今週の全米No.1アルバム事情 #40 - 2020/8/15付

お盆ウィークの今週は、いきなり連日猛暑が続いたかと思うと突然ゲリラ豪雨が各所を襲うという、完全亜熱帯気候の一週間となってます。行政の具体的な感染拡大防止策も打ち出されない中、相変わらず各所でクラスター発生のニュースが続いていますが、やはり我々一人一人が必要な行動をするしかない、ということに尽きるようです。

さて今週末のBillboard 200、先週の予想通り、先週爆発的なポイントを稼いで1位初登場したテイラーの『folklore』が先週から84％ポイント減の135,000ポイント（実売30,000枚）ながら2位以下に大きく差を付けて今週2週目の1位をキープ。先週もお伝えした通り、発売初週に限って、8種類のジャケ違い・収録写真違いのデラックス・バージョンCDとレコードが限定リリースされたようで、そちらの売上の影響も少なからずポイント減を下支えしたことは間違いなさそうです。

そして、来週末のチャートの集計期間（8/7〜13）の初日に正式フィジカルCDがリリースされてますので、この期間にめぼしい対抗馬がないとすると（最後に検証します）テイラーの3週連続1位もかなりの信憑性が出てくるということになります。何しろ今回音楽系メディアの評価がかなり高いので、来年頭のグラミー賞戦線も含めて、今年の代表的アルバムというポジションを確保しそうですね。

さて今週はトップ10内初登場のない週だったんですが（再登場はあり、この後触れます）、ダベイビーの『Blame It On Baby』が、またまたヒップホップ・マーケティングの最近の常套手段でデラックス・バージョンをリリースしたんで、先週11位から6位に再登場してます（43,000ポイント、対先週47％アップ）。そしてそういうギミックなしで先週の10位→7位にアップしたのはハリー・スタイルズの『Fine Line』（39,000ポイント、対先週26％アップ）。折しも最新シングルの「Watermelon Sugar」が今週晴れて彼に取って初のHot 100ナンバーワンに躍り出てますね。やっぱりアルバム全体もそうだし、この曲もかなりいい出来のポップ作品なので売れるべくして売れている、というところでしょうか。

そして今週200位圏外から10位に対先週比1,462％アップという凄い勢いで再登場してきたのは、ビヨンセ他の『The Lion King: The Gift』（27,000ポイント）。こちらは7/31に3曲追加されたデラックスバージョンがリリースされたのと、同日にディズニー＋（ディズニー版Hulu的なサブスク・ビデオ・ストリーミング・サービス）で、このアルバムの曲をベースにしてアフリカを題材にしたビヨンセのビジュアル・アルバム『Black Is King』がプレミア公開されたのが大きなブースターになってここまでアルバムをチャートに戻してきました。以前ビヨンセは『Lemonade』のリリースに合わせて同様のビジュアル・アルバムをリリースしていて、あの時の映像もレベル高かったし、音楽・映画メディアが軒並み絶賛してるので、今回の『Black Is King』も見たいんですが、今のところ日本盤ディズニー＋にサインアップしないと見れないようで、ちょっと悩み中です。取り敢えずYouTubeとかで見れるPVだけ見ても映画作品としてのクオリティの高さは垣間見れますが、そこに書き込まれているアフリカの人達の否定的なコメントを見るとちょっと複雑な気がしますねえ。いずれにしてもYouTubeで見れるものは見ておこうと思いますが。

ということで今週のトップ10のおさらいです。テイラーまだゴールド印付いてないですね（順位、先週順位、週数、タイトル、アーティスト）。RE=Re-entry

1 (1) (2) folklore - Taylor Swift
2 (4) (5) Shoot For The Stars, Aim For The Moon - Pop Smoke
3 (3) (4) Legends Never Die - Juice WRLD
4 (5) (254) Hamilton: An American Musical - Original Broadway Cast ▲6
5 (7) (23) My Turn - Lil Baby ▲
*6 (11) (16) Blame It On Baby - DaBaby
*7 (10) (34) Fine Line - Harry Styles ▲
8 (6) (11) Wunna - Gunna
9 (9) (48) Hollywood’s Bleeding - Post Malone
*10 (RE) (8) The Lion King: The Gift (Soundtrack) - Beyonce & Various Artists

さて、来週の1位予想ですが、リリース対象期間の8/7-13のラインアップ、やはり大きな対抗馬はいなくて、ひょっとしていい線行くかも知れないのは、ビリー・アイリッシュのお兄ちゃん、フィニアスの9曲入りEPか、こちらもデラックス・バージョンを出したロッド・ウェイヴの『Pray 4 Love』の返り咲きくらいか。まあでも順当にいってテイラー3週目でしょう。ではまた来週。