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伝えたいことが伝わる嬉しさ

私は聴導犬と暮らしてもう25年以上になります。「聴導犬」って言葉も知られてない時代から、少しでも知ってる人を増やしたい、分かってもらいたい、っていう気持ちで聴導犬と出かけ、呼んでいただければ、学校、企業、役所、サークル、、、いろいろなところで話をさせていただいてきました。
そんな中で、伝えることも楽しさ、そして難しさを感じることもたびたびありましたが。

で、先日、今までで一番のちびっこをお相手に、おはなし会をしてきました。

コーダイの幼稚園時代(!)のママ友からお声かけいただいた保育園。
ピッカピカの1年生寸前の子どもたち15人。

チャンプは5歳半、みんなと同じくらいね、といったら、一気に親近感が湧いたみたいで(笑)

先生からは、「未就学児なので、静かに座って話を聞いていられるのは3〜40分が限界」といわれていましたが、みんなちゃんと聞いてくれましたよ。

もちろん、年齢を考えた工夫もしました。

普段、信号を「見る」ことで足を止めたり、クラクションなどを「聞く」ことで車をよけたりしていることを実感して欲しく、いつもなら「話す」だけのところを、ユーナが特別支援校での教育実習の時に作った、お手製の歩行者用信号を使ったり、先生に自動車役をしてもらってクラクションを鳴らしてもらったり、、、。

デモをする時も、「静かにね!」と言うだけでなく、「ここは松本さんとチャンプのおうち。だからみんなは本当はいないの。今からみんなは透明人間!」って言ったら、みんな一斉に「シーっ」

そのリアクションが可愛すぎでした(笑)
たまたま学校がお休みで一緒に行ったマナも一つ一つの話に対してのピュアなリアクションで「心が洗われた」そうです(笑)

そして、マスク越しの子どもたちの言葉をマナにリスピーク&かんたんな手話で通訳してもらい、質疑応答も!

「いつから聞こえなくなったんですか?」
「なんで聞こえなくなったんですか?」
大人なら躊躇ってしまうような、でも誰もが聞きたいことをズバリと。

「お買い物の時、なん円とかって、どうやって分かるんですか?」

!!!

実際は「あのね、〇〇でしょ?それでね、、」と前置きや寄り道あり、でしたが、核心をついた質問が出て、ビックリ!!

先生方も「好きな食べ物は?」とか聞くんじゃないかな、と思ってたらしく(以前、交通安全教室でお巡りさんに聞いたらしい 笑)、こんな質問は誰もが想定外。

でも、これって、話をちゃんと聞いてくれてたこと、そして自分の生活(買い物など)のシーンと被せて想像したからこその疑問、、、まさかの、素晴らしき未就学児!!

今日、聞いたこと、見たことをきっかけに、
子供達の心の中に、
「いろいろな人がいるんだ」ということ、
自分でできることはもちろん頑張るけど、できないことや困ったことは助けてもらいながら、みんなで生きていくんだ、ということ、
そういう気持ちが芽生えてくれたら嬉しいな。

最後は子供たちから「世界が一つになるまで」の歌をプレゼントしてもらいました。


実はこの歌、10年以上も前、コーダイの幼稚園で私がサビ部分の手話指導して、おわかれ会でママたちが披露した歌。今回呼んでくださったママ友が子どもたちに教えて、卒園式で披露したとのこと。
初めて会ったばかりの子達なのに、その歌う姿に感動してウルっときてしまった私。きっと保護者の皆さんは号泣だったんじゃないかな?

きっと子供達はおうちでチャンプのことを話したりしてるかもしれません。

お買い物でほじょ犬ステッカーを見て、今日のことを思い出してくれるかもしれません。

信号を見た時、「これを見ることができない人がいるんだ」ということを思い出してくれるかもしれません。

そんな子達が大人になる頃には、きっと世界はもっと優しくなっていく、、、んじゃないかな。

やっぱり、こういう「伝えたいことが伝わる」って嬉しいなぁ。止められないなぁ。
最年少記録も更新したし、来年度は、昨年の分もあちこち行きたいな!という気持ちと決意ができました!

子どもたちの大事な時間をいただき、ありがとうございました!

いただいたサポートは私の人生を支えてくれた聴導犬をはじめ、補助犬の理解啓発のための活動に生かさせていただきます。