことはあったのですが。「カメの石」は初めてです。しかもよく見るとその足元。前に進もうとするカメの表情を見事に木で彫りこんでいるのです。
「こりゃ面白いな。やってみたい」
この石をカメに見立てる想像力も楽しいですし、石に合わせた工作も面白そうです。
後半、一息つこうと会場内の食事処を探したのですが、どうやら今年はないようです。すっかり「うどん」の口になっていたのですが残念でした。
盆栽の「即売コーナ」では名物の「つぶやきおじさん」が健在でした。
「あぁー、ほらここに値札書いたんだけど、手が届かなくて面倒だから貼ってないよ。気に入った盆栽があったら聞いて」
「俺のおやじは松やって昔は賞をとってたんだよ、でもさ、俺は習ってないから雑木の販売しかやんないの。どうだい?このコナラ盆栽いいでしょ」
このおじさんの話を聞くのが好きでいつも立ち寄ってます。
***
今回の「日本盆栽大観展」。私が到着したのが午後2時頃なので仕方ありませんが、例年より人出は少なめですね。
特に毎回、即売コーナーは活気があって、隅には袋を手にした諸先輩方がずらりと戦利品を見せ合っている姿が印象的だったんですが、今回に限っては皆無でした。
店の数も、ずいぶん減ったのではないでしょうか。
私のお気に入りのお店も2店舗ほど見かけません。景気のせいでしょうか、代替わりなのでしょうか。残念な事です。
唯一元気だったのはミニミニ盆栽の店舗だけです。女性客を中心に大盛り上がりです。
樹齢数百年の「ザ、盆栽」から、時代は「ミニミニ盆栽」です。形は変わろうとも植物を愛する気持ちは同じです。
次は来年。小品盆栽「第47回雅風展」ですね。
さあ、みなさんも盆栽の世界をのぞいてみませんか。きっと新しい発見がありますよ。
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