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ホラー映画『IT』の子役たちにハマったら関連作品が面白かった

『IT』それが見えたら終わり


 普段はホラー映画はほとんど見ない。「怖い」というよりは、血みどろのグロテスク展開が苦手だからだ。だから『IT』を最後まで見ることができたのは、子どもたちの成長と友情を中心に描いていたからだと思う。

 初めて映画を見たのは、たまたまだった。テレビをつけると、いきなり、主人公ビルの弟であるジョージが悲惨なことになり、ショックをうけた。Twitterを徘徊し、気を紛らわせながら、恐る恐る鑑賞を続けると、徐々に引き込まれていく世界があった。
 恐ろしい現実の中で生まれる友情と、子どもたちの成長。自己のトラウマに立ち向かっていく姿はホラー映画というよりも、ほの暗い青春映画に感じられた。

 当時大学生だった私はすっかりハマってしまった。あまりにも面白くて、映画をくり返し見たし、原作小説も読破した。
小説は、面白いことは面白いが、より悲惨で、結末も切ない。最後の方にとんでもないシーンがあったり、全体的に下品な表現もあったりと、誰にでも勧められるわけではないが。

 ピエロに立ち向かっていく少年少女たちは、社会からのけ者にされていた。「ルーザーズ」というチームを作り、友情を育む子どもたちは、少年探偵団のように冒険をして、助け合う。
映画のワンシーンに、崖の上から湖に飛び込むシーンがある。ピアノの美しい音色をBGMになんと非現実的な光景か。
 個人的に、小説と比べると、映画の方が、少年たちの友情の変化が分かりやすく描かれていて、感情移入しやすい。最後に、弟を失った悲しみや苦しみを、ビルと分かち合うために、ビルをみんなで抱きしめるシーンは、涙なくしてはみられない。

  映画の続編は大人になった彼らがメインとなる。複雑な気持ちになった事実があった。例えば、父親から虐待を受けていた、ベバリーの結婚相手がDV男ということ。過保護すぎる母を持った病気がちのテディは、母に見た目も性格もそっくりの女性と結婚することだ。
大人になっていく中で、逃れられない残酷な現実を物語の中で示していると感じた。

関連作品


 ところで、『IT』を見ていたら、『IT』の子役たちの活躍を見たいと思った。関連で探していると、どんどん面白い作品に出会うことができたので、少し紹介したい。

 リッチー役のフィン・ヴォルフハルトさん。大きな眼鏡から隠しきれない美形オーラを出している彼は、めちゃくちゃ有名な作品に出ていた。

『ストレンジャーシングス』


 まず、『ストレンジャーシングス』。これだけでも記事が3つ、4つできるくらい面白い作品だった。少し『IT』と設定が似ているかもしれない。

 80年代を舞台に、少年たちが、超能力を持つ謎の美少女と出会うところから始まるボーイミーツガール。一方で、友人の1人が行方不明となったり、得体の知れない化け物と戦ったりするダークな部分もある。群像劇っぽいところもあり、最後にいくつもの謎や関係性が1つに集約していく様子が圧巻だ。Netflixでシーズン3まで見ることができ、シーズン4ももうすぐ配信されるということで、非常に楽しみ。

『ザ ゴールドフィンチ』


 次に『ザ ゴールドフィンチ』。この作品は、色々な理解ができる話だと思う。映画の評価自体はあまり高くない。しかし、独特な空気感を感じられる作品だと感じた。

 美術館でテロに巻き込まれた少年テオが、名画を盗んだことから始まるテオの波瀾万丈の人生を描くシリアスストーリー。フィンさんが演じるボリスという役は、テオを薬の世界に引きずりこみながら、一時、親友となり、テオを裏切ったり、助けたりする複雑な役どころだった。
 なぜか、昔の少女漫画の最終回直前に、ヒロインなどを庇って死んでしまう、必ずしもメインヒーローではない儚い感じの役どころを想起してしまった。あと、テオを破滅の道に悪気無く誘い込む感じが、現実離れしている感じだった。現実にいたらクズっぽい感じなのだが、フィンさんが演じることで、物語がどこか遠い世界の話に感じられる。まだ、原作の小説を読むことが出来ていないので、いずれ読みたい。

『ノットオッケー』

 ベバリー役のソフィアリリスさんとスタン役のワイアットオレフさんが出ている『ノットオッケー』。面白かった。

 主人公シドニーは突如として、超能力が使えるようになるのだが、原因は不明な上、特に超能力を使いこなそうなどとは思いもせず、むしろ困る。友人に恋人ができて、もやもやしたり、母親との関係に悩んだりと、超能力は日常生活の問題の中の一つとして捉えられているところが面白い。
 甘酸っぱい感じと、ほの暗い感じのバランスが良くてオススメ。『IT』が好きな人は好きかもしれない。Netflixで見ることが出来る。続編が出来そうな終わり方だったのだが、打ち切りとのことで残念。

『シャザム!』

 テディ役のジャックデュランディザーさんが出演しているものだと『シャザム!』を見た。バリバリのスーパーヒーローもので、家族で見て欲しい映画。主人公の親友という役どころで年相応の感じがわちゃわちゃしていて可愛い。物語も起承転結がはっきりとしていて見やすい。続編が公開決定しているとのことで楽しみである。

『We Are Who We Are』という作品でも主人公を演じているようだが、まだ見ていない。金髪にしてて、かなり見た目の印象が変わっていたので、気になっている。

他にはビル役のジェイデンマーテルさんが出演している『ナイブズアウト』も見た。特別活躍しているわけではないが、物語そのものが面白かった。THEミステリーという作品だった。

もともとアメリカやヨーロッパの映画やドラマは好きだったのだが、『IT』をきっかけに、色々な作品に出会うことができた。今は『ゴーストバスターズ』を見ようかなと思っている。


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