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船旅(21時間)その2

起床、二度寝、三度寝

 強風でデッキには出られないらしいが、ここは太平洋の上。何に遮るものがない朝日を見なければならないだろうと6時ごろ起床。裸足のままスニーカーをはいてロビーに行ったが誰もいなかった。まじで誰も。え、みんな朝日見らんの?と思いながら東側と思われる窓に近付いてみたが、波しぶきで窓が汚れていてろくなものが見られなかった。

デッキ出たかったな
汚ね~窓
これはかわいいのであり

 このとき船体は結構揺れていて、立って写真を撮っているとたまによろめくほど。10分も経たないうちに胃がムカムカしてきたので近くの椅子に腰かけ、海を見ながら揺れに合わせて呼吸……してみるもうまくいかず、目を閉じ深呼吸、したところで嫌な予感がしたので急いで部屋に戻ってベッドに飛び込んだ。意識が飛びそうなあの感覚は、多分迷走神経反射の前兆だった。睡眠不足なうえに空腹だったし仕方ない。水を一口飲んでほぼ気絶するように就寝。
 ご丁寧な「おはよう7時半だよ、朝ご飯の時間だよ~」「こんにちは10時だよ、カフェが開くよ~」「門司発の船とすれ違うよ~」というアナウンスの声に邪魔されつつも細切れに眠り、11時半ごろに起床。どうやら室戸岬沖にいるらしい。
 

回復したのに昼寝

 気分も回復していたので、夜食と朝食の無念を晴らすべく海の見える席に陣取って横須賀海軍カレー(1,200円)を注文。ディズニー価格だとしても高い。高いだけならともかく味がついてきていなかった……。このときはギリWi-Fiが使えたのでストーリーを更新したり、Googleマップを見たりした。

牛乳がセットらしい

 食べ終わった後は正面のデッキに出てひとりではしゃいだ。見渡す限り海。陸地も船も何も見えなかった。海。

風強い
ヘリポートに迎えが来ないかな

 活字を読んでも大丈夫と私が判断したので、海に面したソファで2時間ほど森博嗣を読んだ。活字を読んでも大丈夫も何も、ほぼ電波が使えないのですることが読書ぐらいしかないという話ではある。少々酔いつつも無事に読破、S&Мシリーズはこれからも頑張って読んでいきたい。

冷たい密室と博士たち

 一度部屋に戻って次の本を取って、今度はフォワードサロンに向かった。前面展望が楽しめる空間で、少し離れた場所にあるためか人も少なく、落ち着ける雰囲気だった。遠くに見える陸地を見ながら多分足摺岬だろうな~と思っていたら昼寝をしてしまっていた。目を覚ましては近づいてくる陸地を確認してまた寝るということを繰り返した結果、佐田岬と国東半島が伸びて狭い海峡になる夢を見た。危なかったな~。セーフ。





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