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【読書メモ】『在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活』

自分の好きなことを追求する。簡単なようでいて難しいことだが、それが本業でないときは難易度は跳ね上がる。本書はそんな難しいことを実践し、かつ、論文発表や学術誌への掲載など一定以上の成果を出してきた在野研究者の人々の声をまとめたものである。

一人一人まったく違う環境で全然違う方法論で自らの研究に向き合っているのが面白い。というのもフリーランスとして活動していて、制度に回収されない世界ではマニュアルやフォーマットではなく体験談や事例集こそ重要であると思うことが多いからだ。

だからこそ、本書は研究者志望だけでなく、大きな制度や組織の外で活動したいと望むすべての人にとって現実を戦うためのtipsとなり得る。

ただし、本書に答えは書いていない。何を見出すかどうやって応用するかはあなた次第である。

……なんてことを某レビュー大賞に送った。書ききれなかったこととして、工藤郁子さん、荒木優太さん、逆巻しとねさん、朱喜哲さんの章が文章的にも内容的にもすごく好きで、山本哲士さんへのインタビューからはかなりの刺激を受けた。しっかり勉強したくなってくる。

最後に1番刺さった言葉(工藤郁子さんの章から)を。

"どうせここは元から地獄だ。だから、この地獄を大いに楽しもう。"


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