「目新しいこと」に疲れたら?
100人100冊選書チャレンジと銘打って、本屋らしくいろんなタイプの人に、いろんなジャンルの本を選んで提案するサービスを始めてみました。
このサービスのポイントは自分自身の本を他人に選んでもらうことで生まれる偶然の出会いにあります。洋服選びに迷ったらオシャレな友人に選んでもらうように。恋人が欲しかったら、交友関係の広い友人に紹介してもらうように。
その先にある偶然の出会いに期待を寄せてワクワクする感覚、それこそが選書サービスを購入した方だけが得られる特別な体験だと思います。
「目新しいもの=サムシングニュー」から、
「特別なもの=サムシングスペシャル」へ。
検索窓にキーワードを入れさえすれば、どんな問題の答えも一瞬にして返してくれる便利な世の中に慣れきってしまった僕たちは、きっと何か勘違いをしていて、まだ誰も気がついてないこと、誰も見た事のないものを求めてスマホの中にいる誰かの言葉に「いいね」を押している。そんな気がしています。
でも、もはやこの世の中に新しいものや、新しい発見なんかは存在するはずがない。あるのは、どこまで深掘りしていっても地球上の誰かが見つけたものにすぎない。というこの考え自体も、先日読んだ本に共感したことを僕の言葉で再解釈しているだけにすぎない。それなのにまだ「目新しいこと」を追い求める僕らは一体なんなのでしょう。
こうやって記事を書き始めてみるも、新しい知見やハッとするような気づきがないとダメな気がして常に襲われていて、本当に書きたいことや伝えたいことが一向に届けられない。意味のある言葉を届けようと「目新しいこと」に背後から襲われている感じ。
そこで、はたと気がつきました。
選書サービスって「目新しいこと」からの解放に一役買っているんじゃないだろうか。
依頼を受けた人のアンケート結果に目を通してその人の頭の中をイメージして、その人だけの本を選びます。
これまでの読書歴から、これまでどんなことに問題意識を持っていて何に興味を持っていたのかを類推するわけです。お仕事の関係や、家族構成、1週間の時間の使い方などもわかれば、いま届けるとよさそうな本のこと、あの本がいいんじゃないか、などとあれこれ考えを巡らせてピッタリの一冊を探しています。
決して「目新しいこと」ではないけど、自分1人では辿り着けない「特別なこと」
そんな「サムシングスペシャル」としてこの選書サービスを提案しています。
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