情報アクセシビリティって?
アクセシビリティと聞くとどんなことを思い浮かべるでしょう。
iPhoneの設定にも「アクセシビリティ」の項目がありますね。
簡単に言えば、アクセシビリティとは、アクセスのしやすさ、ということ。
そこから転じて、製品やサービスなどの利用のしやすさ、という意味にも使われます。
Wikipediaでは、「障害者」と書いてますが、つまるところ、例えば車いすとかでその建物を利用し易いかどうかとか、高齢者や障害者、さまざまな人にとってwebサイトなどが使いやすいかどうか、みたいに使われることが多い気がします。
でも、実はその「目的地」には、「情報」も含まれているのです!
そう、「情報へのアクセシビリティ」!
障害があっても、高齢でも、必要な情報を得ることができるか、、これ、忘れられがち。
私たちは実は、意識する、しない関わらず、いろんな情報を得て、それを取捨選択し、そこから判断して行動しています。
信号を見て、道を渡ったり立ち止まったり。
広告を見て、新製品の性能を知ったり。
電車車内のアナウンスを聞いて、乗り降りしたり。
ほんと、世の中にはたくさんの情報が溢れています。
そして、以前はテレビやメディアなどが情報を発信し、私たちはそれを受けるだけでしたが、インターネットの広まりで、いろんな人がいろいろな形で情報を発信する側にもなるようになってきました。
何かを伝えたいと思った人が、その思いを伝える場はコロナ禍を通して、対面(リアル)だけでなく、オンラインという方法も広がり、誰もが発信者になりうるし、遠隔地に住む人、身体的な理由で移動が困難だった人たちも自分のいる場所でたくさんのことを学んだり、情報を得たりすることが可能になったのです。
でも、発信する人たちは、自分達の伝えたい情報が伝わらない人がいる、その情報を得ることができない人がいる、ということを思いを馳せたことがあるでしょうか。
見えなくたって、聞こえなくたって、同じなんです。
興味のあるセミナーなら参加してみたい
テレビのCMで商品の説明をしてるなら、それを知りたい。
みんなが得ている情報を同じように受け取りたい。
例えば、テレビのCMとか。
CMって、自社の製品やサービスの良さをお客さん層にアピールして買ってもらおう、使ってもらおうというもの。
でも、私たちには何を言っているのかわからない。
あーぁ、私たちはその商品やサービスの良さを伝えたい相手とは思われてないんだな、と。
例えば訪問してくる保険や宗教の勧誘とか。
「私は耳が聞こえないので」と言うと、ほぼみんな黙って即退散します。
あーぁ、勧誘したいという気持ちより、めんどくさいから、別にいいや、って思われてるんだな、と。
もしかしたらすごーくいいお客さんかもしれないのに、もったいなくない?(笑)
逆をいえば、情報のアクセシビリティを考えて発信したら、より多くの人に伝わるってこと。マーケットが広がるってことになります。
聞こえない人のためとか、社会貢献、というんじゃなくて、発信する側にとってメリットになるからやらなきゃ損って考えられないでしょうか?
テレビの取材を受けた時は、「字幕をつけた方が聞こえない人も見ることができる番組になりますよ。」「音声ガイドがあれば、見えない人にも伝わりますよ」「つまり、視聴率上がりますよ」って伝えます。
合理的配慮とか、いろいろ言っても、自分達にメリットがなきゃ、やりたくないのが、みんなの本音。
だからメリットを教えてあげるのです。
せっかく作ったもの、一人でも多くの人に伝えたい、使ってもらいたいって思うでしょ?って。
で、私が理事をしている日本補助犬情報センター。
補助犬は盲導犬・介助犬・聴導犬の総称。
つまり見えない(見えづらい)人、手足に不自由のある人、聞こえない(聞こえづらい)人と関わりが深い活動をしています。
だから、イベントなどでの建物へのアクセスも、情報へのアクセスも、できる限りのことをしたいと思っています。
特にコロナ禍で増えたオンラインでの発信ややりとりでも、いろいろな工夫をしています。
私が激推ししているUDトークは、コミュニケーションのためのツールでもあるけど、情報アクセシビリティを向上させるのにすごく役に立つツールです。
なんせ、何かを発信したい人が話す音声をそのまま字幕化(可視化)できるんですから。
正しく使えば、YouTubeの動画に字幕をつけるなんて簡単なこと。見たい動画に自動生成の字幕しかないと、見るのを諦めてしまう人がここにいます。
ビュー数稼ぐなら、手っ取り早く「字幕」です!って伝えたい私です。
音声認識は間違いがあるから、っていう理由で、字幕っていうと、テレビも他の媒体でもなぜか、まだ手打ち入力が多いようです。そのスキルは賞賛ものではありますが、間違いは手打ちだって起きるでしょう。
限られた人の、限られた技術でしかできないことより、楽にできること、誰でもができることにしていく方が、広がりやすいんじゃないかな、とも思うのです。
情報センターでは、UDトークを試行錯誤し、私が開発者と同じ練馬区在住で知り合いという縁も駆使して、使い倒し、この度、晴れてUDトークのパートナー企業(団体)として認めていただき、UDトークを入れたい!というイベント等のお手伝いもできるレベルまでになりました。
UDトーク使って、こんなふうにやるということを実際に見てもらって、「字幕をつける」ということのハードルが少しでも下がるといいな、と。
「情報」という、時に命にも関わる大事なものを誰もが同じように得ることができるように。
技術の進歩と人々の意識の高まりを願っている私です。
いただいたサポートは私の人生を支えてくれた聴導犬をはじめ、補助犬の理解啓発のための活動に生かさせていただきます。