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レティシア書房店長日誌

西山裕子「草花の便り」出版記念原画展

 花の水彩画を描き続けてきた西山裕子さんの「草花の便り」が、京都の出版社青幻社から今年出版されました(新刊/1650円)。西山さんの個展は、2016年、2020年に続き今回で3回目になります。レティシア書房では、西山さんが自身の作品を用いたステーショナリーを製作販売するために、立ち上げられた「草花舎」の便箋・封筒・一筆箋を、常時置いていますので、お馴染みの方もいらっしゃるかもしれません。
 新型コロナウィルスが蔓延して以降、一人の空白時間が増え、「身体の一部が常に緊張しているような『非日常』の中で私はひたすら花を描くことに集中した。」と本著に書かれています。そして京都大原の「里の駅」に通い、野菜と共に並ぶ摘みたての京都の草花を求め、描くことに没頭したとあります。
 

 絵に添えるように綴られた日記には、2021年3月から12月にかけて何度も出される緊急事態宣言に先行きが見えない中、私はこの状況をこんな風に生きたと思えるように前を向くんだ、という決心をし、大好きな花に向き合った西山さんの思いが詰まっています。
 季節の花を組み合わせたブーケのような、優しく美しい絵。花や葉をあらゆる方向からスケッチして、数種類の植物を自在に構成して仕上げた技量と根気に、励まされるような力強さを感じました。この本には豊かな時が流れています。繊細で優しい本のページをめくっているうちに、なんだか少しだけ善い人になったような気さえしました。
 西山さんの今まで出された著作「英国ヨークシャー 野の花たち」「さくら」「Birth」「英国ヨークシャー 思い出の地を旅して」と、便箋なども販売しております。ぜひ手にとってご覧ください。(女房)

●レティシア書房ギャラリー案内
6/19(水)〜6/30(日)書籍「草花の便り」出版記念原画展 西山裕子
7/10(水)〜7/21(日)切り絵展「図鑑と地図」 後藤郁子作品展
7/24(水)〜8/4(日)「夏の本たち」croixille &レティシア 書房の古本市

⭐️入荷ご案内
Kai「Kaiのチャクラケアブック」(8800円)早乙女ぐりこ「速く、ぐりこ!もっと速く!」(1980円)
つげ義春「つげ義春が語る旅と隠遁」(2530円)
山本英子「キミは文学を知らない」(2200円)
たやさないvol.4「恥ずかしげもなく、野心を語る」(1100円)
子鹿&紫都香「キッチンドランカーの本」(660円)
夏森かぶと「本と抵抗」(660円)
加藤和彦「あの素晴らしい日々」(3300円)
Troublemakers (3600円)
若林理砂「謎の症状」(1980円)
宇田智子「すこし広くなった」(1980円)
おぼけん「新百姓宣言」(1100円)
仕事文脈vol.24「反戦と仕事」(1100円)
降矢聰+吉田夏生編「ウィメンズ・ムービー・ブレックファスト
(2530円)
「些末事研究vol.9-結婚とは何だろうか」(700円)
今日マチ子「きみのまち」(2200円)
秋峰善「夏葉社日記」(1650円)
「B面の歌を聴け」(990円)
「本と本屋とわたしの話vol.21」(300円)
辻山良雄「しぶとい10人の本屋」(2310円)
辺野古発「うみかじ8号」(フリーペーパー)
夕暮宇宙船「小さき者たちへ」(1100円)
「超個人的時間紀行」(1650円)
柏原萌&村田菜穂「存在している 書肆室編」(1430円)
「フォロンを追いかけてtouching FOLON Book1」(2200円)



 
 

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