ローコスト・手製本zine「なにかよむもの」のこと
こんにちは。
移動式の古本屋「古本とがらくた paquet.」を運営する杉浦まなです。
当店は先日(ようやく)オンラインショップをオープンし、現在は毎週金曜日にnoteとショップの更新を行っています。
過去のnoteを読んでくださった方はご存知かと思いますが、オンラインショップで商品を購入すると特典として小冊子「なにかよむもの」がついてきます。
これはわたしの個人的な読書の記録や本まわりのことをまとめたzineで、印刷のみプロに頼み、執筆だけでなく表紙の絵・校正・レイアウト・製本などをすべて自分で行いました。
文章を書くことは好きですが、そのほかのことはまったくの素人。
面付け(印刷後製本しやすいようにページを配置する作業)の仕組みも全然わからず、グーグルに頼りながらコピー用紙を切り貼りするというアナログな工程を経てなんとか理解しました。
プロに頼んだり、お金をかければもっとスムーズに、クオリティの高いものをつくることができたにちがいないけれど、今回のzineは購入特典。お買い物をしてくださった方に無料でお配りするという前提がありました。
当店で取り扱っているのは主に絵本で、希少価値の高いものは少なく、アマゾンで検索すれば最安値で買えるタイトルも多くあります。それでもわたしは自分で古本屋をやりたいし(2022年に名古屋で実店舗をオープンするつもりで動いています)イベント出店のように接客や空間の作り込みができないぶん、当店で買う理由が何かひとつでも多くほしいと思ってzineをつくることにしました。
この記事でははじめてzineをつくる際にこだわった点と感想、それから内容を少しお見せしたいと思います。
印刷はレトロ印刷さんにお願いしました。
決めてはわら半紙に印刷できること。コストを抑えるため、ペラ一枚に印刷して自分で断裁・製本するつもりでした。低価格で印刷してくれる会社はたくさんありますが、今回は文章メインの冊子にするため、日に焼けた古い文庫本のようなイメージでクリームがかった色味の紙に印刷したかった。
版画のような孔版印刷で二色重ねて刷ってもらい、味のある雰囲気に仕上がりました。ピンクで刷ったのはスケッチブックに絵の具で描いたお花。買った古本に挟まっていたらアガるもの第一位、押し花のつもりです。
内容は古典から海外の児童文学、少女漫画、現代の小説まで自分の好みに偏って色々。短い文章を11本収録しています。
小冊子のみでの販売は予定していませんでしたが、製作過程をツイッターで呟いたところ数人の方からお問い合わせをいただいたため「ショップには買いたいものがないけれど冊子は読んでみたい」という方には個別に送付する対応を考えました。(後述します)お取り寄せの参考にしてもらいたいので、目次を載せておきますね。
辻村深月/川上未映子/大島弓子/サリンジャー/村上春樹/オルコットとドディー・スミス/虫武一俊/イ・ラン/大前粟生/エイミー・ベンダー/トーベ・ヤンソン(敬称略)
本の好みが似ている方がいたらぜひ友だちになりたいです。
A3用紙に両面印刷、中綴じにして家庭用ミシンで中心を縫い、祖父に借りた骨董品のような裁断機で天地と小口をカットして製本しました。
意外にもここがいちばん楽しかったです。
個人的な読書について11本の文章を書きましたが、本当はもっと書きたいことがいっぱいあった(製本の都合上この本数にしたけれど日々読書はしているし)初版50部がはけたら第二弾をつくってまた別の色で刷るのもいいなあと思っています。
最後に、小冊子(zineとよぶのはちょっとおしゃれではずかしい)の送付を希望する方へのご案内をさせていただきます。
オンラインショップに封筒と切手の代金(120円)をいただくための商品ページをつくりました。こちらをご購入いただければ、普通郵便ですみやかに発送いたします。
原価をもとにしてzineに値段をつけることは簡単ですし、少し迷いましたが、やはり販売用につくったものではないので、活動に興味を持ってくださった方や本の好みが似ている方に届けばいいなと思ってひとまずはこのように対応させていただくことにしました。
ついでのようですが、ここでひとつお願いがあります。もちろん強制ではないのですが、もしzineを読んで気に入ってくださったり、何か思うところがあった場合には、数百円でもいいのでnoteからのサポート(投げ銭)をお願いします。
実店舗をオープンするにあたりまとまった資金が必要ですので、今わたしは飲食業に従事してお金を貯めている段階にあります。
自分のビジネスですし、アテにするのはちがうと思うのでこの記事以外には書かないつもりですが、いただいたご支援はとっておいて、オープンの際に必要かつ記念になるようなものを購入するなどして役立てたいと思います。
長々と書きましたが、何がいいたいかというと「なにかよむもの」はわたしがはじめて自分の手でつくった本で、本を一冊つくるのがどれくらいたいへんかわかっただけでもつくってよかったということです。
手製本の魅力にハマってしまったので、またつくると思います。
つくりたい人がいたら文章や校正や製本の部分で手を貸します。今度は絵本がつくってみたい!paquet.の出版部門というとおおげさだけど、自分のできる範囲で少しづつやりたいことを叶えていきたいと思えるようになったのもおおきな収穫でした。頑張ります。気軽に声かけてください!
お読みいただきありがとうございました!
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