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2020年5月の記事一覧

【読書メモ】『種まきノート ちくちく、畑、ごはんの暮らし』(早川ユミ、アノニマ・スタジオ)

【読書メモ】『種まきノート ちくちく、畑、ごはんの暮らし』(早川ユミ、アノニマ・スタジオ)

原稿関係で読む。不勉強ながら取材で初めて知った作家さんである。高知の山の上の本屋うずまき舎さんに教えてもらったのだった。

山の上で自給自足で暮らす、というと都会で生まれ都会で育ち、山というと小さいころ父親の実家にお盆・年末年始に帰った記憶があるくらいで正直縁遠いものだったりする。

でも、『ウルトラライトハイキング』で書いた通り山とか自然とかに漠然とした憧れがある。まあ体も弱いしめんどく

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【読書メモ】『ウルトラライトハイキング』(土屋智哉、山と渓谷社)

【読書メモ】『ウルトラライトハイキング』(土屋智哉、山と渓谷社)

ジュンク堂で山と渓谷社〜周年フェアをやっていたので買う。前々から興味があったし。

何に興味があったかというと「ウルトラライト」って部分で普段の鞄の中身をできるだけ軽くしたいこともあり参考のために買ったのだった。まあ読んでみたらあんまり役には立たなかったけど。

でも楽しかったのは、ハイキングとかサバイバルとかそういう生きる力に繋がることに興味があるからで、だから本書の「自然と繋がるために

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【読書メモ】まちへのラブレター 参加のデザインをめぐる往復書簡

【読書メモ】まちへのラブレター 参加のデザインをめぐる往復書簡

次の本の資料として読む。まちづくりの話、難しいけど楽しい。

往復書簡スタイルというのがまず面白くて、なんで面白いのかということが、本書の「あとがきにかえて」にも書かれているのだけれども、つまり返信に時間がかかるので「じっくりの話題を選び、考え」ることができるからで、ああこれっていまの時代にこそ必要なスタイルかもしれないなあなんてことを思った。

で、内容についてである。

コミュニテ

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【読書メモ】『めんどくさい本屋 100年先まで続ける本屋』(竹田信弥、本の種出版)

【読書メモ】『めんどくさい本屋 100年先まで続ける本屋』(竹田信弥、本の種出版)

友人の竹田信弥さんが4/20に自著を出すというので読まなければと思っていたのだがコロナコロナで忘れていたところ、ちょうど原稿の関係上、読まなくてはいけなくなったので読んだ。

竹田さんと知り合ったのは本書にも出てくる「いつか自分だけの本屋を持つのもいい」という東京藝術学舎の講座だったろうか。近くの席に座っていてどちらから声をかけたのかは忘れたが第一印象は怪しいだった。何をしているか分からないひ

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【読書メモ】タープの張り方 火の熾し方 私の道具と野外生活術』(高桑信一、山と渓谷社)

【読書メモ】タープの張り方 火の熾し方 私の道具と野外生活術』(高桑信一、山と渓谷社)

別に山に登るわけじゃない。道具に凄いコダワリがあるわけじゃない。でも、コダワリを持って自分の好きを追求している人の文章は割と好き。いや、かなり好き。

渓流ガイドをしながらフリーランスのカメラマン、ライターである著者が自身の山登り、というかよりは沢(本書では渓)登りの道具を紹介する内容だが、冒頭にも書いたとおり偏りを自覚しながら、むしろ偏りを誇りながら道具論を語るその語り口が面白いのでついつい

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【読書メモ】『しずけさとユーモアを 下町のちいさな出版社センジュ出版』(吉満明子、エイ出版社)

【読書メモ】『しずけさとユーモアを 下町のちいさな出版社センジュ出版』(吉満明子、エイ出版社)

北千住にある、いわゆるひとり出版社「センジュ出版」の代表・吉満明子さんの仕事人生である。

『モモ』との出会い、ボランティアに励んだ学生時代、スーパー仕事タイムな20代ー30代、出産、起業……時に苦しく大変な思いをしなぎらも心のままに生きている人の文章は読んでいてどうしたって心打たれるものがある。

情緒をうまく表現できない僕からするととても羨ましい文章で泣かされてしまう箇所が何個もあった

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【読書メモ】『続・ゆっくり、いそげ』(影山知明、クルミド出版)

【読書メモ】『続・ゆっくり、いそげ』(影山知明、クルミド出版)

クルミドコーヒー、というかフェスティナレンテには生き残って欲しいのでECで珈琲豆を購入し、そういえばまだ読んでいなかったのでこちらも買った。

クルミド出版の新レーベルcallsの一作目。内容は前作『ゆっくり、いそげ』の考えを進めたもの、ではあるのだが実はまだ途中で、読者からの反響を元にして調整・変更していくというあたらしい出版の形を目指している。音楽の世界で言うコール&レスポンスのように本を

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