見出し画像

今週の全米アルバムチャート事情 #129- 2022/4/30付

オリックス佐々木投手の快進撃は17イニングで取り敢えず一旦終わったようですが、今シーズン日本のプロ野球でも楽しみが増えて何より。一方MLBの方は、投手大谷は好調ですが打者大谷に当たりが止まっているのが気がかり。一方MLBルーキーイヤーのカブス鈴木誠也選手の快進撃がすごいですね。このまま好調を維持してほしいもの。相変わらずウクライナ情勢など気のふさぐ状況もありますが、気候も日々よくなってきている今日この頃、是非いい音楽でポジティブに行きたいものです。

さて今週の全米アルバムチャート、4月30日付のBillboard 200の1位ですが、速報を聞いて思わずビックリ。何と先週圏外120位にいた、タイラー・ザ・クリエイターの『Call Me If You Get Lost』が昨年7月10日付チャートでの初登場1位以来、9ヶ月ぶりに1位に返り咲いてます。ここのところチャート全体のポイント水準が低位安定なのが幸いして、59,000ポイントという1位にしては結構低めのポイントながら、先週初めてヴァイナルがリリースされたことによる売上急増で一気に今週1位に返り咲いたと言うことのようです(当初リリース時はCDとデジタル・ストリーミングのみ)。このアルバムの今週の実売は51,000枚で、うちヴァイナルが49,500枚の売上ということで多くのヒップホップ・ファンがこのヴァイナル・リリースを待ちに待っていたことがわかります(自分もオーダーしましたw)。

この49,500枚売上というのは、1991年にルミネート社(元ニールセン社のMRCデータ社が先月またまた社名変更w)がアルバム売上をトラックし始めてから史上9番目に大きな週間売上で、男性ソロ、およびヒップホップアルバムとしては1991年以降最大の売上らしいです(1991年以降最大のヴァイナル売上は、昨年11月のテイラーの『Red (Taylor’s Version)』の114,000枚)。この間のグラミーでも最優秀ラップ・アルバムを堂々獲得のこのアルバム、やはり2021年を代表するヒップホップ・アルバムってことでしょうね。うちの子供達、特にヒップホップ・ヘッズでない娘もこのアルバム、結構気に入ってたみたいですし。あと、今回の120位→1位のジャンプアップは、歴代7位の記録のようです。歴代1位はノトーリアスB.I.G.の『Life After Death』の176位→1位(1997年4月12日付チャート)でした。

"The Highlights" by the Weeknd

今週のトップ10、実は初登場が皆無でして、先週1位に予想してたジュエルなんて200位にも入らずという大外し(恥)。スウェディッシュ・ハウス・マフィアも121位と全然ダメダメ予想でした。代わりに目立った動きとしては、圏外60位から8位に再上昇してきたザ・ウィークンドのベスト盤『The Highlights』。もちろん先々週末のコーチェラ2022でのパフォーマンスでストリーミングが増えたというのがあるんでしょうが、これはこのベスト盤と、現在の所最新作の『After Hours』の両方に収録されている楽曲が4曲あり、それらのストリーミング・ポイントがその週に売上の高い方に加算されるという、ザ・ウィークンド独自の事情もあってのこと。先週その4曲のストリーミング・ポイントは1,000枚強を売っていた『After Hours』に加算されて(『The Highlights』は1,000枚弱の売上)『After Hours』が200位圏外から35位に再登場してたんですが、今週はその売上が逆になったのでこの4曲のストリーミング・ポイントが『The Highlights』に加算されて27,000ポイントでこういうチャートアクションになったというわけ。前も言ったけど、ここまで複雑なポイント計算するんだったら、両方でポイント割ったらいいのに、と思ってしまいます。

あともう一つ目に付く動きは、全体のポイント水準低位の中でリル・ベイビーの『My Turn』がチャートイン112週目にして、昨年4月3日付チャート以来、1年ぶりにトップ10に復帰してること。うーんしかしこういうチャートアクションよりも、そろそろ強力な新譜たちにトップ10を賑わして新陳代謝を活発化させてほしいもんですね。

"Moving Pictures (40th Anniversary Edition" by Rush

さて初登場が皆無だったのはトップ10だけでなく、今週は圏外11位以下100位までも初登場はゼロ。この「100位内初登場ゼロ」というのは、調べてみたら昨年2021年1月16日付、テイラーの『Evermore』が通算3週目の1位に返り咲いていた週以来、1年3ヶ月ぶりのことでした。その週は190位にギヴィオンのEPが初登場していたのが唯一の200位内の初登場でしたので、101位〜200位に4枚初登場している今週はまだマシということですが、それにしても全体的にチャートに活気が感じられない今週。そんな中で初登場ではないんですが、勢いよく11位に再登場してきたのが、何とラッシュの1981年のハードロックの名盤『Moving Pictures』。何で今頃?というのも、ちょうど今回の集計期間初日の4/15に、このアルバムのリリース40周年記念ということで、2015年のリマスター音源に未発表ライブ音源を加えた特別記念エディションがジャケも新装の上リリースされ、それがかなりの売上を記録したことによる再登場のようです(アルバム・セールス・チャートでも、タイラーに次ぐ今週2位)。『Moving Pictures』といえば、ラッシュの代表曲でもある「Tom Sawyer」(1981年最高位44位)「Limelight」(同55位)などを含む問答無用の定番なだけに、この記念盤に飛びついたクラシック・ロック・ファンは多かったことでしょう。


"Moving Pictures (Original)" by Rush

ということで、ここらでいつものトップ10おさらいです。今週はチャート全体のポイント水準が低めでかつ沈滞状態なので、上記で触れたリル・ベイビーだけでなく、ガンナの『DS4EVER』なんかもトップ10に復帰してますね(順位、先週順位、週数、タイトル、アーティスト、<総ポイント数/アルバム実売枚数、*はHits Daily Double調べ>)。

*1 (120) (37) Call Me If You Get Lost ● - Tyler, The Creator <59,000 pt/51,000枚>
*2 (2) (67) Dangerous: The Double Album ▲2 - Morgan Wallen <50,500 pt/1,458枚*>
3 (1) (6) 7220 - Lil Durk <43,000 pt/114枚*>
4 (3) (21) Encanto ▲ - Soundtrack <40,000 pt/5,003枚*>
5 (5) (48) Sour ▲3 - Olivia Rodrigo <36,000 pt/7,039枚*>
6 (6) (33) Certified Lover Boy - Drake <30,000 pt/63枚*>
*7 (8) (43) Planet Her - Doja Cat <29,500 pt/554枚*>
*8 (60) (62) The Highlights - The Weeknd <27,000 pt/961枚*>
9 (12) (15) DS4EVER - Gunna <23,500 pt/16枚*>
10 (13) (112) My Turn ▲4 - Lil Baby <21,000 pt/53枚*>

ということで今週の「全米アルバムチャート事情!」いかがでしたか。最後にいつもの来週の1位予想。最近外すことが多いんですが(笑)来週のチャートの集計対象期間は4/22-28。トップ10入って来そうなのは、カントリーのジェイソン・オルディーンのジョージア州2部作の後編アルバム、既に先行シングルがメインストリーム・ロック・チャートで1位独走中のハードロックのシャインダウンの新譜あたりですが、やはりヒップホップが強かろう、ということでカニエ舎弟のプッシャTの新譜が来るんじゃないでしょうか。何とか5万ポイント以上は叩き出して、モーガン・ウォレンの1位復活だけは阻止して欲しいものです。先週の予想大外しも挽回したいですねえ。ではまた来週。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?