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【オンラインショップ更新】特集 評論社「探険と航海」シリーズ

こんにちは!

古本とがらくた paquet.オンラインショップ更新のお知らせです。

今週は・・・

ずっと仕入れてみたかった(というよりわたしが個人的にじっくりと読みたかった)評論社「探検と航海」シリーズを特集します!

ご存知の方も多いかもしれませんが、昭和54年から刊行が始まったこのシリーズには、歴史に名を遺した偉大な冒険家たちの軌跡がとても詳細にしるされています。

彼らがどういう時代に生まれ、どこを、どんな仲間と、どのような方法で目指したのか。
何を見たのか。何を得たのか。
ものすごくおもしろいです。

歴史の教科書で名まえとどこへ行ったのかくらいは知っていても、その詳細を知るに至るにはある程度興味を持って自分で調べた方くらいなのではないかなと思います。
(ちなみに、わたしの知る限りですが、冒険家の伝記の本で子どもやあまり歴史の知識がない方でも読みやすい、と感じられるものはあまりないです。漫画になっているのもマルコ・ポーロくらい。わたしは高校の世界史の授業で興味を持ち(先生の話が面白かった)ウィキペディアで知識を得ました・・・)

このシリーズの著者、ピエロ・ベントゥーラさんとジアン・パオロ・チェゼラーニさんはともにイタリア出身。絵も文もすてきな本当の冒険の絵本、なんてほかにありません。しかも今回、一冊を除きすべて初版で入荷、状態も◎です!

前置きが長くなりましたが、さっそく紹介していきます!
なお今回は発売順ではなく、彼らが冒険に出発したとされる年代順にならべかえてみました。
まずは最も有名な冒険家であり、ヨーロッパへ向けてアジア諸国を紹介した本「イル・ミリオーネ(東方見聞録)」を書いたマルコ・ポーロから。

「マルコ・ポーロの冒険」
ピエロ・ベントゥーラ 絵
ジアン・パオロ・チェゼラーニ 文
吉田悟郎 訳

昭和55年3月20日 株式会社 評論社 発行

マルコ・ポーロがいつどこで生まれたのか、正確な記録はないそうですが、おそらくは1254年、ベネチアの商家に生まれ、1271年、17歳で父ニコロ、叔父マッフェオとともに船出しました。

絵本には交易で栄えたフビライ・ハン時代の大帝国モンゴルの砂漠やうつくしい首都の生活のようすがたくさん描かれていて、まるで自分も一緒に遥か昔を旅しているみたいな気分になります。

「コロンブスの航海」
ピエロ・ベントゥーラ 絵
ジアン・パオロ・チェゼラーニ 文
吉田悟郎 訳

昭和54年8月20日 株式会社 評論社 発行


コロンブスといえば、マルコ・ポーロの東方見聞録の愛読者で、インドや黄金の国ジパング(日本)へ行くつもりが西廻りの航路をえらんだことで新大陸・アメリカを発見したとっても幸運な船乗りです。

コロンブスが三隻の船に荷物をたくさん積んで出発したのは1492年のこと。
絵本には船や乗組員についての記述があり、わたしがとくに好きなのは船の生活のページ。ハンモックが発見されるまで船の甲板で寝たことや、当時のヨーロッパ人らしい食料事情について書いてあります。

一行は新大陸に到着しますが、原住民の歓迎を受け、見たことのない作物が実る豊かなキューバを後にしてからは悲しい運命を辿ります。ピンタ号の船長の裏切りや、サンタ・マリア号が座礁したこと、いちばんはコロンブスが最初の航海から帰った後まもなくしてヨーロッパ人による侵略がはじまったこと。

レコンキスタドーレス(征服者)たちによる侵略と虐殺の歴史は教科書の通りですが、コロンブスとネイティブアメリカンが最初にどんな出会い方をしたのかは、この絵本で知りました。お互いに満足のいくものだったそうです。

「マゼランの航海」
ピエロ・ベントゥーラ 絵
ジアン・パオロ・チェゼラーニ 文
吉田悟郎 訳

昭和56年4月10日 株式会社 評論社 発行  

マゼランが生きた大航海時代、コロンブスが新大陸を発見してもなお、当時の人々は地球は平らだと信じていました。ここで航路による世界一周を成し遂げて地球は丸いことを証明したのがマゼランです。

ポルトガル人のマゼランは1519年にスペインを出発し、南へ進んで大西洋から太平洋につながる航路を発見・横断します。マゼランは1521年にフィリピン、セブ島にたどり着いた後、周辺の島々の住人をもキリスト教に改宗させようとしたことが原因で戦いが起こり、マクタン島で命を落としてしまいます。
マゼランの死後、指揮はセバスチアノ・エルカーノに引き継がれ、ともに船出した五隻のうちの一隻、わずか18人だけがスペインに帰り着いたそうです。

絵本では現地の人々に洗礼を受けさせるシーンが描かれ、上半身に何も着ていない人たちが十字架を前にひざまずいています。本当にこうだったのだろうかと考えてしまうような記述が続きますが、史実を繋ぐ絵本としてすばらしい一冊だとわたしは思っています。

「クックの航海」
ピエロ・ベントゥーラ 絵
ジアン・パオロ・チェゼラーニ 文
吉田悟郎 訳
昭和56年1月20日 株式会社 評論社 発行

キャプテン・クックことジェイムズ・クック。
1769年、金星が太陽面を通過するのをタヒチ島から観測するためにイギリス海軍省が出した船を指揮し、長く船乗りを苦しめてきた壊血病を克服したことでも高く評価された人物です。

クックはタヒチ島に到着すると観測所を作るのですが、このページの絵がなんともかわいらしくて最高です。
(現地の人々とともに天体望遠鏡を囲むようすが描いてあります。ちなみにクックは島民ととても仲良くやれたそうですが、彼らには盗みという概念がなく、好きなものは何でも持って行ってしまう性質だったため、観測日直前にだれかに天体観測で使う一番大切な器具を持って行かれてしまい思うような結果は得られなかったそうです。)

表紙にも使われた、イースター島でモアイ像と出会うシーンもお気に入り。
キャプテン・クックがどんな人物だったのか、想像しながら読むとたのしいです。

「リビングストンの探険」
ピエロ・ベントゥーラ 絵
ジアン・パオロ・チェゼラーニ 文
吉田悟郎 訳
昭和55年9月1日 株式会社 評論社 発行

最後はリビングストン。
宣教師であり医師でもあったという彼は、1840年、蒸気船に乗って当時イギリス領であったアフリカへ渡ったのを最初に三度にわたって当時「暗黒大陸」と呼ばれていたアフリカ大陸をほとんど徒歩で探検し、奴隷解放運動にも尽力したという偉大な探検家です。

先に紹介したほかの探検家と違うのは、彼は船員を組織して大陸に乗り込んだのではなく、単身で異国へ趣き現地の住人とともに野営をしながら軽装備で探検をしたというところ。
(二度目の遠征ではヨーロッパ人の学者たちとチームを組まされ、まったくうまくやれなかったそうですが。)

そのときの記述も、また三度目の探検にでかけ、ヨーロッパの人々に「リビングストンは死んだ」と思われていたときに起こった奇跡のようなエピソードもすごくおもしろいです。

ぜひ「探検と航海」シリーズで冒険家たちの人生にふれてみてください!

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新商品は今夜21時よりご購入いただけるようになります。


オンラインショップでお買い物をされたお客様には購入特典として、わたしの個人的な読書記録をまとめた小冊子「なにかよむもの」を一回のご注文につき一冊同封してお届けします。(なくなり次第終了です。)

お読みいただきありがとうございました。

今週末もご注文をお待ちしてます。

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