見出し画像

喫茶マウンテンで「登頂」してきたお話

 かつて予備校での授業時に
喫茶店好きなある講師の方が、名古屋のある喫茶店の話をしていた。
 なんでも、そこでは奇異な料理が出され、それを完食することは
「登頂」
と呼ばれているらしい。

 やりたいことリストに、新しい一行が加わった。



 さて、大学も夏休みとなり、帰省をする予定だった私は新幹線の予約と学割証を忘れたのであえて青春18きっぷを購入した。
 青春18きっぷであれば帰省までの道のりで途中下車が自由にできるため、道草食べ放題と言う訳である。


 当日。
 東京駅の朝4時、始発から乗ることにした。
 忙しくて朝ご飯を買い忘れたため、熱海で途中下車してコンビニでおにぎりを購入した。

熱海駅前には大きめの建物と商店街入口が見える

 観光街とはいえ、朝7時には閑静なもんですね。

 その後乗車し約4時間(体感8時間)、電車に揺られながら睡魔と戦った。立ったまま寝るかと思った。スタンドバイ(スイ)ミー(ン)
 ともあれなんとか、名古屋に到着した。
 ちなみに、気になってたエスカレーターの左右の役割は関東だった。階段のは関西だったけども。

 地下鉄を乗り継ぎながら、目的地へ近づいていく。

(写真撮り忘れたので代用。便利だね。)

!?
なんか主張の強い看板が・・・ 一体どんな店だろう。

ねんがんの

 これが・・・あの喫茶店!!!
 正午どきということもあり、駐車場はパンパンだ。あふれ出る魅力を感じる。
 それに、あの主張の激しい看板に対して外観は落ち着いている。そのギャップ差いるか? いる。

 店に入り、席を選ぶ。カウンター席はないようで、仕方なく2人席を選ぶ。
 内観を軽く見渡してみる。立花さんがいそうな、古風で良い雰囲気で、いいアイデアが思い浮かびそうだ。
 そうしてすぐにお冷とメニューが運ばれる。

さて。
この店の特徴。

一般に、名古屋の飲食店といえば料理が多いことが特徴だ。
例をあげると、全国展開していて知名度の高い「コメダ珈琲」がそうだろう。
だが、この店ならではの特徴といえば・・・

一行目から
!?!?!?!??!?!?!?!?!?!??!?!?!?




                           !?!?!?!?!!?!?!?!!
!?!?!??!?!?!?!??
!?!?!!??!?!?!?!??!?!?!?!?!?!??!?!?!?!??!?!??                                                                                                       


 いやぁ、噂には常々伺ってはいましたが
 違和感しかないですね。
 流石に名古屋ネタ漫画、「八十亀ちゃんかんさつにっき」で取り扱われただけある。面白すぎるな。

 ともかく、今までの人生で一番食べたことなさそうな「甘口抹茶小倉パスタ」を注文。
 ふと周りを見ると店内は混み、外は並んできている。人気を実感するとともに、この料理がなぜか人気である理由に思いを馳せる。甘すぎない感じだったりするのかな。

待つの暇だな・・・
なんかウェイターさん緑色のが乗った皿を運んでるな・・・・あっこっち来た。
これ?

美味しそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!
     ∨

今日も方治さんは元気です


こちとらここ数日つまらんチェーン店の飯しか入れとらんのじゃい!
 覚 悟 し ろ 緑 野 郎 ! ! !

モグモグ・・・












あ~

何度水を飲んでも
この甘さが口内から消えてくんない・・・

 最初はよかった。
 久々の甘み。ほんのりあったかい抹茶ソースをからめたパスタにホイップクリーム、つぶあん・・・・

一口食べると  たちまち天国
舌の上には   純白エンジェル
やがてそこには 夢の跡

 これ、ラップですね。 
ホイップだとしたら胃もたれしちゃいますからね。

 麺もはごたえがあり、非常に楽しめる。このパスタでは餅みたいな役割だった。他のパスタならどれだけ合うか楽しみ。この麺は市販されてなさそうだから、この店をリピーターする理由ができましたね。

 しかしまぁ、盛者必衰という言葉があるように
 同じ時間は二度と繰り返されないかのよに
 食は進まない。
 私が普段小食なところに、2.5mmぐらいのパスタが600g、食べたこともない味で出てくるわけです。甘党とはいえ、大変。プレーンでも難しかったんじゃないだろか。
   ともかく後半、皿の上にはホイップとあんこの混ざったソースがあるわけだが、これが重い。パスタも太いし、味は濃いし、ホイップがほぼ油になっているし・・・

そうした楽しさと苦難の中、
私は「登頂」を達成する。

30分ほどかかりました。

 一度諦めかけたが、その理性には従わない。
 「登頂」から成る具象、それは何を与えるか。あの先生は何を考えていたのか。そんな思いを解くための好奇心がそこにはあった。

 味は確かにクセが強い。私はこのメニューは二度と頼むことは無いだろう。だが、後悔はしていない。
 成功というのは、必ずしも美談である必要はないと思うためだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?