XREALのREAL〜シン・字幕メガネ〜
私たち聴覚障害者が映画を見るときに必須なのが日本語字幕。
外国映画なら日本語字幕が当たり前に付くけれど、日本映画に日本語字幕がついて上映されることはまだレア。
日本映画上映でのバリアフリーについては以前書きました。
今回は、その「どっち」のうちの「字幕メガネ」について、新しい体験を記録しようと思います。
まずはMoverioとの出会いについて
ほんとーに、この「Moverio」との出会いが私の映画鑑賞を変え、雑誌「スクリーン」とか「ロードショー」とか買い込んでスクラップしていた頃のような「映画好き」な私に戻してくれました。
まだ開発?されたばかりの頃、「映画鑑賞の未来」みたいなイベントで出会った「メガネ型字幕表示ディスプレイ」。
その後、貸し出しをしている映画館をチョイスして鑑賞した時のMoverioの使用モニターに当たって本体が手元に。
邦画の日本語字幕付きって、作品も限られてて、しかも限られた映画館で期間限定、というのがほとんどで、観たい映画を観る、というより、観れるものを観る、観れたらラッキー!って感じでしたが、Moverioが来てからは、「急に予定がなくなって、暇ができた!」なんて時にも、ササっとデータダウンロードして、歩いて数分の映画館へゴー!が出来るようになりました。
それから何度、何作品をこのモベリオで観たことか。
映画だけでなく、劇団四季の観劇でも活用。
「アラジン」「ライオンキング」そして、今は終わってしまった「リトルマーメイド」の3作品だけは字幕メガネ対応で、貸し出されるのがモベリオでした。
そんなモベリオ愛用の私に、なんと、こんな機会が、、、。
事例紹介の記事の中、「利用者の声」として取り上げていただきました。
こんなふうに活用されてる、こんなふうに喜んでいる人がいる、ってことをどんどん伝えないと、商品開発も進まないし、下手したら、開発が止まってしまうかもしれません。
だからこそ、こういう「生の声」を伝えることができるチャンスは有り難く、喜んで書かせてもらいました。
シン・字幕メガネ
が!そんな「Moverio推し」(笑)な記事を書いたタイミングで、新しいメガネ型ディスプレイ(スマートグラス)「XREAL」が私の手元に!
Moverioより価格的にも安く、また普通のメガネの形なので掛けやすい、ということから購入も考えていたのですが、試しもせず買うのも不安、、というところに、UDトークの恩人A氏が「メガネの上から掛けられないので当面使わないから、貸したげるよー!」との声が!
Oh!神よ!!
まずは年末のイベントで、UDトークの表示に使ってみました。(UDトークでの運用はまた別途ご報告予定)
Moverioにしろ、XREALにしろ、メガネ型の良さは、スマホやタブレットを持ち続けるより楽だし、何より顔を動かすと字幕が動くこと、、、話し手の声のように字幕が見える嬉しさ!
で!今回は映画鑑賞でのXREAL利用のレポ(←やっとテーマに到着 笑)
映画字幕×XREAL
これまでのMoverioと大きく違うのが、 XREALではスマホのアプリを使うこと。
Moverioの場合は、メガネと繋げる本体にアプリが入っていて、そこで作品を選び、字幕データをダウンロードしておきます。
でも、 XREALでは、スマホにアプリを入れ、そこに作品の字幕データをダウンロードしておくのです。
以下、映画館での鑑賞までを順を追って、、。
①アプリダウンロード
モベリオでもXREALでも、字幕メガネで使うアプリは「Hello!Movie」と「UDCast」の2つ。
「バリアフリー字幕&音声ガイド | 映画みにいこ! 」サイトで、観たい映画が使うアプリを確認し、アプリをスマホにダウンロードします。
「映画みにいこ!」サイト https://www.bfeiga.net/
★Hello!Moviehttps://hellomovie.info/
★UDcast https://udcast.net/service/#movie
②アプリを起動し、メガネを接続
今回は「Hello!Movie」対応作品なので、それで進めます。アプリを起動すると、この画面。
「字幕ガイド」を選びます。
そこから、作品を選ぶのですが、メガネを接続する前に作品を選ぶと、、、
字幕メガネを使わず、スマホに字幕出す、という方法の作品の場合は、この注意は出ないと思いますが、今回の作品はメガネ型専用なので、ここで接続を促されます。
ちなみに、スマホとの接続はUSB-Cなので、 iPhone15や新しいiPadなら、そのまま直接繋ぎます。
それ以外なら、アダプターでUSB-Cにして繋ぐか、Beamを使います。(後述)
③データダウンロード
アプリで作品を選ぶとデータがダウンロードされ、終わると待機状態に。
④画面ロック〜劇場入り
ダウンロードが終わったら、画面ロック。
ここまでのデータのダウンロード&待機状態までを自宅などWi-Fi環境で設定しておけば、劇場ではインターネットでのデータのやり取りはないので、「機内モード」でOK。
劇場に入ったらアプリを起動しておけば、上映始まると、その音声と同期して自動的に字幕が表示し始めます。
使用後感想
※あくまで個人の感想であり、個人差あります。(←通販か!)
【いいね!👍】
・準備が楽。
Moverioの時のように別のデバイスの充電をしておく必要もなく、普段使いのスマホさえあれば良い、という点。
・掛けていて楽。
レンズこそ2重になってますが、形状は普通のメガネと同じ。そのため、長時間掛けていても違和感も痛みもありませんでした。
まっ「なんで暗い映画館でサングラス?」っていう周りの視線は痛いですが。
【うーん、イマイチ👎】
・レンズを通してみると、少し赤っぽいフィルターがかかったような色?暗み?を感じました。
最新のXREAL Airは、もっとクリアらしいので、そこに期待、かな。
・iPhoneの端子とメガネを有線で繋いでいるので、充電しながら、が不可。その点moverioは、独立したデバイスだったので、それを充電しておけば、鑑賞に問題なし。スマホはスマホで使えます。(鑑賞中はマナーモードにして使用を控えるべきですが)
なお、スマホととXREALの接続は、専用デバイスBeamを中継する方法があります。
スマホの画面をBeamでミラーリングし、それをXREALで見るので、スマホの端子は空いているため、充電もできます。
ただ、Wi-Fi環境がない場合、Beamをネットに繋ぐためにスマホのテザリングをしなきゃならないし、それだと機内モードにできなくて、途中、スマホに着信とかあるとフリーズしやすく、あまりメリットを感じませんでした。
先日iPhone15にし、USB-Cの端子で直接繋げられるようになったので、やはりiPhoneの充電をしっかりして直接接続がいいかなぁと思います。
・メガネの上に装着できない
コンタクトレンズ派の私には関係ないですが、XREALはそのままではメガネの上から掛けることができないそうです。(Moverioはできる)
そのおかげで、メガネ派のA氏が「ボク、使わないから」と言ってくれて、私が借りることが出ているので、もしかしたらこれは「いいね!👍」なのかな?
Beamについて
XREAL専用のデバイスBeamには、表示を正面に固定するか、視点と連動するか、さらに右下に小さく表示するか、を選べる設定があります。
でも私は、字幕メガネの良さは字幕が自分の視線移動について来ることだと思っています。
スクリーン焼き付けの字幕は手軽に(道具なく)見れる点がメリットですが、画面から少しでも目を離すと、セリフは分からなくなります。
耳で聞いている人は、目をそらせても、耳からセリフが入るので、ストーリーについていけますが、画面の字幕は視界に入れておかないと読めないわけで、、。
メガネなら、たまたま目を画面から離しても、話の続きが聞こえて(見えて)いて、耳で聞くのに近いのかなぁ、と。
だから、字幕メガネではBeamの正面に固定する=視線をずらすと字幕が消える設定にメリットを感じず、それがBeamなしでいいかなぁ、と思う所以。
あっ、BeamにはNetflixとかのアプリが入っているので、XREAL &Beamで寝転びながら映画鑑賞、とかはアリかも、です。(まっ、それもスマホ直接続でいいんですが。)
まとめ
聞こえなくてもエンタメを楽しみたい!
こうなったらいいな!
という願いが少しずつ実現しているようで、とても嬉しいと思ってます。
でももっと活かせるはず!
映画は対応作品が増えては来てますが、これが生の舞台やライブなどにも広がって行ったらいいな、と。
だって、技術的にはできるはずなんだもの。
ともあれ、本日、某イベントで、Hello!Movieで字幕付き映画鑑賞からの、舞台挨拶をUDトーク字幕、、とXREAL三昧をしてくる予定です。楽しみ〜
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