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目を留めること、そして動く、こと

いろいろと物騒なことも起きるので、
最近は「袖触り合うも多生の縁」よりも「触らぬ神に祟りなし」な時代になってるように思います。

しかたないのかもしれないけど、やはり寂しい気もします。

そんななか、我が子からたまたま続けて報告?があったことが、、。

まず、末っ子。
学校帰りに自転車で家に向かっていたら、前を歩くお年寄りの姿。
異常なほどの遅さで、気になって、追い越す時にチラッと振り返ってみたら、顔中、血だらけのおじいさん。

思わず、とまって、「大丈夫ですか?」と声をかけたそう。
「いやぁ、派手に転んでしまって…」とのこと。
ポタポタ垂れる血をハンカチで押さえながら、それでも歩みを止めないので、娘は自転車引きながら、後をついていき、さらに声をかけたらしい。

「でも血が止まらないですよね?救急車とか呼びますか?」
「家が近いから、大丈夫」
「近いんですか?どのあたりですか?」
「ここから歩いて10分くらいかかるかな」

娘、内心、いや、この歩き方じゃ全然近くないし〜と思って、なんとか立ち止まらせようとしたみたいだけど、止まってくれず、結局
「大丈夫だから、あなたは行って」って言われちゃったんで、気になりつつ、帰ってきちゃった、と。

私に話しながらも、「あの後、どっかで行き倒れていたらどうしよう」とかなり気にしてました。
隣家に住む祖父(私の義父)も散歩に行って派手に転んで、周りの人に助けられたことがあったのを覚えてたからかな。
その日の夕方、用事で駅に向かう私に「おじいさんが座り込んでないか、見といてねー」って。
さすがに、こんだけ時間経ってたら、いないだろーとは思いつつ、気にしながら駅に向かった私。


そんな娘の話が頭に残っていた数日後、今度は息子からこんな話をされました。

新宿で山手線のホームで電車を待っていたら白杖の人がいたとのこと。
息子がいたのは山手線外回り(池袋方面)と総武線大久保、中野方面のホーム。
たくさんの路線が通る新宿駅は、他にも山手線内回り&総武線(千葉方面)のホームや、総武線と同じルートを走る「中央線快速」のホーム、、他にもたくさんのホームが並んでいます。

目が見えていても、分かりづらいマンモス駅。
さらにすごい人混みと騒音の中、アナウンスも聞きづらい。

そんな中で、ホームの真ん中で少し戸惑い気味に山手線側を向いてる白杖ついた人を見つけた息子、「何かお困りですか?」と声をかけたそうです。

うん、グッジョブ。

そして、電車に乗るタイミングを教えて欲しいと言われたとのこと。
都会の混んだ駅では、電車に乗る人は、ホームに書かれたドア位置のマークを目安に並んで電車を待ちます。
で、電車が来て、ドアが開いても、すぐには乗り込まず、降りてくる客を待ってから乗り込むのがルール。
でも、見えないと、そのタイミングを掴んで乗り込むのが難しいらしい。

そこで、息子も自分が乗るタイミングで、その人に伝えて、一緒に乗り込んだと。
でも混んだ車内で、立っているのも不安定だったから、席が空いたタイミングで声をかけて案内し、降りる駅を聞いたら同じ池袋だったので、降りる時もアテンドしたとのこと。

ホーム降りたら、お礼を言われて「じゃ」と言われたけど、気になって見守ってたら、やはり右往左往してたので、また声をかけ、私鉄への乗り換え口の改札まで一緒に行ったら、その先は分かる、とのことで、そこで別れたらしい。

短い間だったけど、息子もいろいろ考えたみたい。
混んだホームで人の波に流されたら、自分の立ち位置や向かってる向きとか分からなくなってしまうこと。
見えていれば、頭上の看板や周りの人の動きで判断できる当たり前のことにも困難な人がいるんだってこと。
電車に乗る時も、自分たちは、見てる気はなくても、いろんなものを見て判断して乗り込んでいるということ。

声をかけたことで、あの人の助けになれたかもしれないけど、自分自身の気づきをもらえたって。

たまたま二人の話を続けて聞いて、思いました。
我が子ながらいい子に育った、と(笑)

人と関わることで、嫌な思いをしたり、傷ついたり。
2人も18歳と22歳なりに、そういう経験もしてきたはず。
だけど、やはり人と関わることでしかできない経験や、知ることのできない思いがあるってことも、分かってくれている。

それだけで、私も母としてちょっとだけ合格点をもらえるような気がしました。

ありがとう。

最後までお読みいただきありがとうございました。
聞こえない母としての3人の子育てもそろそろゴールが見えてきました。最近は子供たちから学ばされることも増えてきてます。
これからも様々な出来事や思いを綴っていきます。スキやフォローが励みになります。またのお越しをお待ちしています。

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